◆一般参加、企業参加などの資料のコーナー

No.01 コミックマーケットの始まり

 大きく、長い歴史を持つこのイベントも最初は一枚の紙による呼びかけから始まりました。従来のマンガイベントの参加者対応への反発をきっかけに、同人誌を中心にした新しいイベントが開催されることになりました。


【展示品】
これでいいのか漫画大会(1975年)

No.02 初期の情報と会場図

 開催当初は1枚の紙で当日の案内が収まる情報量でした。
 C7/1977年プログラムパンフレットには地図、注意事項、裏面には参加サークルリストなどが載っていて、のちのカタログの役割を担っています。
 手書きの配置表はC15/1980年ごろのものと思われます。C15では「今後はスペースがいっぱいになった時点で参加受付を打ち切る」ことが表明されます。それまでは、サークル参加者と相談して、できるだけ申込者全員に場を用意していたとのことですが、参加者のあまりの急増のため、ついに「200サークルまで」という上限の発表に至ったのでした。
 C49/1995年では会場は晴海の東京国際見本市会場でした。全館使用、2日間開催で16000スペースに。このときの会場地図のスペース番号をじっくり見ると、なんとその大部分が手書き!理由は「手書きの方が温かみがあるから」(当時のカタログ編集長/現共同代表 筆谷芳行氏談)とのこと。


【展示品】
上:
サークル配置検討図(C15ごろ/1980年ごろ)

下:
プログラムパンフレット(C7/1977年)

右:
会場地図AB 東館原画(C49/1995年)

左:
会場地図南西新館原画(C49/1995年)

No.03 どうやって目指す場所を探すの?

 回が進むにつれ、コミケットレポートや会誌名リストなど、必要とする情報が冊子状にまとめられていきます。
 コミケットレポートは開催された当日の様子や、参加サークルのリスト、次回の募集要項などが載っており、現在のカタログと申込書セットをいっしょにしたような冊子です。LONG VACATION は「サークルの発行している会誌名」の載ったリストです。1984年ごろには既にサークル名順のリストがありましたが、会誌名のわかるものを……と、スタッフ有志によって作られました。当時はグループごとに複数の人が投稿して1冊の会誌を作っているのが主流で、「会誌名」がサークルを探す手掛かりになっていたことが分かります。


【展示品】
上:
COMIC MARKET-7 REPORT(1978年)

中右:
会誌名リスト(C27/1984年)

中左:
LONG VACATION 85 Vol.1 ガイドブック
(C28/1985年)

下:
LONG VACATION 86 夏(C28/1985年)

No.04 コミケットスペシャルとは

 数年に一度、通常の開催とは別に、特色あるコミケが開催されます。
 第1回コミケットスペシャルは1978年にコミケ赤字救済イベントとして企画され、自主アニメの上映、劇団の公演などが行われました。
 2000年に開催されたコミケットスペシャル3は「リゾコミin 沖縄」として沖縄県で開催。2005年コミケットスペシャル4は24時間にわたって会場を使用した「24耐」など、第2回目以降は個別のテーマと、通常のコミケではできない特徴があります。
 2015年に幕張メッセで開催されたコミケットスペシャル6は、世界各他の同人誌オタクイベントの紹介や音楽ライブも行われ、歌手の小林幸子によるステージなど、さまざまな広がりを感じさせました。


【展示品】
上:
コミケットスペシャルカタログ
(1996年、2005年、2015年)

中:
コミケットスペシャル3 カタログ(2000年)

下左:
コミケットスペシャル3 会場図原稿
(2000年)

下右:
コミケットスペシャル入場券
(第1回/1978年)

No.05 グッズ

 これまで、紙袋やうちわ、テレホンカードなどさまざまなグッズが作られてきました。


【展示品】
うちわ、うちわ色指定原稿
うたたねひろゆき(C80/2011年)

紙袋
migo(C80/2011年)

