事業担当者 水野勝之 商学部教授
 このプログラムのコンセプトは 社会に役立つことをあきらめていたり、気づいていなかったりする人たちに、社会で活躍することに目覚めてもらおうというものです。
発想の原点は「あらゆる人は 生涯にわたって活躍できる」という考え方です。

私の義父は80歳を超えて「外にでるのが怖い」と家に閉じこもりがちになり、大きな希望を持たなくなりました。いやいや、そんな日本であってはいけない。人生80歳から!と堂々と言える社会は、これから急速に高齢化を迎える日本にとってひとつの理想像でしょう。
私は 明治大学の力を借りて、すべての人が社会で活躍できる社会を作りたいと考えました。

 さて、独居のお年寄りについては、全国的な問題です。
一人暮らしで頼る人もなく、いつしか亡くなってしまう、そうした悲しい新聞記事を最近よく目にします。
この問題の解決に このプログラムが有効ではないか?たとえば、伝統技術の伝承に活躍していただく、というようなことです。
日本の伝統技術は 継承者不足によって廃れてきているものがたくさんあります。
経済社会の枠組みの中でも お年寄りに活躍していただき、生き生きと余生を送っていただける仕組みをプログラムでも生かせたらと考えております。

 また 日本では「母の役割は子育て」という長年の固定的な概念により、お母さんたちが社会参加をあきらめてしまっている残念なケースが未だにあります。社会参加の機会の提供が十分にできれば、日本社会は母という大きな支柱を手にすることができるのです。

 以上のように、社会に役立つことをあきらめていたり、気づいていなかったりする人たちに対して、実は経済社会の中で十分役割がある、という認識を広め、積極的に活躍してもらうことが重要です。これは、これまで自治体でもできなかった、民間でもできなかった大学の新しい公共的な役割です。

明治大学では、全国各地でこのプロジェクトを展開し、まずはプロジェクトに参加することで、誰しもが社会に役立っている自覚を持ち、さらには積極的に社会で活躍することを望んでおります。