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北海道札幌西高等学校で明治大学特別授業を実施 —明治大学の学びを約650人の生徒が体験—

2018年11月13日
明治大学 広報課

札幌西高校の約650人の生徒が参加札幌西高校の約650人の生徒が参加

「不可能立体を数学で解き明かす」をテーマに特別授業を実施した杉原特任教授「不可能立体を数学で解き明かす」をテーマに特別授業を実施した杉原特任教授

錯覚作品について解説する杉原特任教授錯覚作品について解説する杉原特任教授

明治大学は11月13日、北海道札幌西高等学校で特別授業を実施し、同校1・2年生の約650人の生徒が、本学の学びを体験しました。

本授業は、広報活動の一環として、各地域にある有力校の高校生を対象に本学の学びを体験してもらうことで、大学で学ぶ意義を伝えるとともに地方での本学の親近感と認知度向上を目的としたもの。7月の福岡県立修猷館高等学校に続き、今年度2回目の実施となりました。今回は、文部科学省の平成28年度私立大学研究ブランディング事業に採択されている「Math Everywhere:数理科学する明治大学—モデリングによる現象の解明—」を広く高校生に周知する取り組みの一環にもなっており、先端数理科学インスティテュート(MIMS)所長で研究・知財戦略機構の杉原厚吉特任教授が講師を務めました。

「不可能立体を数学で解き明かす」と題し登壇した杉原特任教授は冒頭、「なぜ錯覚が起こるのか」と問いかけた上で、現実にはありそうにない「不可能立体」や、鏡に映すとまったく別の形に見える「変身立体」など錯覚作品を紹介。その中でも、ボールが坂を上っていくように見える錯覚動画に、参加した生徒は特に驚いた様子でした。
杉原特任教授は、「人間の脳には過去の経験をもとに想像で情報を補うことが自動化されてしまう。本当の形を知っていてもそれを無視して、普段目で見ている身の回りの物体の形状を思い浮かべてしまうことが錯覚である」と解説。目で見て奥行を読み取る脳の働きを数学で表し、それを使い、不可能立体の絵と呼ばれるだまし絵を見た時、なぜ脳が錯覚を起こすのかを解き明かす講演内容となりました。
講演の最後に杉原特任教授は、「数学は偉大であり、現象を理解する道具だけでなく、新しいものを創造する力も持っている。不可能立体を入り口に、数学でできることの幅広さ、楽しさをぜひ知ってもらいたい」と、会場を埋めた高校生に呼びかけました。

講演後には生徒たちから多くの質問が挙がり、今後の目標について聞かれると「錯覚テーマパークを作りたい。1km2あれば、上りなのに下りに見える坂道をつくる」と杉原特任教授は答えました。

参加した生徒たちからは、「元々好きだった錯覚の話を詳しく聞けて楽しかった。特に印象に残ったのは図形を作るための計算式。今後、自分でも作ってみたい」、「錯覚について、心理学や脳科学が関連していることは何となく知っていたが、さらに数学が関連していることを学べ、数学のおもしろさや可能性を知れた」、「数学が苦手だけど、今回の講義は面白かった。『無限階段』や『2つのL』などは特に印象的で、非常に不思議だった。もっといろいろな作品を見てみたい」などという感想がありました。

杉原特任教授は、10月の世界錯覚コンテスト2018(Best Illusion of the Year Contest 2018)において、錯視研究作品『Triply Ambiguous Object』が見事に最優秀1位を獲得し、通算3回目の優勝(他に準優勝も2回)を飾ったばかり。参加した生徒は、世界でも評価される杉原特任教授の授業や大学での学びを実感し、数学がもつさまざまな可能性も知れて、満足した様子でした。