No.06 マンガでレポート

 カタログの中には注意事項やサークルのPRカットのほかに、コラムや企画ページもあります。マンガレポートは当日や前後のできごとを1コママンガでレポートする、参加者なら誰でも投稿できる人気企画です。
 カゴに入れて保管されていたのはC43/1992年の未掲載分のマンガレポートです。C43のマンガレポート採用数は954枚、応募総数は18500枚でした。1枚1枚にそれぞれの感想が描かれたものがぎっしりと詰まっている様子は熱量いっぱいです。
 ちなみに、「冬コミのカタログに載るマンレポは、サークル申込の関係で夏コミ直後に描かれたものなので、夏よりも感情がほとばしりがち」(マンガレポート担当/ 共同代表 筆谷芳行氏談) とのこと。


【展示品】
まんがレポート未掲載分(C43/1992年)

パネル:
冊子版カタログ まんがレポートより
(C43/1992年)

No.07 委託コーナーについて

 C52/1997年~C71/2006年の間、同人誌だけを預かって販売する「委託コーナー」がありました。抽選漏れしたサークルの救済措置としてはじまりましたが、開催が2日間から3日間に増え落選率が減ったことなどから、募集が終了しました。
 コミケに同人誌を出したい!という参加者の気持ち、会場の利用方法などを模索してゆく軌跡のひとつです。


【展示品】
同人誌委託コーナーガイドブック
(C58/2000年、C64/2003年)

No.08 企業の参加

 会場には古くから印刷会社、文房具メーカーなどが出展してきました。C30/1986年には味の素が映画「天空の城ラピュタ」のドリンクのPRで出展しています。
 いまのように大きく場所をとり、いろいろな企業を迎え入れることになったのはC51/1996年から。今では専用のカタログが毎回無料配布されています。


【展示品】
企業ブースパンフレット
(C65/2003年、C75/2008年、C88/2015年)

No.09 冊子版カタログ

 冊子版カタログは、C21/1982年からコミケットカタログとして販売が開始されました。今では毎回1000ページを越える厚さで、あまりの厚さ重さに「鈍器」と称されることもあります。2冊に分けられた回があったり、なるべく薄く軽い紙にこだわったりといった試行錯誤と工夫がなされ今に繋がっていきます。

 Dr.モロー氏によって描きおろされるマンガは、サークルカットの余白に描かれるため、回ごとに大きさが違います。実際にカタログ用原稿用紙の裏側を使って描くことで、スペースにぴったりおさまっているのがわかります。また時事ネタも多く、多くの参加者の楽しみとなっています。


【展示品】
カタログ掲載マンガ
Dr.モロー(C49/1995年)

No.10 コミケットセレクション・コミケット年鑑

 コミケットセレクション、コミケット年鑑は、コミックマーケット準備会が製作・発行した、アンソロジー集です。マンガ作品を中心に、パロディ、オリジナルを問わず収録されています。


【展示品】
コミケットセレクション
コミケット年鑑
(1983年ほか)

No.11 コスプレと撮影

 各々の衣装を身にまとうコスチュームプレイを楽しむ人はコミケ開始初期からいましたが、増え始めたコスプレイヤー、またそれを撮影するカメラマンのためにC48/1995年からコスプレイヤー用の冊子「チェンジ(後にちぇんじ)」、C55/1998年からは撮影者用にマナーやルールが載った「さいと」が作られました。


【展示品】
上:
チェンジ(C49/1995年)

中:
さいと(C96/2019年)

下:
コスプレ登録証(C96/2019年)

No.12 進化するカタログ

 コミケのカタログには長く刊行されている冊子版のほかに、アプリケーションとデータを収録したROM版もあります。ROM版カタログはC56/1999年から発行され、当初は冊子版カタログと同じ表紙の絵柄でしたがC63(2002年)からは同作家によるCD-ROM版用の表紙が描かれるようになりました。C81からはCD-ROMからDVD-ROMに変わっています。
 現在のカタログは、冊子版、ROM版、WEB版の3種類が公開されています。


