初音ミクとは

「初音ミク」とはクリプトン・フューチャー・メディア株式会社が、2007年8月に企画・発売した「歌を歌うソフトウェア」のこと。ヤマハ株式会社の「VOCALOID」技術により声優・藤田咲さんの声を歌声に合成するこのソフトは、ニコニコ動画(→R009)などを中心に人気となり、これまでに8万本以上を売り上げ、多数のクリエイターが数万のオリジナル曲を歌わせた。
「初音ミク」とはそのパッケージに描かれたキャラクターのことでもある。イラストレイター・KEI氏の最初の3枚のイラストをきっかけに,何十万もの人々が初音ミクを描き、いまや世界的に愛されるキャラクターとなった。
ケースでは「初音ミク」のソフトウェアパッケージとともにKEI氏の同人誌と画集を展示した。同人誌「VOCALOIDs」では初音ミクがどのようにデザインされたかの過程が描かれてる。

・VOCALOID2初音ミク (クリプトン・フューチャー・メディア,2007年8月)
・同人誌「VOCALOIDs」 (KEI画廊,2007年12月)
・1/8スケール キャラクターボーカルシリーズ01初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2008年9月)
・KEI画集mikucolor (角川書店,2012年8月)

初音ミク実体化の歴史 2007年

R002からR008のケースでは、初音ミク発売から2013年までの初音ミク実体化に関わるおもな出来事を紹介する。
パネルの年表では初音ミクに関わるイベント、重要な動画の投稿、商品の発売、ツールや3Dモデルの公開などを掲載した。またパネルの手前にはその年の出来事を代表する展示品を置いた。
なお紹介する出来事には企業・ユーザーによる活動が混在している。また重要度によるピックアップは当館によるものである。

・DTMマガジン2007年11月号 (寺島情報企画,2007年10月)
・CVシリーズVocalCD Volume01 初音ミク「星のカケラ」 (フロンティアワークス,2007年12月)

初音ミク実体化の歴史 2008年

・ねんどろいど 初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2008年3月)
・Re:package /livetune feat.初音ミク (ビクターエンタテインメント,2008年8月)
・初音ミクmixing box (講談社,2008年9月)

初音ミク実体化の歴史 2009年

・supercell / supercell (ソニー・ミュージックダイレクト,2009年3月)
・「みくせん」パッケージ (志満秀)

初音ミク実体化の歴史 2010年

初音ミク・アペンド(MIKU APPEND)

「VOCALOID2 初音ミク」の追加音源「初音ミク・アペンド(MIKU APPEND)」は2010年4月30日に発売された。そのパッケージイラストはマックスファクトリーでfigma(→R015)を開発した原型師の浅井真紀氏が造形でデザインしたものを、ねこいた氏によりイラストにしたものである。ケースには「初音ミク・アペンド」のパッケージとともに浅井氏の原型でマックスファクトリーから発売された同フィギュアを展示している。二つ目の初音ミクの公式デザインが造形の世界から出てきていることは初音ミクとフィギュアとの関係を考える上で興味深い。

・VOCALOID2 初音ミク・アペンド(MIKU Append) (クリプトン・フューチャー・メディア,2010年4月)
・1/8スケール 初音ミク・アペンド(マックスファクトリー,2011年11月)
・Blu-ray「ミクの日感謝祭 39's Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート ~こんばんは、初音ミクです。~」(ジェネオン・ユニバーサル, 2010年9月)

初音ミク実体化の歴史 2011年

ミクダヨー

「ミクダヨー」とはセガの『初音ミク and Future Stars Project mirai』(→R021)の公式プロモーションキャラクターとして生まれた「ねんどろいど」(→R014)の初音ミクを模した着ぐるみ1号の通称。東京ゲームショウ2011での初登場以降、独特の風貌から話題になり、2012年にはグッドスマイルカンパニーからフィギュア化が発表(2013年発売)、2013年にはセガのniconico公式チャンネルにて「ミクダヨーといっしょダヨー」が配信された。着ぐるみは一つの初音ミクの実体化と言えるが、ミクダヨーはそこから新しいキャラクターとして商品化までされた特筆すべき存在である。

・1/8スケールミクダヨー (グッドスマイルカンパニー,2013年5月)
・Blu-ray「MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES "はじめまして、初音ミクです"」 (セガ,2011年12月)

初音ミク実体化の歴史 2012年

・ねんどろいど 初音ミク Family Mart Ver. (グッドスマイルカンパニー,2012年8月)
・「ミクの日大感謝祭 オフィシャルパンフレット」 (セガ,2012年3月)

初音ミク実体化の歴史 2013年

・初音ミクV3 - Englishバンドル版 (クリプトン・フューチャー・メディア,2013年9月)
・ねんどろいど 初音ミク 2.0 (グッドスマイルカンパニー,2013年6月)
・figma 初音ミク 2.0 (マックスファクトリー,2013年11月)

