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商学部 在メキシコ日本大使を招き特別授業

「日本・メキシコ関係からトランプ政権まで」をテーマに

政治・経済・文化などの視点から日墨関係を解説する山田大使

商学部・所康弘准教授は6月16日、「貿易論A」の一環として、在メキシコ日本国大使館の山田彰特命全権大使を招いた特別授業を、駿河台キャンパスで開催した。現役大使の話を間近で聞けるとあって、受講者に加え研究者や大学院生、新聞記者らが訪れ、関心の高さを伺わせた。

特別授業のテーマは「前進する日本・メキシコ関係—政治・経済から文化・スポーツまで—」。山田大使は、日本とメキシコが歴史的友好国であることに触れながら、近年の日本企業のメキシコ進出を背景とした両国関係について解説。在レオン日本総領事館の設置、日本経済新聞メキシコ支局の開設、全日空のメキシコ市—成田間直行便の新規就航や、文化・学術交流、国際場裏におけるさまざまな分野での協力体制など、戦略的グローバル・パートナーである日本とメキシコの関係性について、「皆さんの知らないところで急速に深化している」と述べた。

トランプ政権の誕生によって動向が注目されるアメリカとの関係については、「最大の外交問題」とした上で、「アメリカとメキシコの経済関係は一体化している。良好な関係を築けずにいることは両国にとっても大打撃」と、通商政策や移民・国境政策、マクロ経済での影響など、それぞれの視点から説明した。

また講演の中では、マンガやアニメなど日本のポップカルチャーについて造詣が深い山田大使が、さまざまな形で日本文化を発信していることを披露するなど、幅広い大使としての外交の仕事についても紹介された。

講演後の質疑応答では、学生から意欲的な質問が多数寄せられた。今後のメキシコとアメリカの関係について尋ねられた山田大使は、「メキシコの潜在能力は高い。他国の動向に左右されず、中長期的にしっかりと政策を進めることが両国にとって大切」と、先行きが不透明な中でも堅実に政策を実行していくことの重要性を説いた。