Go Forward

大学時代の同窓会に出席した。母校の国立大学を卒業して30余年が経ち、久しぶりに顔を合わせる弓道部の集まりだ。「この人誰?」となることもあったが、気持ちはすぐにあの頃へ戻り、時間を忘れて歓談に花を咲かせた。久々の報告からは、さまざまな場所でそれぞれの思いをもって活躍している様子が伝わり、俺も頑張ろうと勇気をもらえた。学生時代に同じ目標に向かって共に過ごした仲間は、何年経っても気の許せる友であり、人生の宝だと心にしみた。

翻って今の学生の過ごし方が少々心配になった。研究室の配属学生に聞くと、友人同士で飲みに行く機会は我々の想像よりも少ない。酒の力を借りることもないが、言いたいことを言える、腹を割って理解し合える仲間をつくれているか、苦楽を共にする友人がいるのかと。

大学の技術者教育では、コミュニケーション力やチームワーク力の養成をカリキュラムに取り入れている。課外活動でも、濃密な人間関係を経験し、仕事に取り組む能力以上に、人生を豊かにする能力も身に付けてほしいと実感した。