【展示品】
コミックマーケットカタログROM版
(C93/2017年、C94/2018年、95/2018年、C96/2019年)


◆サークル参加などの資料のコーナー

No.13 カタログの作り方

 冊子版カタログの作成では3日間開催の場合だとおよそ35000サークルカットを貼りこむ専用の原稿用紙が作られていました。この用紙に、配置順に並べた短冊からカットを切り取り、一枚一枚手で貼り付けていきます。そのためだけに、何十人もの準備会スタッフが一泊二日の合宿作業をしていました。
 C70/2006年からオンライン申込が始まりサークルカットがデジタル化され、それが普及するに伴い、C78/2010年からROMカタログ、C80/2011年からは冊子版カタログのカットページが、カットデータと配置情報から生成したデータを用いるようになりました(郵送申込のサークルカットはスキャニングしています)。


【展示品】
コミックマーケットカタログ冊子版
原稿(C63/2002)

No.14 コミケットアピールとは

 コミケットアピールは申し込みをしたサークルに、当落通知などとともに送られてきます。会場図や、搬入の手引きに加え、サークルに向けた「ごあいさつ」が載せられ、税金問題や表現規制についてなど、折々の話題をサークルに呼びかけています。
 初期のコミケットアピールは開催後に発行され、前回の様子を伝えたり、次回の予定を知らせる内容でした。
 こみけっと・あぴいるVOL.3は、1980年の段階で市バスが臨時バスを運行する規模になっていたことが読み取れるなど、当時からさまざまな取り組みを進めていたことがわかります。
 C15/1980年コミケ開催から5年、C48/1995年は開催20年、C89/2015年は開催40年を迎え、それぞれの時期の代表のあいさつから時代の流れがうかがえます。


【展示品】
上:
コミケットアピール(C89/2015年)

中:
コミケットアピール(C48/1995年)

下:
こみけっと・あぴいるVOL.3(C15/1980年)

No.15 参加者を繋ぐ場に

 1993年当時、コミケは参加者に向けて4つの紙媒体を持っていました。

 ・カタログ(参加サークルのPRなど)
 ・コミケットセレクション(年に1回ペースの作品集)
 ・コミケットマニュアル(申込みの注意、サークルへの注意など)
 ・コミケットアピール(配置図、当日の注意、搬入搬出についてなど)

 これらに加え「マンガ・アニメファンのコミュニケーションの場」「生の声」を送り出したいと、「コミケットマガジン」の準備が進められました。そしてそれはのちに長く続く「コミケットプレス」へと繋がっていきます。

 サークル申込書セットを買うと必ず同梱されている小冊子「コミケットプレス」。規制問題、徹夜問題、気になる作家ベスト100など時期折々に気になる特集や、スタッフの仕事紹介などが載っていて、コミケ周辺の企業への突撃インタビュー「はたらくおぢさん」も人気コーナーです。1994年からはじまり、紙の冊子での発行は50号で最終号を迎えました。今後はweb版で掲載となります。
 50号の「はたらくおぢさん」コーナーに当館が取り上げられました!


【展示品】
上:
コミケットプレス(C77/2009年、C86/2014年、C87/2014年、C88/2015年)

中:
コミケットプレス50
(C96/2019年)

下右:
コミケットプレス創刊号(C47/1994年)

下左:
コミケットマガジン創刊準備号その2
(1993年)

No.16 通称「赤紙」

 当日、なんらかの理由で頒布ができないサークルに対して卓上に掲示されます。

青…開場までの受付にサークルが間に合わなかった
黄…頒布物確認において、サークルの頒布物が頒布できるかどうか確認中
赤…搬入した頒布物の量が多すぎる、はみ出している等

と、内容によって色分けされています。状況が改善されれば掲示は外されて、頒布もできるようになります。
 こちらの実物は過去に使用されていたものです。


【展示品】
準備会からの連絡(年不明)

販売停止カード(販売物について)(年不明)