ニコニコ動画と初音ミク

ニコニコ動画は株式会社ドワンゴ運営のコメントの流れる動画投稿サイト。2006年12月開始、2007年3月に独自の動画サーバを立ち上げた。当時からニコニコ動画はどんな物でも無数の派生動画が投稿されるお祭りのような場所だった。発売まもない初音ミクが注目を浴び、さまざまな動画が投稿されたのもニコニコ動画無しにはありえなかっただろう。
やがて初音ミクのオリジナル楽曲がいくつも投稿され、それを歌ったり踊ったりPVにしたりと無数の動画が生まれる。権利的に問題のある動画が多かったニコニコ動画にとって、無数のミクオリジナル曲の存在は、その後の成功に大きく影響した。
初音ミクとニコニコ動画は車の両輪のように我々の世界を拡げた。この展示で紹介する作品の多くも、ニコニコ動画で動画として投稿されたものである。

はちゅねミク

初音ミク発売後のニコニコ動画に投稿された動画の中でも、非常に人気の高かったのはこちらで上映しているOtomania氏の「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」である。初音ミクをディフォルメしたキャラクターがフィンランド童謡を歌いながらネギをふるシュールな光景は、その後の初音ミクを決定づけた動画だったかもしれない。このキャラクターは「はちゅねミク」と名付けられ、ニコニコ動画のユーザーたちにいまなお長く愛されている。

(C) おんたま / CFM

・ねんどろいど 初音ミク はちゅねフェイスVer. (グッドスマイルカンパニー,20008年8月)
・iPad上映「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」(Otomania)

ピアプロ・キャラクター・ライセンス

キャラクターの実体化は誰かの作品を特別なかたちで複製することであり、著作権の問題は避けることができない。
日本では好きな作品のキャラクターを描くことで好意を表現する二次創作活動が同人誌やネットを中心に大変盛んである。権利者に迷惑をかけない範囲では見逃されている部分もあり、そうした同人誌等は発行され続けている。一方で権利的な懸念もあり、それで二次創作活動が委縮する側面もあった。
こうした問題を消化するため、初音ミクのクリプトン・フューチャー・メディア社は「キャラクター利用のガイドライン」および「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を設け、一定のルールに則って自社キャラクターの二次創作活動の多くを認めている。今回展示した作品・活動の多くは、このガイドラインなしには発表されなかっただろう。ケースではこの「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を紹介している。

初音ミクとガレージキット 1

「このキャラクターの立体物が手元に欲しい!」そうした情熱から製作した造形物を、複製して同好の士に分け与える。それがガレージキットである。一般に少量生産されて「ワンダーフェスティバル」などのイベントなどでしか買えない上、未塗装・未組み立てで販売されるため購入者にも相応の技術が必要とされるが、商用のプラモデルやフィギュアにない多様な造形を楽しむことができる。
初音ミク発売から約半年後の「ワンダーフェスティバル 2008[冬]」にはすでに数十のディーラーが初音ミクのガレージキットを販売した。現在も初音ミクはガレージキットの代表的な題材のひとつであり、これまでに数百種類の初音ミクのキットが作られている。
ケースではイベントで購入したガレージキット作品を当館スタッフが組み立てたものを展示している。

・ガレージキット サイレントマイノリティ 初音ミク ロリータスタイル 館内スタッフ組み立て
・ガレージキット T's system おんだ式ミク 館内スタッフ組み立て
・ガレージキット コブラ会 初音ミク 館内スタッフ組み立て
・「ワンダーフェスティバル 2013 [夏] 公式ガイドブック」 (ワンダーフェスティバル実行委員会,海洋堂)
・「フィギュアマニアックス乙女組 vol.26」 (アスキー・メディアワークス,2008年4月)

初音ミクとガレージキット 2

イベントでディーラーから購入しただけでは、ガレージキットはバラバラのパーツでしかない。これを塗装して組み立てて観賞するまでには手間がかかる。
ケースでは当館の展示担当者(ガレージキット初挑戦)が購入したガレージキットを実際に整形・塗装・組み立てした様子をパネルで紹介している。キットは通常右手前にあるようなバラバラのパーツの状態で販売される。こうしたキットをナイフやヤスリで形を整え、筆塗りで塗装し、組み立てたものが左のものである。
手先の器用さや特別な技術がなくても、時間さえかければガレージキットは組み立てることができる。興味があれば是非挑戦してみて欲しい。

