合格者体験談(2012年度)

2010年3月修了 M.M.

1 司法試験を受験した経緯

私は、大学で法学部に進み、法律を学ぶうちに、法律を使って社会に貢献できるような仕事に就きたいと考えたため、司法試験の受験を決意しました。

2 リベンジ合格に至った経緯、失敗した原因と克服方法

私は、2010年に明治大学の未修コースを修了し、今回3回目の受験で合格しました。
1回目の受験前である2月に両足を骨折するという大怪我をしてしまい、2ヶ月ほど入院し、試験直前まで車椅子で、試験には何とか松葉杖で行きました。そうしたことがありましたが、受け控えだけはしたくなかったので、できる限り勉強しました。しかし、結果は短答の合格点にわずかに届かず不合格となってしまいました。せめて論文を採点して欲しいという強い思いに駆られたことを覚えています。
2回目の受験については、とにかく短答を突破しなければ論文を採点されず、受験する意味がないと考えたので、短答をメインに勉強しました。その結果、短答は1000番程度というまずまずの成績で通過できたものの、論文試験で点がとれず、2200番程度で不合格という非常に悔しい思いをしました。この時、論文の順位は2300番程度でしたので、短答が良くても、総合順位に与える影響は大きくないことを痛感しました。ただし、これは、短答が重要でないということではありません。
3回目の受験については、2回目の論文の敗因を徹底的に分析することから始めました。幸いにも、2回目受験の直後に再現答案を作っていたので、それを合格した友人に出来る限りみてもらい、よくない点を指摘してもらいました。これが私にとっては最も重要でした。指摘してもらったことで、自分の答案のどこが一歩及ばなかったのかが見えてきました。私の場合、知識はあるがそれを論文で使い切れないこと、知識で書けるところを厚くしてしまい事実を拾うことが不十分になっていたことが主な敗因であることが分かりました。そこで、それからは知識を論文で使えるようにトレーニングすること、事実をすべて使うつもりで答案を書く練習をすることに努めました。その結果、今年度の司法試験に無事合格することができました。

3 受験対策としてやったこと、使用した本

(1)短答対策
短答対策としては、辰已のスタンダード短答答練を受けていました。これは、短答対策のペースメーカーとして利用していました。短答対策は、ただ知識を詰める作業ですし、条文や判例を地道に読まなければならないので、私としては辛い作業でした。そこで、定期的にスタ短を受けることでメリハリをつけた勉強をして飽きないように努めていました。短答は、一定の勉強量をこなして点数が安定すると基本的に落ちることはなくなるので、苦しい作業ですが条文と判例をひたすら読んでいくことが必要だと思います。私は、初年度には辰已の条文・判例本を使用していましたが、2年目以降は判例六法を読むことにしていました。その理由は、判例六法には必要な知識が最もコンパクトにまとまっていると考えたからです。もっとも、まだ知識に不安のある方は、条文判例本等、やや詳しめの本を読むことから入った方がよいと思います。判例六法に、過去問やスタ短を解いて学んだこと等を書き込んでいき、最終的には判例六法だけを見れば短答対策としては必要十分なようにしました。

(2)論文対策
論文対策でも、辰已のスタンダード論文答練を受けていました。受講した理由は、定期的に答案を書いて、客観的に見てもらう機会を設けたかったこと、多くの受験生が受講するスタ論を書いておかなければもし試験で似たような問題が出たときに不利になってしまうと考えたことにあります。その他にも、受験新報の問題を約2年分検討したり、他の法科大学院で出題された試験問題を友人とゼミを組んで書いたりということをしていました。答案を書くことは面倒ですし時間もかかりますが、実際に書いてみないと本当に書けるか否かが分からないこと、分かっていても2時間という時間で書けなければ意味がないこと、書くという作業に慣れることによって書くスピードが上がることなどから、是非実施すべきです。私は、3回目受験のときには、5月に入ってからも友人と週4ぐらいで答案を書いていました。5月になると短答が気になって、どうしても短答を勉強してしまいがちですが、1週間も論文を書かなければ確実に筆力が落ちると思うので、試験直前まで書き続けることは有意義だと思います。そのためには、やはり早期に短答の点数を安定させておくことも肝要です。

