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ズームアップ 第560回「チーム思いの熱いキャプテン」

バスケットボール部 田中井 紘章



誰よりも熱く、チームを引っ張り続けた。リーグ戦はまさかの8連敗スタート。入替戦まで経験した。最後のインカレはベスト16。「勝てなかったことは悔しいけど、全てが来年の財産になる」。田中井紘章(政経4=山形南)は、激動の1年を主将として戦い抜いた。

「今日戦えなかったら、今までのバスケ人生で絶対後悔してしまうと思っていた」。そう田中井が振り返るのが、1勝1敗で迎えた江戸川大学との入替戦の第3戦。負ければ2部降格という崖っぷちの状況だった。スターターの5人中3人が下級生というチームだが「今日こそは4年生が引っ張る」と意地を見せた。田中井と會田圭佑(法4=市立柏)の4年生を中心に、持ち味であるディフェンスを徹底し相手を封じ込めた。また、田中井自身も16得点を挙げ、72—53で勝利。後輩たちに1部の舞台を残した田中井の目には涙が浮かんでいた。

バスケ人生初めてのキャプテンで、悩むことも多かった。「結果は欲しかったけど、それ以上に後輩たちが成長できたことはうれしいこと」。最後までチーム思いの頼もしい主将は、後輩たちにリベンジを託し、引退を迎えた。

(たなかい・こうしょう 政経4 山形南高出 182cm ・72kg)

文・織田 有衣子(商1)/写真・田中 愛(情コミ2)