・ガレージキット ちくたくらびっと デフォルメ・ミク ぷちでびるver. 館内スタッフ組み立て

楽曲とフィギュア

動画投稿サイトのニコニコ動画らしく,初音ミクのオリジナル曲はよくイラストやアニメーションの映像とともに投稿される。ユーザーが後からPVやイラストをつけることも珍しくない。これらのイラストは多くは初音ミクのバリエーションとして描かれる。
2008年に投稿され2009年にグッドスマイルカンパニーからフィギュアが発売されたsupercellの「ワールドイズマイン」(イラストはredjuice氏)・「恋は戦争」(イラストは三輪士郎氏)をはじめ、人気楽曲の初音ミクは商品化されることも多い。特に海洋堂の「ミクモ」やセガプライズの「ヴィネッティアム・キュート」はそうした楽曲をテーマとしたフィギュアのシリーズである。
このケースには楽曲に関連した初音ミクのフィギュアをあつめた。iPadで上映されている映像は各フィギュアの元となった動画。動画と立体を是非見比べてみて欲しい。

・ねんどろいどぷち ボーカロイド#01サイハテミク (グッドスマイルカンパニー,2009年11月)
・ねんどろいどぷち 初音ミク セレクション 深海少女 (グッドスマイルカンパニー,2013年9月)
・1/8スケール 初音ミク 恋は戦争ver. DXバージョン (グッドスマイルカンパニー,2012年1月)
・1/8スケール 初音ミク 深海少女ver. (グッドスマイルカンパニー,2014年5月)
・ミクモ#01 Original Collection 恋色病棟 初音ミク (ホビーストック・海洋堂,2012年1月)
・ミクモ#03 Original Collection LOL –lots of laugh- (ホビーストック・海洋堂,2012年2月)
・プライズゲーム景品 初音ミク ヴィネッティアムキュート (セガ,2009年12月)
・プライズゲーム景品 初音ミク ヴィネッティアムキュート vol.2 (セガ,2012年6月)
・プライズゲーム景品 初音ミク 千本桜 ディフォルメフィギュア vol.2 (タイトー,2013年9月)

・iPad上映
【初音ミク】 サイハテ【 アニメ風PV・オリジナル曲】(作詞曲・動画:小林オニキス)
【初音ミク】恋色病棟【オリジナル曲】(作詞曲:OSTER Project イラスト:Yおじさん)
【初音ミク】LOL -lots of laugh-【オリジナル】(監督:四次元P 作編曲:Ken 作詞:エンドケイプ イラスト:ほにゃらら アニメーション:ポエ山)
【初音ミク】 深海少女【 オリジナル】(作詞曲:ゆうゆ イラスト:はるよ 動画:マクー)

ねんどろいど

ゆるく可愛らしいフォルムながら高品質なフィギュア体験をさせてくれる「ねんどろいど」は株式会社グッドスマイルカンパニーのフィギュアブランドである。2.5等身のディフォルメフィギュアながら可動部が多くねんどろいど間でパーツの交換もできるため、さまざまな楽しみ方ができる。
欲しいキャラがすぐ手に入るというスピード感も魅力で、「ねんどろいど 初音ミク」は初音ミクの商用フィギュアとしてはもっとも早く2008年3月に発売された。これまでに20種類以上の初音ミク関連のねんどろいどが登場しており、2013年には300体目のねんどろいどとして「ねんどろいど 初音ミク 2.0」が発売された。
ケースにはさまざまな初音ミクのねんどろいどを展示した。小さな「ねんどろいどぷち」から大きな「ねんどろいどぷらす じゃんぼ初音ミク」までさまざまな初音ミクをご覧いただきたい。

・ねんどろいど 初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2008年3月)
・ねんどろいど 初音ミク RQVer. (グッドスマイルカンパニー,2009年10月)
・ねんどろいど 初音ミク アブソリュートHMO・エディション (グッドスマイルカンパニー,2011年1月)
・ねんどろいど 初音ミク 応援Ver. (グッドスマイルカンパニー,2011年6月)
・ねんどろいど 週刊はじめての初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2012年4月)
・ねんどろいど 初音ミク 浴衣Ver. (グッドスマイルカンパニー,2012年9月)
・ねんどろいど 初音ミク サンタVer. (グッドスマイルカンパニー,2012年12月)
・ねんどろいど 桜ミク (グッドスマイルカンパニー,2013年3月)
・ねんどろいど 初音ミク2.0 (グッドスマイルカンパニー,2013年6月)
・ねんどろいど 初音ミク 浴衣Ver.夏椿 (グッドスマイルカンパニー,2013年7月)
・ねんどろいど 初音ミク 水着Ver. & Family Mart 2013 Ver. (Happyくじ,2013年9月)
・ねんどろいど 初音ミク 水着Ver. Family Martカラー (Happyくじ,2013年9月)
・ねんどろいど 初音ミク セーラー服Ver. (グッドスマイルカンパニー,2014年3月)
・ねんどろいど 初音ミク セーラー服Ver. Special color(グッドスマイルカンパニー,2014年3月)
・ねんどろいどぷらす じゃんぼ初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2012年12月)
・ねんどろいどぷち ボーカロイド#01初音ミク (グッドスマイルカンパニー,2009年11月)
・ねんどろいどぷち 初音ミクセレクション (グッドスマイルカンパニー,2013年9月)

