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総合数理学部・宮下研究室が新しい3Dプリンターシステムを続々開発

3Dプリンターシステム「Fitter」を使った出力の様子 滑らかで凹凸感のあるシートを作成が可能に

通常の平面印刷とは異なり、三次元の立体構造を造形することができる3Dプリンター。さまざまな研究が進んでいる中で、総合数理学部の宮下芳明研究室でも、新たなプリンターシステムをこのほど開発した。

宮下教授の下で研究する、理工学研究科博士前期課程1年の秋山耀さんは、コピー機のように簡単に造形物を出力できる3Dプリンターシステム「Fitter」を開発。「Fitter」ではコピーする対象画像をカメラで撮影し、その形に合わせ手書きで枠取りをすることで自動的に3Dモデルの生成が行えるという画期的なもの。例えば、ディスプレー上にはさみを置いて画像を取り込み、表示されたはさみの輪郭に沿って枠取りを行うことで3Dモデルが作成され、はさみのケースを出力することができる。今後さらなる研究を進め、3年以内の実用化を目指している。

同じく、理工学研究科博士後期課程2年の高橋治輝さんは、熱溶解積層方式3Dプリンターを用いた、滑らかで凹凸感のあるシートを作成する手法の開発に成功。今回提案された造形方法では、3Dプリンターの樹脂の押し出し方や樹脂量を制御することで、さまざまな太さの構造を一度の押し出しで作り出すことができる。プラスチック樹脂の積層を行っていないため、押し出された樹脂は滑らかな表面になり、これを敷き詰めることで、均一な凹凸を持ったシートを作ることが可能。透明樹脂や柔軟性のある樹脂との相性が良く、蛇革のような感触や高級感のある見た目を日用品に付加するといった応用が期待されている。