2009年6月12日(金)

プロジェクトの事業担当者 水野 勝之教授が、社会貢献について研究されている 原 清司さん(立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科 博士課程前期)のインタビューを受けました。

(写真左 原 清司さん、右 水野 勝之教授)

 原さんは、外資系の会社に32年間勤務し、アメリカのダラスに3年間居住していたことなどもあり、その際に知り合った友人に50歳を過ぎた頃から、「定年後の地域貢献をどう考えているんだい」と問われ、答えにつまってしまったことがこの研究をはじめたl切っ掛けになったそうです。アメリカの同年代の人たちと、日本人の「地域貢献」に対する意識の違いに愕然とし、このままではいけないのでは、と考え始めたそうです。その後、機会に恵まれ、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科に進まれました。
 「団塊の世代」が定年退職の時期を迎え、高齢者が増えていく日本の社会において、「年金の話ばかりで社会にぶらさがる高齢者になってはいけない。明るく、成熟した高齢社会になるためには、何が必要なのか」ということをテーマに、研究をされています。これに沿って先進大学の取り組みを調べていたところ、明治大学の行っている「広域連携による地方活性化のための潜在的な社会参加ニーズ対応就労促進プログラム」を知り、事業担当者の水野教授を訪ねて明治大学まで足を運んでくださいました。




原さん 「企業で長年働いて来た方が、その経験を生かして地域貢献をしようと思い立ち、ボランティア活動やNPOなどに参加しても、“目標重視、利益重視、コスト重視”などの企業文化が先に立ち、ミッション重視型で地域文化を大事にする考え方に馴染めない。会社に勤めていた時には、地域とのコミュニケーションを奥さんに任せていたので、その切り替えが練習不足、結果として、地域活動でのコミュニケーションが取れずに、自宅で引きこもりになってしまう。それでは“もったいない”ので、定年退職の前後に地域社会の事を学ぶ、そんな機会を各大学が生涯学習プログラムとして提供し、豊かな社会創りを支援したらどうか、と考えている」

水野教授 「地域活動は、途中で周りに批判されても目標を外れず続けていく勇気が必要。目標を達成すれば認めてもらえることも、途中で批判に流され何のためにやっているのかを見失ってしまうと台無しになってしまう。企業で管理職などをやっていた方は、すぐに“意義は?”と考えがちだが、地域活動ははっきりとした“意義”は必要ではなく“何のためにやっているか”が大切。みんなと協力していく中で、自分が既に持っている素晴らしさを掲げるのではなく、自分の新しい素晴らしさに“気づく”ことも大切。」




 原さんは、HPなどでこのプロジェクトのことをとても詳しく調べてくださっていて、明治大学の「大学ができる地域貢献」「学外に提供する学び」という考え方をとても評価してくださいました。
意見交換の中で、水野教授との共通する考え、原さん独自のお考えを伺い、インタビューを受けるこちら側も、新たな“気づき”があるとても充実した1時間半でした。ありがとうございました。


インタビュー後、原さんからいただいたメールの中で、プロジェクトを行った地域とその後も色々な形で連携をしていることについて、「本物の社会貢献は『持続』出来ているかにかかっていますが、明治大学の本気を感じます」という言葉が心に残りました。