figma

自在に動かせる、それは立体化の情熱の中で必然的に現れる欲望である。2008年初頭より発売開始したマックスファクトリーのfigmaは、キャッチフレーズ「よくうごく、キレイ。」そのままに、革新的な関節部による高い可動性とキャラクターの可愛らしいフォルムを再現した。初音ミク一周年にあわせたサプライズ先行発売とともに「figma 初音ミク」が発表。ミクが手元で自在に動かせるようになった。
figmaと初音ミクの関係は深い。記念すべきfigma No.100は「初音ミクAppend」、同じくNo.200は「初音ミク2.0」と,初音ミクはfigmaにおけるモニュメント的なキャラクターとなっている。
ケースでは初音ミクのfigmaをあつめてみた。自由なポージングのできるfigmaの魅力を見てもらいたい。

・figma 初音ミク(マックスファクトリー,2008年9月)
・figma 初音ミク ライブステージver.(マックスファクトリー,2009年7月)
・figma 初音ミク Append ver.(マックスファクトリー,2011年9月)
・figma 初音ミク 応援ver.(マックスファクトリー,2011年11月)
・figma 初音ミク 2.0(マックスファクトリー,2013年11月)
・figma 雪ミク (マックスファクトリー,2014年2月)
・figma 初音ミク セーラー服ver.(マックスファクトリー,2014年3月)
・超合金 初音ミク(バンダイ・マックスファクトリー,2010年11月)

ドール

そばに寄り添ってくれることはドールの得難い価値である。人形の中でも特に植毛がされ着せ替えができ自由に関節を動かせるものをドールと呼ぶことが多い。初音ミクでは初期から初音ミクの衣装を自作してドールに着せていたユーザーがあり,また株式会社グルーヴが2011年からPullipシリーズなどで初音ミクのドールを発売している。
キャラクターを模したドールはリカちゃんシリーズの「魔法のマコちゃん」など昔から存在し,タカラの「初音ミクリカちゃん」はその延長かもしれない。90年代中盤から男性向けのゲームキャラなどのドールがよく発売されるようになり,近年は株式会社ボークスや株式会社アゾンインターナショナルなどから60cmドールのアニメ作品等とのコラボが増えている。ボークスからは「Dollfie Dream 初音ミク」が今年秋に発売予定である。

・Pullip 初音ミクP-034 (グルーヴ,2011年4月)
・Docolla VOCALOID・初音ミク (グルーヴ,2012年7月)
・リカちゃん LD-15 初音ミクリカちゃん (タカラトミー,2013年7月)

ぬいぐるみ

やわらかい素材で作られているぬいぐるみは,触れると壊れそうなフィギュアやドールと違い,身近において気軽に触れられる実体化と言っていいだろう。ユーザーによって制作されるぬいぐるみも多いほか、初音ミクがディフォルメされたデザインのぬいぐるみはこれまで各社から発売されている。
株式会社Giftの「ねんどろいどぷらす ぬいぐるみシリーズ01 初音ミク」は2009年の発売以来何度も再販されている人気商品。ぬいぐるみながら内部に関節が入っており、さまざまなポーズをとらせることができる。楽曲をテーマとしたぬいぐるみもあり、株式会社ホビーストックでは初音ミクの楽曲「まるくなる」をイメージしたぬいぐるみを発売している。ぬいぐるみの老舗・株式会社セキグチからは絵師のきのえ氏と共同開発したぬいぐるみが発売されている。

・ねんどろいどぷらす ぬいぐるみシリーズ01「初音ミク」 (Gift,2009年9月)
・初音ミク まるくなるぬいぐるみ (ホビーストック,2013年8月)
・初音ミク ぬいぐるみ (セキグチ,2013年11月)
・プライズゲーム景品 初音ミク×しゅうまい君XLジャンボぬいぐるみ (タイトー,2013年1月)
・プライズゲーム景品 初音ミク 桜ミクぬいぐるみ (タイトー,2013年4月)
・プライズゲーム景品 初音ミク 千本桜ぬいぐるみ (タイトー,2013年7月)

グラフィグ

簡単に組み立てられるコスパの「グラフィグ」ペーパートイ・シリーズは手軽に入手できる初音ミクの実体化のひとつと言える。「グラフィグ」はデザイン集団「NC帝國」のNasos氏による四角かわいいディフォルメキャラクターのフォーマット。ノリもハサミも使わずに11cm大の存在感のある立体物が組み立てられる「グラフィグ ペーパートイ」のほか、「グラフィグABS」(サニーサイドアップ)、「グラフィグ マスコット」(タカラトミーアーツ)、「グラフィグ ジャンボカードダス」(バンダイ)など様々な「グラフィグ」が登場している。 2011年5月の「グラフィグ001 初音ミク Nasos ver.」以降さまざまな初音ミクのバリエーションの「グラフィグ」のペーパートイが株式会社コスパより発売されている。またグラフィグの型紙は無償で配布されており、非営利であれば自由なデザインのグラフィグを作ることができる。ぜひグラフィグで自分の好きなデザインの初音ミクを作ってみよう。

