Go Forward

「ダーク・ウェブ」なる言葉をこの夏覚えた。普通の検索では見つけられない「見えないウェブサイト」のようだ。特定のソフトを使わないと閲覧もできない。

ここで取引されるものは物騒だ。武器、臓器、訳ありの商品や通貨など、表では当然「違法」とされるものが、ここでは取引される。仮想通貨が「盗難」されたあとで、マネー・ロンダリングされた舞台もまたこの「ダーク・ウェブ」だという。

しかし、SNSでも似たようなことは前から起きている。学生が感想や疑問を直接伝えてくれなくなって久しい。それでも数年前までは偶然的にSNSで学生の声が聞こえてくることがあり、参考になることも多かった。だが、今や多くの学生が自らの動向を非公開として設定し、公開で自由のはずのネット環境で、閉鎖的にのみ既知の仲間とつながっている。

見えない内容には興味がないが、未知の誰かに届くかも知れないということに、学生が希望を持てないことのほうが気になる。「空瓶のなかの手紙」の夢を、デジタルネイティブたちは、もはや見ないのだろうか。