4 自分の反省を踏まえて、これからの受験生へのアドバイス

まず、短答で落ちてしまうと、論文が採点されず、次年度に向けた対策がとれないことから、かなり不利になります。そのため、短答で落ちないことが重要になります。短答で落ちないためには、過去問等を解きながら、判例と条文を地道に押さえていくしかありません。これは辛い作業ですが、投げ出さずに頑張れば必ず結果が伴ってくるはずです。頑張ってください。
次に、論文を突破するためには、短答レベルの知識を確実におさえ、それを書けるようにしなければなりません。そのためには、やはり書く練習をすることが必須となります。自分一人ではどうしても2時間ぴったりで書くということができにくいと思うので、友人とゼミを組むなどして共に取り組むと良いと思います。
最後に、司法試験は最終的には体力と精神力の勝負になります。試験までには、本当に合格できるのか、様々な不安に押し潰されそうになることも多々あると思います。それはみんな同じです。しかし、最後の最後まで、心だけは折られないように淡々と自分に必要な勉強をこなしていけば必ず合格できると思います。求められていることはそんなに難しいことではありません。
みなさまの来年の合格を心よりお祈りしております。頑張ってください。

2012年3月修了 K.F.

 1、司法試験受験を決めた経緯と法科大学院受験前の学習状況

私は、法学部に入学したものの、法曹への道を早々とあきらめ、大学生活ではほとんど法律の勉強をしていませんでした。しかし、いざ就職活動の時期になると、どうしても法曹への道が気になってしまい、後悔するくらいなら、一度目指してみようと、ロースクール入学、司法試験の受験を決意しました。

とはいえ、ロースクールを目指す友人は皆、大学での授業や予備校に通うなどして、早いうちからきちんと法律の勉強を進めていたため、入試のほんの数か月前に受験を決めた私が、法律の知識で敵う見込みがないことは、明らかでした。そのため、私は、未修専願受験という選択をしました。法学部出身なのに既修コースを受けもせず、未修を選ぶ、ということについて、最初は抵抗がありました。しかし、これは大学時代勉強をしてこなかったのだからしょうがないと腹をきめ、未修入学からの司法試験一発合格を目指すこととしました。ゆえに、法科大学院受験の対策は、ひたすら適性試験の過去問を解くことと、小論文対策で、いわゆる教養本を読む、という2点に絞られました。その甲斐あって、直前での受験決定であっても、余裕をもって臨むことができ、無事、明治大学法科大学院への入学が決まりました。

2、法科大学院入学後の学習状況

ロースクールに入学し、1年次には、まず、大学時代の勉強の遅れを取り戻すことを目標にしました。学習の方針としては、まず何より、授業を大切にしました。また、実際に入学してみると、同級生は皆、旧司法試験受験経験あり、既修コースも併願受験した、という人たちばかりでした。そのため、法的知識の乏しい私は、授業についていくのが精一杯で、それもあって、十分に予習復習の時間を取り、授業を大切にすることとなりました。

2年次からは、授業も演習形式のものが増え始めました。演習形式の授業は、事案を与えられ、この処理につき議論・検討していくというものでした。私は、答案を書くという経験が明らかに不足していたため、授業前に、当該事案を基にして答案を書きあげていく、という予習方法を可能な限り行っていきました。頭では分かっているつもりでも、実際に答案を書いて見ると矛盾点や疑問点が多く出てくる、という経験は誰にでもあると思います。私は、それを授業で聞くことができ、可能であれば各先生方に目を通していただくというこの方法が、一番自分の力を伸ばした勉強方法であったのではないかと感じています。この甲斐あって、3年進級時には、答案を書くこと、特に文章力に対する自信が大きくつき、周りからも評価をいただけるようになりました。

3、受験対策

このように、ロースクールでの授業をベースに学習を進めてきた私ですが、3年になる前の春休み頃から、本格的に本試験を意識した勉強を始めるようになりました。やはりまず論文試験の過去問を解いてみないことには何も始まらないと思い、友人とこれを行うゼミを組みました。時間を計って皆で一斉に答案を書きあげ、それを全員分コピーして回し、1通の答案にゼミ生全員が違う色のペンを使い添削をして、本人に返すようにしていました。この添削内容は、知識面のみならず、文章力の面、字の読みやすさの面など、多岐に及びました。また、人に添削をする以上誤ったことを書くわけにはいかないので、今まで知識があやふやであった点につき詳しく調べたりする必要が生じ、このようにしていく中で、自身の知識の精度もとても上がりました。私は、多くの人の答案を読み、自身の答案を多くの人の目に触れさせられたこのゼミが、一番合格に役立ったゼミだと感じています。

他の勉強方法としては、あまり多くのものに手を出さず、1つのものを何度も繰り返し行うよう気をつけていました。特に問題集などは、不安から、多くの問題に目を通すため冊数をこなしたい、という衝動にかられることも多々ありました。受験時代にはこの方法は不安でしたが、合格後、合格者が集まって話をすると、同じようにあまり手を広げず何度もやり込んだ人が多く、やはりこの方法が正しかったのではないか、と今は感じています。

