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プレスリリース

初出荷を迎えた高糖度・多収量のミニトマト「スイートマシェリ」

2014年02月26日
明治大学

初出荷を迎えた高糖度・多収量のミニトマト「スイートマシェリ」
清水建設株式会社
学校法人明治大学
㈱新地アグリグリーン
㈱ヨークベニマル

清水建設㈱、学校法人明治大学、東日本大震災で被災した農業法人㈱新地アグリグリーン、流通大手の㈱ヨークベニマルが協力して、大規模生産システムの確立とブランド化を目指して取り組んできた高糖度トマト「スイートマシェリ」が初収穫を迎え、2月26日11時より、新地アグリグリーンのトマト農園(福島県新地町)において、加藤憲郎新地町長やプロジェクト関係者、マスコミ関係者らの出席のもと、出荷式ならびに試食会を催しました。

「スイートマシェリ」の栽培実証事業は、清水建設㈱が4者によるプロジェクトを組成し、新地町役場の支援を受けて、復興庁と経済産業省による平成25年度の補助事業「先端農業産業化システム実証事業」として提案・申請し、同年7月にその採択が決定したものです。10月には、明治大学の特許である「サンゴ砂礫農法」を適用した30㌃規模の太陽光利用型植物工場を整備し、苗を定植。以来、大規模生産システムの構築と品質の確保に取り組んできました。この農法は、一般に収量が少ないとされる高糖度トマトを多量に収穫できるという特長があります。明治大学の中林准教授による過去の実験によると、通常の養液栽培に比べて平均糖度が5割増、収穫量も4割程度増すことが確認されています。

今回、サンゴ砂礫農法を適用したトマトの種類は、「イエローミミ」「イエローアイコ」「アイコ」「トスカーナバイオレット」「ピッコロカナリア」の5品種で、高糖度の目安となる9度以上の糖度を確保しています。当面はテスト販売となりますが、近々、高糖度品を「スイートマシェリ」ブランドでヨークベニマルの郡山界隈の店頭に並べる予定です。

㈱新地アグリグリーンでは、東日本大震災により、トマト栽培ハウスの1/4にあたる1.5㌶が倒壊し、現在再建中です。高糖度トマトの市場評価をもとにサンゴ砂礫農法による栽培面積を拡大し、年間を通じた安定的な供給を図る考えです。


≪参 考≫
※高糖度トマトの大規模栽培プロジェクトの組成経過

震災以前から植物工場の建設計画の支援や山村などの地域振興に取り組んできた清水建設が2年程前から、被災地の復興に貢献できそうな農産物や先端的な農耕技術を調査に着手。広く被災地への展開が期待できる付加価値の高い農法として「サンゴ砂礫農法」に着目。
新地町役場の推薦により、トマト栽培で高い評価を得ている福島県相馬郡の被災農業法人・㈱新地アグリグリーンに、サンゴ砂礫農法による高糖度トマトの大規模生産システムへの取り組みを提案したところ、同社が賛同。一方、事業化に不可欠な流通経路の確保については、福島県を中心に東北から北関東にかけて主に生鮮食品をはじめとする食料品販売に実績がある㈱ヨークベニマルの協力を得ることができました。こうして、3企業・1大学による「先端農業産業化システム実証事業」のプロジェクトがスタートしました。

※㈱新地アグリグリーンの会社概要
所 在 地:福島県相馬郡新地町駒ケ嶺鹿狼11-1
社 長:赤坂保信
資 本 金:500万円
事業概要:トマト栽培