販売停止カード(搬入荷物について)(年不明)

No.17 たかが封筒されど封筒

 サークルに参加の当落を知らせる封筒。この封筒にすら小さな改善がくりかえされているんです。
 コミケのサークルは応募者多数の為、参加は抽選で決まります。その当落は参加のための書類一式が入った封筒が郵便で届くところからはじまります。
 C48/1995ごろは明言はされないものの、「当選者には色つきの宛名シールが貼ってある」というのが定番になっていました。そのため封を開ける前から「受かった!」「落ちた!」と判別していた人も。しかしC80/2011は「落選者のシールが茶色」で発送され、よーく見ると落選者に向けた申込料の払い出し番号が書いてあるので落ちたことが分かるのですが、それでも「色がついているラベルだから……」と淡い期待を持ってしまった人がいるとかいないとか……。
 その後も、大きさやコミケマークの表示など工夫が重ねられ、現在はサークル名などの情報は封筒を見ただけではわからないつくりになっています。


【展示品】
当落通知 封筒(C48/1995年ラベル色黄、
       C49/1995年ラベル色白、
       C80/2011年ラベル色茶、
       C96/2019年ラベルなし)

マンガレポートより(C48/1995年)

マンガレポートより(C81/2011年)

No.18 申込書とマニュアル

 現在は「サークル参加申込書セット」として、申込用紙と申込の為のマニュアルが1冊の冊子になっていますが、初期の申込用紙は「企画参加ガイド」として1枚のペーパーと、参加の方法や準備会についての説明などが記載された「マニュアル」の冊子とに分かれていました。
 C16/1980年ごろまでは同人誌以外にも原画の販売や、アニメの上映なども行っており、参加者は事前に行われる集会(説明会)に参加して当日の打ち合わせをしていました。申込書にはサークルの総会員数や平均年齢が項目にあり、現在より1サークルあたりの人数が多かったことがわかります。まだジャンルわけはありません。


【展示品】
上:
企画参加ガイド(C16/1980年)

中右:
新版コミケットマニュアル(1985年)

中左:
参加申込書(C29/1985年)

下右:
COMIC・MARKET・MANUAL 3(1984年)

下中:
かいてい新版コミケットマニュアル(1987年)

下左:
晴海版コミケットマニュアル(1988年)

No.19 申込書のなかは……

 たくさんのサークルからの申込を取り扱うため、申込書セットには細かなルールが丁寧に解説されています。
 特に申込ジャンルの区分けはそのときどきで編成が繰り返され、作品としての人気ともまた違った「コミックマーケットでの盛り上がり」という独自のムーブメントを感じることができます。
 いまではインターネットからの申込もできるようになりました。


【展示品】
サークル参加申込書セット(C55/1998年)

サークル参加申込書セット(C85/2013年)

No.20 すべての見本誌を1冊ずつ

 参加するサークルはコミックマーケット準備会に新刊1種ごとに見本誌を1冊ずつ提出するきまりになっています。サークル参加者は定型のシール(見本誌票)に誌名、価格などを書いて決められた場所に貼り、スタッフが回収して回る仕組みです。C47/1994年まで見本誌票はなく、本に直接、えんぴつでスペース番号を記入していました。
 1回の開催で集められた見本誌は、まとめて当館に届けられ、期間限定で閲覧できるようになっています。期間後は準備会に戻され、保管されます。C96/2019年ではダンボール363箱分が当館に届きました。
 サークル参加者すべての見本誌を保管していることで、のちに創作の詳細に触れることが可能になると考えられます。いま世に出された創作物が50年後、100年後に貴重な資料になっていくことでしょう。
 見本誌閲覧の動画もご覧ください。


【展示品】
サークル参加申込書セット 見本誌シール
(C90/2016年)

No.21 出展サークル専用通行証

 出展サークル専用通行証は、サークル参加者が会場に入る時に使うチケットです。


【展示品】
出展サークル専用通行証 原版(C28/1985年)

