本棚「グローバル企業 国際化・グローバル化の歴史的展望」 安部 悦生 編著 (文眞堂、2,800円+税)



 多国籍企業論や国際化論等を凌ぎ、グローバル化やグローバル企業という言葉が大きな領域を包含するようになって久しい。現在グローバル化の波は一方で支配的になりつつあるものの、他方、EUからのイギリスの離脱にみられるようにそれに逆行する動きやトランプ政権などの保護主義的議論も多くみられるようになっている。
 
本書はこの広く大きな領域においてさまざまな使い方をされる「グローバル」の歴史的概念とその本質を指し示し、今後の科学的メスをどこに入れるべきかを示唆するために企画、用意されたマクロ分析とミクロ分析のうちの後者に位置づけられる。安直で安易な議論を排する日本の経営史学界が誇る碩学の長である編者の口調は歯切れ良い。本書の分析対象はアップル、ユニリーバ、GE、任天堂、キッコーマン、岩塚製菓と旺旺集団の国際活動である。これら個別の事例に即してグローバル企業の実相が本書により明らかにされている。

若林幸男・商学部教授
(編著者は経営学部教授)

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