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リバティアカデミー・連合駿台会寄付講座 「世界の目、日本の目」 ~記者43年、何を見たか~

豊富な経験を基に日本そして世界の動向に迫った西澤氏

リバティアカデミーは6月20日、連合駿台会寄付講座「『世界の目、日本の目』~記者43年、何を見たか~」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催。本学の評議員で(株)時事通信社相談役の西澤豊氏(1974年政治経済学部卒業)を講師に招き、ソウル特派員、政治部次長などを歴任し記者生活43年の中で見た日本の政治、日本そして世界の動向から見るメディアの将来について鋭く迫る内容で、600人を超える来場者が聞き入った。

西澤氏はまず、日本の政治の現在地として、戦後の歴代首相・政権を振り返りながら、自社55年体制スタート(1955年)、冷戦終結と昭和天皇崩御(1989年)、自民党結成60年と戦後70年(2015年)といった転換点を軸に、その舞台裏を解説。今後の課題として、人口減少対策、財政再建、環境エネルギー、人工知能(AI)への対応などを挙げ、「こうした問題にどう対応していくか。自民党政権が続いているが、野党である民進党も政策論議を深めてほしい」と日本の将来を見据え、持論を展開した。

また、慰安婦問題、北朝鮮の核ミサイル問題に揺れる朝鮮半島との関係については、「憎悪のスパイラルは好ましくない。感情だけではなく、理性に訴える対応、日韓友好の大切さを伝える息の長い対応をすべき。日本にはそれができる」と、未来志向の重要性を訴えた。

さらに、メディアの現状について西澤氏は「新聞は情報の主食、ネットは嗜好品。ネットは情報の偏食になる」と前置きした上で、トランプ大統領の誕生やイギリスのEU離脱などネット情報が大きな流れを生み社会に影響を与えた点ついて言及。これからは、情報を見分けるバランス感覚や、全体を俯瞰し、部分を見分け、流れを把握する力(鳥の目、虫の目、魚の目)など情報リテラシーの必要性を紹介した上で、「相反する2つの意見を包含するような幅の広い視点=“楕円の理論”が大切。我々メディアに身を置く者はこれからも信用できる情報を提供していきたい」と締めくくった。

連合駿台会

明大卒業生の経済人が集う「茗水クラブ」(1953年設立)と、政財界や学会で活躍する卒業生でつくる「明友クラブ」(1964年設立)の統合により、2002年に設立。経済人・法曹人・文化人の卒業生が結束し、明大の目指す“トップスクールへの歩み”を支援することを目的に活動している。