No.22 出展サークル専用通行証の細やかな移り変わり

 現在、出展サークル専用通行証はサークルの情報を提出する参加登録カードと一体になって届きます。C44/1993年には現在の様式に近くなり、C68/2005年には現在と同じ宛名と一体の形になっていたことがわかります。
 変わった紙に刷られていたり、複雑な模様やホログラムを印刷したりと、工夫が目にも鮮やかです。


【展示品】
出展サークル専用通行証
(右からC44/1993年、C45/1993年、C46/1994年、C57/1999年、C58/2000年、C68/2005年)

No.23 現在のカタログたち

展示当時最新のC96の関連資料を手に取って読むことができました。


【展示品】
冊子版カタログ

CD-ROM版カタログ

コミケットプレス

コスプレ登録証

さいと

コミケットアピール
(すべてC96/2019年)

No.24 参加者が作る場

 サークル参加者が同人誌などを並べるための机や椅子は、開催の前日から準備されます。1日あたりおよそ6千本の長机と2万数千脚の椅子が、スタッフと参加者の有志によって並べられ、片づけられます。
 この“設営”と“撤収”は誰でも参加できます。参加者は軍手を持参し、当日に配布される設営マニュアルを読んで、測量をして机や椅子を並べます。また最終日の開催終了のアナウンスののち、サークル参加者の片づけの合間を縫いながら、協力し合って撤収が進められます。
 巨大な空間が数時間でできあがり、またきれいに片づけられる様子は、自分たちのできる範囲で協力し合い、場を作っていくコミックマーケットを目で見て実感できるタイミングです。


【展示品】
設営マニュアル(C96/2019年)


◆スタッフ参加などの資料のコーナー

No.25 スタッフについて

 コミケは「コミックマーケット準備会」が準備の中心となって開催するイベントです。当日の運営で約3200人のスタッフが動いており、準備会スタッフはボランティアです。また準備会を支援する目的で有限会社コミケットがあり、活動をサポートしています。準備会スタッフは必ず部署の記載された名札をつけています。

 初期のスタッフの目印は腕章でした。C25/1983年のスタッフマニュアルからは担当によって色の違うバッヂをつけていたことがわかります。現在では帽子と腕章が1回ごとに作られています。


【展示品】
上:
スタッフ用帽子
(C52/1997年、C91/2016年)

下:
スタッフ用腕章
(年不明、C70/2006年、C71/2006年)

No.26 スタッフとお弁当

 C18/1981年のスタッフ登録用紙やC28/1985年のスタッフ証から、スタッフ用のお弁当を準備していたことがわかります。
 万が一のことを考え、お弁当は複数の種類が用意され、責任者クラスのスタッフは食べわけをしています。千個単位のお弁当を準備して行きわたらせ、3200人のスタッフの健康を守り、ひいてはつつがなく開催するためには、実は繊細な取り扱いが要求されるため、お弁当専用スタッフがいます。

『お弁当係の立ち上げ』
 お弁当係は、幕張から戻ってきた晴海の頃にできました。それまでは、スタッフが各自でお弁当部屋に行き、その場で食べたり部署に持ち帰って食べていたりしました。今からすれば牧歌的な管理だったので、行ったときには既にお弁当が無くなっていたり、遅くなって行くとお弁当が傷んでいたりして、結局食べられなかったり……。
 ということで、これは「ちゃんと管理しないといけませんね」となり、お弁当係が誕生したわけです。
 今ではお弁当を各部署、各エリアまでくまなく決まった時間に配達しています(共同代表/市川孝一)。


【展示品】
上:
スタッフ証 原版(C28/1985年)

下左:
スタッフ登録用紙(C18/1981年)

下右:
スタッフ証(C28/1985年)

No.27 放送とアナウンス

 放送タイムスケジュールは分刻みでびっしりと組まれていますが、天候や入場者数などによって変更になる部分も多く、臨機応変に対応しなければなりません。その一方で、定番のアナウンスは録音されてCDになっており、たくさんの来場者に向け、わかりやすく正確に情報を伝えるための工夫がなされています。