・グラフィグ 000 雪ミク (コスパ)
・グラフィグ 001 初音ミク Nasos ver (コスパ)
・グラフィグ 009 じとみく (コスパ)
・グラフィグ 057 初音ミク 11cm (コスパ)
・グラフィグ 126 初音ミク イチマツver. (コスパ)
・グラフィグ 140 初音ミク にゃんこver. (コスパ)
・グラフィグ 141 初音ミク とりからミクwithハトver. (コスパ)
・グラフィグ 144 初音ミク まどろみくver. (コスパ)
・グラフィグABS 初音ミク Nasos Ver.(2012 Edition) (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS イチマツミク Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS Lat式ミク Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS 初音ミクおじょうさま Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS じとみく Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS 初音ミク FamilyMart Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS CHANxCO ミク Ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS LOLミク ver. (ファミリーマート・コスパ)
・グラフィグABS Tda式アペンドミク Ver.( グッドスマイルカンパニー・コスパ)
・グラフィグABS にゃんこ Ver. ( グッドスマイルカンパニー・コスパ)
・グラフィグABS 初音ミク クリスマス Ver. ( グッドスマイルカンパニー・コスパ)
・グラフィグABS Lat式制服ミク Ver. ( グッドスマイルカンパニー・コスパ)
・グラフィグABS ミクニシャン Ver. ( グッドスマイルカンパニー・コスパ)
・グラフィグABS 恋色病棟ミク Ver. ( グッドスマイルカンパニー・コスパ)

コスプレ

初音ミクがいないのなら初音ミクになればいい。実在し、等身大で、人間のように踊ることもできる。コスプレはある意味では最高のキャラクターの実体化であるかもしれない。
初音ミクのコスプレは2007年の初期から多数行われている。衣装は作家の手製のほか、株式会社コスパや株式会社アニメイトの「ACOS」から公式な初音ミクのコスチュームも発売されており、ライトな層まで広くコスプレされている。初音ミクではフィギュア同様、楽曲をモチーフとしたコスプレも多い。またコスプレは海外でも普及しており、世界中のファンが初音ミクのコスプレをしている。
ケースでは一般のコスプレイヤーの方々からコスプレ写真を募集し、スライドショーのかたちで紹介している。さまざまな方々のコスプレを楽しんで欲しい。

・iPadで以下の皆様よりご提供いただいた写真のスライドショーを上映しました。

コスプレ写真募集にご参加いただいた皆様
  としる゛様・みさみさ様・Eifen様・にゃりん様・Beverley Dear様・らすてぃ様・阿波(アボー)様
  濱田モード研様・コイシハラナオコ+ゆうか様
COSMODE THAILAND 様
D.P.H. 様(みらいのねいろ -The Sound of the Future- 主催)

雪像とさっぽろ雪まつり

札幌に居を構えるクリプトン・フューチャー・メディア社は地域の発展にも多大な関心を寄せている。札幌を代表するイベントである「さっぽろ雪まつり」では2010年から毎年初音ミクを模した大きな雪像が作られている。このケースではそんな雪まつりの期間だけ見ることができる「初音ミクの実体化」の写真を展示した。地域に根づいたクリプトン社ならではの実体化と言えるだろう。
この期間には例年「SNOW MIKU」と称して初音ミクに関するイベントも市内で開催されている。このイメージキャラクターの「雪ミク」は毎年新しくデザインし直されており,2012年以降はpiaproコラボによって衣装を一般公募されている。雪ミクはねんどろいどをはじめさまざまなフィギュア・ぬいぐるみが作られているが,こちらではその一部を展示した。

・ねんどろいど 雪ミク (グッドスマイルカンパニー,2010年2月)
・ねんどろいど 雪ミク たのしい雪あそび・エディション (グッドスマイルカンパニー,2011年2月)
・ねんどろいど 雪ミク ふわふわコートVer. (グッドスマイルカンパニー,2012年2月)
・ねんどろいど 雪ミク いちご白無垢Ver. (グッドスマイルカンパニー,2013年2月)
・ねんどろいど 雪ミク Magical Snow Ver. (グッドスマイルカンパニー,2014年2月)
・カプセル新千歳空港限定 北海道フィギュアみやげ 初音ミクwith 雪ミク(ケンエレファント,2012年1月)
・カプセル新千歳空港限定 北海道フィギュアみやげ vol.2 初音ミクwith 雪ミク 2013ver.(ケンエレファント,2013年2月)
・カプセル新千歳空港限定 北海道フィギュアみやげ vol.3 初音ミクwith 雪ミク 2014ver.(ケンエレファント,2014年2月)
ほか2010年~2014年の雪像の写真をパネル展示した(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社協力)。

