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カリフォルニア大学バークレー校教授のジュディス・バトラー氏に名誉博士号を贈呈しました

2018年12月11日
明治大学 広報課

土屋学長から学位記が手渡された土屋学長から学位記が手渡された

記念品を贈呈する柳谷理事長記念品を贈呈する柳谷理事長

謝意を示すジュディス・バトラー氏謝意を示すジュディス・バトラー氏

合田正人文学部長ら関係者とともに合田正人文学部長ら関係者とともに

記念講演会は多くの注目を集めた記念講演会は多くの注目を集めた

明治大学は12月11日、カリフォルニア大学バークレー校修辞学/比較文学科教授のジュディス・バトラー(Judith Butler)氏に明治大学名誉博士学位を贈呈しました。駿河台キャンパス・リバティタワー23階の岸本辰雄ホールで行われた贈呈式では、土屋恵一郎学長から学位記が手渡されました。

世界屈指の哲学者として知られるジュディス・バトラー氏は、暴力、差別、迫害、戦争、テロリズムなどの諸現象を哲学的に解明し、それを阻止するための方途を精緻な言語と果敢な行動によって提示することで、世界が抱える数多の難題の解明に多大な社会的貢献をなしてきました。明治大学ではこれを高く評価し、今回の贈呈に至りました。

贈呈式の冒頭、式辞に立った土屋学長は「世界から必要とされ、世界から対話を求められるような重要な哲学者である同氏に名誉博士号を贈ることができるのは明治大学にとって名誉なこと」と称賛。記念品の授与に続いて登壇した柳谷孝理事長は「同氏が哲学的なアプローチをもって、人々の視界を遮る諸現象を真っ向から解明する姿は、本学の精神や方向性と大いに共鳴する」などと敬意を表しました。

これを受けてジュディス・バトラー氏は「今回の称号は、私の研究分野に名誉を与えていただいたことと同じ」とした上で「世界をもっと自由で公正なものにするために、われわれは判断し、社会を変えていく。そのために無知を乗り越えなければならない」と決意を語りました。

贈呈式終了後には、会場をリバティホールに移し名誉博士学位授与記念講演会「非暴力・哀惜と個人主義批判」が行われました。同氏は会場を埋め尽くした学生らを前に「新しいナショナリズムが生まれつつあるが、相互依存を認めてこそグローバルな視点での義務を理解することができる」と語り、地球市民としての意識の重要性を訴えかけました。

明治大学名誉博士学位の贈呈は、アントニオ・グテーレス国連事務総長(贈呈時は国連難民高等弁務官)に続いて32人目で、2014年以来4年ぶりとなります。


ジュディス・バトラー
1984年イェール大学にて博士(哲学)の学位を取得。1998年ジョーンズ・ホプキンス大学等で教鞭を執った後、カリフォルニア大学バークレー校修辞学/比較文学科教授に就任した。2009年にはアンドリュー・W・メロン財団より功労賞を授与されている。著書に『ジェンダー・トラブル』など