【展示品】
右:
放送タイムスケジュール(C95/2018年)

左:
アナウンス一覧(C95/2018年)

No.28 人も車もたくさん出入りします

 一般参加者は公共の交通機関での来場が求められていますが、搬入のためにサークル参加者や企業が駐車場を利用するときは事前の申し込みに応じて、駐車券が発行されます。その他、準備会指定業者用、スタッフ用の駐車券等もあり、その数はC95/2018年の駐車券関連だけで24種類にも及びます。
 例えば、フォークリフトは印刷所からやってきた新刊を運んだり、宅配便の搬入など、参加者からは見えないところで大活躍しており、さらにその運搬をスムーズにするため、スタッフによって入構が管理されているのです。


【展示品】
駐車券、フォークリフト入構証など
(C95/2018年)

No.29 米沢嘉博氏とコミックマーケット

 コミケの設立から関わった米沢嘉博氏はC13/1979年からコミックマーケット準備会の代表となり、以降53歳で亡くなる2006年まで務めました。
 コーヒーとタバコが好きで、沖縄で開催されたリゾコミでは釣り大会を開催するほどの釣り好きでもありました。リゾコミのサークル参加証は、実は米沢氏自らがプリントゴッコで1枚1枚印刷したものでした。
 氏とコミケとの関わりは常設コーナーでもご案内しています。ぜひ合わせてご覧ください。


【展示品】
上右:
リゾコミin沖縄サークル参加証(2000年)

上左:
リゾコミin沖縄開催告知ペーパー(2000年)

中右:
コミケットスペシャルノート(1995年ごろ)

下:
米沢嘉博氏スタッフ証(年不明)

中左:
米沢嘉博氏愛用品 缶コーヒー、タバコ

No.30 スタッフマニュアルについて

 巨大化していくコミケを支えるためスタッフも増え続け、その時代ごとに担当部署が整備され、合わせてマニュアルも作られていきました。
 ブロック長ノートはC30/1986年に作られ、“ブロック長はコミケットをスムーズに、そして誰もが楽しく参加できるようにする重要な裏方”といった心得から、具体的なスケジュールが示されています。
 1997年ごろまで作られていたスタッフ手帳ではコミケット組織図、スタッフ担当の実務、主なスタッフの顔写真とプロフィールなどが載っています。
 また個別の部署向けのマニュアルも作られました。「階段担当マニュアル」はC48/1995年晴海国際展示場で開催の折り、特に混雑する新館2階へのルートを担当するスタッフ用のマニュアルです。当日の混雑対応のみならず、前日の設営から、“階段付近にあるごみ箱の管理について”“コーンバーを乗り越えようとする人を止めること”“搬入業者への対応”といった具体的な指示からスタッフとしての心がまえまで、細やかな配慮が記されています。


【展示品】
上左:
COMIC・MARKETスタッフ・マニュアル
(C25/1983年)

上右:
階段担当マニュアル(C48/1995年)

中左:
ブロック長ノート(1986年)

中右:
スタッフ手帳(1990年)

下:
スタッフ手帳
(1989年、1992年、1994年、1997年)

No.31 スタッフマニュアルのいま

 C95/2018年では各部署ごとのマニュアルも充実。多様な大きさ、様式が、各部署の個性を物語るようです。


【展示品】
スタッフマニュアル
(C95/2018年)

No.32 C96の様子

 1枚の紙による呼びかけから始まった同人誌即売会。2019年には東京オリンピックパラリンピックに向けた会場変更のため、はじめてリストバンドの導入がされました。
 44年間さまざまなうつり変わりを経て、掲げられる理念をいまも紙面が呼びかけています。


【展示品】
コミックマーケットカタログ冊子版
(C96/2019年)

参加リストバンド
(C96/2019年)

サークル参加申込書セット
(C96/2019年)