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農・長嶋教授が東大iPSシンポジウムで講演

難病治療に向けた最新の研究成果を紹介した長嶋教授

3月6日、東京大学(文京区)で開催されたシンポジウム「iPS細胞と未来の医療 ~細胞から臓器へ」(主催=東京大学医科学研究所・幹細胞治療研究センター)で、農学部の長嶋比呂志教授が講演を行った。

このシンポジウムには、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授や、長嶋教授とともに共同研究・連携を行っている東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター長の中内啓光教授をはじめ計7機関の研究者らが登壇。多くの研究者や一般聴講者で会場は満員となった。

山中教授、中内教授に続いて登壇した長嶋教授は、ブタをプラットフォームとする再生医療研究を中心に話題を展開し、筋ジストロフィーや糖尿病といった難病・難治性疾患の治療への応用について紹介した。

生殖生物学の第一人者である長嶋教授は昨年11月、1型糖尿病の患者を支援する認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク(佐賀県佐賀市)から、同法人が支援する「バイオ人工膵島移植プロジェクト」に基づき研究助成金を受けるなど、精力的に研究活動を行ってきた(本紙第699号既報)。現在、世界には4億人以上の糖尿病患者がいるとされており、その治療法の確立に「明大在籍中に何とか実用化に持ち込めれば」(長嶋教授)と真摯な姿勢で取り組んでいる。

これらの研究は、難病・難治性疾患で苦しんでいる人々に明るい兆しをもたらしており、大学の「研究」活動から「社会貢献」という重要な役割を担っている。今後、社会における医療・倫理の法整備とともに研究の推移が期待される。