Go Forward

今から50年以上前、1960年代初めの頃である。中学1年生の私が、足繁く通った場所がある。当時私の住まいの近くにあった姥山貝塚(千葉県市川市)である。現在は国指定の史跡とされており勝手に立ち入り発掘などすることはできない。当時は、ごく普通の田園風景の一角に多くの貝と土器の破片が地表にあふれていた。

そんなある日、いつものように出向くと大がかりな発掘調査をしている人々に出会ったのである。当時その場所がどのような意味を持っているのかも知らず、慌てて家に戻り、自分の発掘したものを持ち込み、いろいろと質問し教えていただいたことを記憶している。その発掘調査の方々が明治大学の考古学研究の先生方であった。おそらく杉原荘介先生やお若かった大塚初重先生もいらしたのではなかったかと思う。

その私が現在は明治大学でビジネス関連の研究をしている。全く分野の違う世界の研究者となってはいるが、この世界に足を踏み込んだきっかけがここにあったのではと最近強く思うところであり、また不思議な「縁」を感じるところでもある。