初音ミクとゲーム

携帯ゲーム機でどこでも初音ミクと居られる。セガのリズムゲーム「初音ミク -Project DIVA-」シリーズはそんな喜びをもたらした。
2009年7月に第1作が発売された。今年3月には最新作「F 2nd」が発売。一貫した特徴に、初音ミクが部屋で寛ぐ姿を眺める「DIVAルーム」などの機能がある。2012年発売の「f」以降はAR(→R031)機能も搭載。ミクと一緒に生活できることは同シリーズの変わらない魅力である。
ゲームの3Dモデルは「ミクの日感謝祭」(→R025)などのライブでも使われている。プライズゲームでも初音ミクのフィギュアは多い。「ねんどろいど」(→R014)をフィーチャーした「初音ミク and Future stars Project mirai」もシリーズを重ねる。セガが初音ミクの創作活動に参加したことは、その実体化の幅を大きく広げたと言えるだろう。

・ゲーム 初音ミク -Project DIVA- (セガ,2009年7月)
・ゲーム 初音ミク and Future Stars Project mirai (セガ,2012年3月)
・PlayStation Vita 初音ミク Limited Edition Wi-Fiモデル
・(ソニー・コンピュータエンタテインメント,2012年8月)
・プライズゲーム景品 初音ミク Project DIVA プレミアムフィギュア (セガ,2009年11月)
・プライズゲーム景品 初音ミク Project DIVA f プレミアムフィギュア (セガ,2013年6月)

MikuMikuDance 1

初音ミクの実体化において、一つのプラットフォームと言えるほどに大きな存在が樋口優氏の作った「MikuMikuDance」である。
初音ミクの3Dモデル化は早く、2007年9月中旬には複数の初音ミクの3Dモデルが制作されている。自作モデルを配布する作者もあり、それを踊らせるために作られたソフトウェアが「MikuMikuDance」(MMD)である。
現在のMMDは初音ミク以外の3Dモデルも多数公開され、汎用的な3DCGムービー製作ツールとして使われている。無料でありながら直感的に3Dモデルを踊らせられるとっつきやすさから受け入れられ、ニコニコ動画にはこれを使った動画がこれまで15万以上も投稿されている。
MikuMikuDanceの登場により(画面の中ではあるものの)誰でも初音ミクを自在に踊らせることができるようになった。
ケースではMMDによって作られた動画作品の一例を紹介している。

・iPad上映
【第2回MMD杯本選】オリジナル曲「Let's Dance Now !」【初音ミク】(ストリークP)
【第4回MMD杯本選】Chaining Intention【PV】(まさたかP)

MikuMikuDance 2

MikuMikuDanceではソフトに同梱されているモデルのほか、対応のさまざまなキャラクターの3Dモデルが各モデラーによって公開されている。MMDそのものが無償配布だったこともあり、MMDに関連するモデルやツールは、ほとんどがコミュニティの中で無償で共有されている。
初音ミクについては、ソフト本体にも標準モデルとしてあにまさ氏による3Dモデルが同梱されているが、そのほかこれまでに200種類近くの初音ミクの3DモデルがMikuMikuDance用に公開されている。人気のあるモデルとしては、Lat氏のLat式、Tda氏のTda式初音ミク・アペンドなどがあり、いずれも衣装などを変えたバリエーションも多数作成され公開されている。
ケースではパネルで代表的な初音ミクのMMDモデルを紹介している。

・1/8スケール初音ミクLat式Ver. (グッドスマイルカンパニー,2011年8月) (C) Lat / CFM

MikuMikuDance 3

MikuMikuDanceの周辺で3Dモデルやモーションが共通の仕様で大量に共有されたことは、キャラクターの実体化に関わるさまざまな技術に多大な影響を与えた。
名古屋大学国際音声技術研究所の開発した「MMDAgent」は音声認識などの技術により画面内のキャラクターと会話ができるシステム。モデルやモーションにMMDとの互換性があり、初音ミクなどの好きなキャラクターと対話することができる。
アミッドスクリーン(→R025)などによる初音ミクのライブにはMMDが欠かせない。日本大学芸術学部学生の「なヲタ」はMMDとリアルタイムに連携することで、自分の楽器の演奏のリズムに合わせて初音ミクに歌ってもらえる「SYNCHLOiD」という技術も開発している。
VR(→R030)・AR(→R031)のシステムでも、MMDの3Dモデルなどのリソースが効果的に使われている。MikuMikuDanceはそうした新しい技術を実現するためのプラットフォームともなっている。

