南山大学人類学博物館との交流事業

第一期 博物館研究シンポジウムの開催

第1回シンポジウムの記録 

テーマ ホンモノ/ニセモノの論理—「文化の真正性」と博物館資料—
日 時 2010年7月31日(土) 10:30~17:00
会 場 明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン2F特設会場

博物館の資料とは何か? 何をもって博物館の資料とするのか? 博物館運営のあり方について多様な議論のある現在。今一度、根源的な問いに立ち返って討論をおこなった。博物館資料についての「解釈」「定義」「意味付け」「価値付け」といった問題について、両館の専門分野に関わる事例を通して考察した。

《プログラム》※肩書は当時のもの
基調講演:博物館資料の真正性 — ピルトダウン人骨をめぐって
            矢島國雄(明治大学文学部教授・学芸員養成課程)

問題提起:創造/想像される「伝統」—「伝統/工芸」を中心に—  濱田琢司(南山大学人文学部准教授)
事例報告:明治大学商品陳列館における「伝統的工芸品」収集の経緯  外山 徹(明治大学博物館学芸員)
問題提起:博物館資料の価値とは何か?   黒沢 浩(南山大学人文学部准教授)
事例報告:歴史資料としての「贋物」—明治大学博物館所蔵資料から  忽那敬三(明治大学博物館学芸員)

討  論

参加者 65名


第一回シンポジウムポスター


第2回シンポジウムの記録 

テーマ 博物館資料の境界—自明性への問い
日 時 2011年1月8日(土) 10:00~17:00
会 場 南山大学名古屋キャンパスB22教室

第1回のテーマを継承し、“暗黙の”、しかも“検証されていない”前提に基づく“従来型博物館資料”の概念に対する問題提起をおこなった。「文化」に関する権利の問題、従来は博物館資料の枠組みから外されていた資料群への注目、あるいは逸脱する展示とその政治性の問題などを取り上げた。

《プログラム》※肩書は当時のもの
基調講演:「文化」は誰のものか   加藤隆浩(南山大学外国語学部教授) 

報告—1:藩政史料と歴史研究—旧藩主家史料の再評価—  落合弘樹(明治大学文学部教授)
報告—2:〈昭和〉をめぐる歴地と記憶—現代生活資料をどのように展示するのか—
                                 黒沢 浩(南山大学人文学部准教授) 
報告—3:瀬戸赤津焼の「伝統」への再評価       外山 徹(明治大学博物館学芸員)
報告—4:展示される人間—学術人類館をめぐって  松田京子(南山大学人文学部准教授) 

討  論

参加者 44名




第3回シンポジウムの記録 

テーマ コレクションの再生—資源化される博物館資料—
日時 2012年1月21日(土) 10:30~17:00
会場 明治大学駿河台キャンパス100周年記念大学会館8F会議室

今日では博物館資料を文化的な資源ととらえて、社会的な活用を促進することが求められてきている。ここでは資料利用の再活性化と資源化の具体例を提示するとともに、グローバル化と地域主義とがせめぎ合う現代社会の中で、その主体や対象に関する非常に複雑で重要な問題について考えた。

《プログラム》※肩書は当時のもの
基調報告:文化の資源化と文化の復興   加藤隆浩(南山大学外国語学部教授) 

報告—1 収蔵庫を“発掘”する—茨城県玉里舟塚古墳の再整理事例から—
                           忽那敬三(明治大学博物館学芸員)
報告—2 大学・地域博物館の連携とコレクションの文化資源化
      —G・グロート神父のコレクションを中心として— 領塚正浩(市立市川考古博物館学芸員)
報告—3 旧明治大学刑事博物館初期蒐集資料の再評価  日比佳代子(明治大学博物館学芸員)
報告—4 民族誌資料による文化表象と再文脈化       黒沢 浩(南山大学人文学部准教授)

討  論

参加者 49名


 第三回シンポジウム