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科学技術研究所 「産業のイノベーションを目指す折紙工学最前線」を開催

世界も注目する「折紙工学」を解説した萩原特任教授

科学技術研究所(所長=今井勝農学部教授)は11月5日、2016年度第2回公開講演会「産業のイノベーションを目指す折紙工学最前線」を中野キャンパス5階ホールで開催した。

今回は、先端数理科学インスティテュート(MIMS)が中心に研究を進めている「折紙工学」について3人の研究者が最新の研究成果を紹介。会場には多数参加があった。

まず、理工学部の石田祥子専任講師が「折りたたみの数理で産業のイノベーションを!」をテーマに講演。日本古来の文化である折紙を数学的に分析することで、多種多様に折りたたむことができる立体形状の特性を解説した。さらに、自動車に用いられる衝撃吸収装置や、地震など人が不快に感じる振動を遮断することができる防振器への応用など、実際に工学応用されている事例を紹介した。

続いて、明治大学研究推進員の奈良知惠氏が登壇し、これまでに東京都市大や東海大などで長年にわたる研究成果を披露。「厚板折りに持ち込まれた数理科学力で産業のイノベーションを!」と題し、折りたたみ式製品の素材や性質、とりわけ厚みに焦点を当て、さまざまなモデルを提示しながら数理科学の応用例について説明した。

最後は、MIMS所長の萩原一郎特任教授が「世界初糊付けまで可能な折紙ロボットで産業のイノベーションを!」として、今や国際的に研究が進んでいる「折紙工学」の起源から、現在に至るまでの変遷を紹介。自身が長年取り組んできた研究成果を踏まえながら、NHK総合テレビ「凄ワザ」で取り上げられ、さまざまな折紙工学の技術を駆使して完成した最強の衝撃吸収帽子や、糊付けまで可能な折紙ロボットの開発秘話など、縦横無尽に折紙工学の最前線を解説した。