・iPad上映
【MMDAgent】初音ミクとおしゃべりできるソフトをつくってみた(MMDAgent)
【SYNCHLOiD】ついに初音ミクが自ら『Tell Your World』を歌えるようになったよ(なヲタ)

DILAD

目の前で等身大の初音ミクが歌って踊っている姿が見たい。
その実現のために使用されたのが株式会社きもとの透過型スクリーン「DILAD(ディラッド)」である。特殊なフィルムによりプロジェクターの光を効率よく拡散し、透明でありながら高精細な映像を映し出すのが特徴。これのアクリルボード型の「DILADボード」が初音ミクのライブイベントではよく使用されている。
はじめて使われたのは2009年8月の「ミクフェス '09 (夏)」、以降「ミクの日感謝祭」「初音ミクライブパーティー ミクパ♪」「MIKUNOPOLIS」など国内外の多数のイベントでDILADボードによる初音ミクライブが開催されている。
ケースでは等身大サイズではないが、DILADスクリーン「T40Si」のシートをアクリル板に貼ったものへの投影デモを行っている。他の透過スクリーンと見比べて見て欲しい。

・スクリーンおよび投影器デモ展示

アミッドスクリーン

自宅や仲間内でも「感謝祭」「ミクパ♪」のようなDILADのライブ(→R025)が安価にできないか? それを可能とするのがアミッドスクリーンである。高額なDILADに対して数百円で購入できる「網戸」をプロジェクターのスクリーンとして利用したもので、一定の透過性をもちながらコントラストの高い映像を映し出せるほか、音抜けが良いなどの利点がある。
発案者は「アミッドP」こと日本大学芸術学部准教授の青木敬士氏。演劇の「紗幕」の手法をもとに安価なパッケージとして考案したという。2011年9月の公開以降、「みらいのねいろ in TOKYO 第1回ボーカロイド文化祭」など国内外の多数のイベントでアミッドスクリーンによるライブが開催されている。
ケースでは同じく小型のアミッドスクリーン(網戸)への投影デモを行っている。

アミッドスクリーン考案者 アミッドPからのメッセージ

アミッドスクリーンの技術は、自らの存在感を消すこと――スクリーンが空気のように目立たず、ミクだけがそこにいる状態を理想としています。つまり、初音ミク実体化のために「消える技術」であることがアミッドスクリーンの本質なのですが、一方で、仕組みが単純で分かりやすく可視化されており、誰もがホームセンターで入手できる材料で製作可能なイージーさも重要なポイントでした。おかげさまで、この「可視化された、消える技術」は海外のファンによるイベントにまで普及し、製作者としてうれしい限りです。アミッドの技術はオープンにしておりますので使用に許可はいりません。どんどん自作したり改良したりしていただければ幸いです。

・スクリーンおよび投影器デモ展示

ポリッドスクリーン

アミッドスクリーン(→R026)と同様にユーザーベースによる初音ミクのライブを行うもう一つのアプローチがポリッドスクリーンである。
ポリッドスクリーンでは農業用ポリエチレンフィルムなどをスクリーンとして利用している。透明性が高く、網であるアミッドと比較して高精細な映像を映し出せる。また元が農業用のため非常に大きなサイズでも安価に入手でき、巨大なスクリーンを作ることができる利点がある。
発案者は「あおめさん」。2013年1月に公開以降、「第00回 世界ボーカロイド大会」などのイベントでポリッドスクリーンによるイベントが開催されている。
ケースでは同じく小型のポリッドスクリーンへの投影デモを行っている。

ポリッドスクリーン考案者 あおめさんからのメッセージ

透明度が高く、安くて、様々な用途に使っていただけるスクリーンを目指して、日々、研究を続けております。
研究のきっかけは、ミクさんのライブを独り占めしたいという"欲"から生まれました。
それからは、スクリーンに使える素材を探し、スクリーン構造や映像にも研究の視野を広げ、ついに2013年2月、夢の「一人でミクパをやってみた」を成功させることができました。

きっかけは、くだらなくバカげたものですが、そのきっかけが目標になり、今ではもっと大きな目標となって、研究を続ける理由になっています。
そんなきっかけを与えてくれるミクさんは、やっぱりすごい存在ですね!

・スクリーンおよび投影器デモ展示

その他の映写システム

DILAD・アミッド・ポリッド(→R025~R027)以外にも投影により初音ミクを実体化するための手法は複数存在する。
「HATSUNE Appearance 『夏祭初音鑑』」などで使用されているstudioTEDの「Eyeliner」、株式会社アージュの「SORIS VLS」、株式会社ALBEDO・株式会社フロンティアワークスの「はこアニ」などのように商用で使われているものとともに、ユーザーが各自の創意工夫と技術で開発しているさまざまなシステムが存在する。
ケースではデモとしてSORISを小型化した「SORIS BOX型」を展示している。

・SORIS BOX型 (アージュ)
・Blu-ray「HATSUNE Appearance」 (ムービック,2013年4月)

ニコニコ技術部

ニコニコ動画では今回展示したMikuMikuDance・アミッドスクリーン・等身大ロボットのようなユーザーによる「初音ミク実体化」のための試みを紹介する動画には、しばしば「ニコニコ技術部」というタグがつく。「ニコニコ技術部」の投稿者たちは機械・電子工作などの技術によりさまざまな作品を作り、その様子を動画として投稿している。
特に初音ミクやはちゅねミクとは非常に縁が深い。「ニコニコ技術部」の発祥は2007年9月にはちゅねミク(→R009)の「ネギ振り」を再現しようとした動画が流行したことと言われている。その翌年には「はちゅねミク小型化戦争」と称してどれだけ小さな作品で「ネギ振り」を表現できるかを競った。
ケースでは「はちゅねミク小型化戦争」について紹介するパネルとともに、そのきっかけとなった作品を展示した。

5mm ネギ振りミク

初音ミクが「Ievan Polkka」に合わせてネギを振る動画(製作:Otomania氏、絵:たまご氏)が有名になった事がきっかけで、ミク=ネギという文脈がつくられ、そのなかで作られたミクがネギを振る動作を行うマスコットメカ製作が行われた。その中の作品の一つで後に「小型化戦争」よ呼ばれる技術競争が行われるきっかけとなった作品。
(展示品は後日修復されたものです)

・ユーザー作品 5mm ネギ振りミク (akira_you/製作)

VR(仮想現実感)

ミクの実体化が難しいのなら、自分が画面の中に入ればいい。コンピュータ上に構築された世界をまるで現実のように人に感じさせるVR(仮想現実感)はそれを実現させる。近年はMMD(→R024)や安価なハードウェアのおかげで、個人でもより現実感のあるVRシステムを作れるようになってきた。
2010年11月にMicrosoft社から発売された「Kinect」は、コンピュータに自分の動作を取り込む、つまり「画面の中に入る」ことを実現した。また2013年に開発者向けキットが提供されたOculus VR社の「Oculus Rift」は高視野角のヘッドマウントディスプレイで、まるで目の前に初音ミクがいるかのような体験ができる。
ケースにはこれらのハードを展示している。またこうしたハードを使ったVRシステムのデモを用意した。ぜひ体験して欲しい。

・Xbox360 Kinectセンサー (Microsoft)
・Oculus Rift Development Kit ケース (Oculus VR)

AR(拡張現実感)

VR(→R030)と似た言葉にAR(拡張現実感)がある。現実の世界にコンピュータによる映像等を重ね、現実の世界を拡張する手法である。 これも初音ミクの実体化に応用されており、スマートフォンなどの画面を通して見ることで、日常的な空間や特別な場所にARで初音ミクを召喚する試みが行われている。
2007年にはすでに初音ミクの3Dモデルを机の上に表示させる動画が公開されている。2013年にはドミノ・ピザが箱の上で初音ミクを踊らせるアプリを公開(現在は終了)、またドコモが六本木ヒルズの建物の上で初音ミクが踊るARライブを開催した。その他ゲームやイベントなどでARにより初音ミクと会う試みは近年増加している。
ケースには初音ミクに関するARの試みをパネルで紹介している。

・ドミノ・ピザ 初音ミク スペシャル BOX Mサイズ箱 (ドミノ・ピザ)

3Dプリンター

デジタルデータの初音ミクを現実のモノとして実体化したい。そんな夢を実現するのが3Dプリンターである。
文書や画像をプリンターで出力するように、コンピュータ上の3Dデータを立体造形物として出力すると言われる3Dプリンター。近年は個人でも買える安価な機種が登場し、さまざまなかたちで使用されている。3Dプリンターで即座にフィギュアのような完成品が得られるわけではない。しかし比較的短時間でデジタルデータから立体を得られる3Dプリンターにはさまざまな利点が存在する。
ケースではMMDモデルを3Dプリンターで出力する「MMDアバンドール」という活動をしている「そむにうむ」さんからお借りした作品と、同一の3Dデータから今回出力したものを展示している。

MMDアバンドール

3Dモデル作者のそむにうむ氏は2012年より自作の初音ミクのMMDモデルを3Dプリンターで出力する試みを続けており、こうした活動を「MMDアバンドール」と呼んで普及している。今回はその最初に作られた13cmの「そむにうむ式初音ミクS1」をフルカラー3Dプリンターで出力したものをお借りして展示した。

・ユーザー作品 そむにうむ式初音ミクS1フルカラー3Dプリンター出力 13cm (そむにうむ/製作)
・そむにうむ式初音ミクS1 3Dプリンター出力 5cm(本展示のために出力。協力:そむにうむ・「感性に基づく個別化循環型社会創造拠点」)