また、体調を崩して勉強ができなくなっては元も子もないと思い、健康管理には十分注意しました。とはいえ、その方法とは、単に規則正しい生活をする、というだけのものです。しかし、これによって、2ヶ月に1回はひいていた風邪も全くひかなくなり、ストレスを感じることも少なくなり、本試験まで一度も体調を崩すことなく楽に勉強を続けられました。地味なことではありますが、この体調管理こそ、私の一発合格の一番の勝因だと感じています。

4、最後に

そして、何よりロースクール生活で一番の支えとなったのは、共に闘う仲間たちです。私は、幸運にも意識の高い友人に多く恵まれ、皆と共に励まし合い、時には愚痴を言い合うことで、精神的にも救われ、合格することができました。一人の力では、とてもここまでやりきれたとは思えません。司法試験の受験生活は、多くの人にとって、とても辛いものだと思います。これから受験を目指す方々も、「一人でも勉強はできる」と思わず、ぜひ、共に闘う友人を作り、大事にしてほしいと思います。

司法試験合格は高い壁のようにも思えますが、辛くても地道に努力を続ければ、必ず合格できる試験だと思います。最後まであきらめず、頑張ってください。

2011年3月修了 Y.S.

 1.はじめに

私は、大学時代に就職活動に失敗したこともあり、社会の高度化が著しい昨今、高度な専門性を有しない人材は活躍できない時代が到来すると考えていました。めまぐるしく変化する社会の中にあってこそ、法律家の需要は高まると考え、また、専門性の高い法律家を目指すことで、増加する弁護士という実情をみたときにも、自分が活躍できる場所は確保できると考えました。さらに、新規開拓の余地がまだまだ存する業界であるとも考えており、法律家を志望する決意はかたまりました。
大学卒業後、浪人の末、念願の明治大学法科大学院・既修者コースに入学することができました。明治大学法科大学院は、都市型であり、設備が充実していることはもとより、教員陣の層の厚さに秀で、自身を成長させるためには理想的な環境でした。一度目の試験は、択一で落ちてしまい、二度目でやっと合格することができた未熟者ではありますが、以下で、私が行った勉強方法等につき、簡単に記すことに致します。

2.学生生活

私は、既修者コースを三番の成績で卒業しました。法律基本科目だけではなく、一般教養科目にも関心を持って取り組んだため、良い成績を収めることができたと考えています。そして、それは、法律家を目指す上で有意義だと考えています。一般教養科目は、レポート提出に基づいて成績評価がされることが多いと思われますが、レポート作成にあたっては、文献を集めること及び文書作成が必要です。そして、法律家になったときに行う重要な業務のひとつがこれと同内容です。したがって、学生のうちから、このような作業に慣れることは重要だと考えるわけです。
法律基本科目については、実力のある教員が多数在籍する明治大学ですから、表現は悪いですが、教員を十分に使うことが肝要だと考えます。私は、演習クラスの授業時間内に、先生と同じくらい発言していたといえる程、たくさん発言していました。そのおかげで、私は、授業内に大事な勉強はほぼ終えることができました。授業が終わるとなかなか自習席に戻ることができない私でしたが、良い成績を収めることができた理由はここにあると考えています。期末試験については、十分に準備をし、少なくともA以上でなければ駄目だという意気込みで頑張るべきだと考えます。本試験も結局、大学院の教員陣が作成された試験と似たようなものですから、期末試験で本番の疑似体験ができるわけです。この点、予備校の問題等ではやはり質が本試験よりも劣るため、期末試験にこそ真剣に挑むべきです。

3.受験勉強

私は、合格すると言われていたにもかかわらず、択一試験で落ちてしまったため、一度目の司法試験に落ちてしまいました。言うまでもなく、択一試験は重要です。実力者でも落ちることがあるため、マークミスを防ぐことは勿論、対策に遺漏なきを期すようにして下さい。
論文については、起案が重要です。ここ数年、一線級の研究者らからの出版ラッシュが続いており、演習書も多数出ていますから、それらの演習書を自主ゼミで起案するとよいでしょう。私は、二度目の本試験に向けて、四人で起案ゼミを行っていましたが、全員合格することができました。本試験ですることは起案です。したがって、普段から起案することは重要です。定評のある演習書を全て潰すだけでも、相当のインプットが行えますから、アウトプットをしながらインプットをするということが可能になり、効率が良い勉強方法といえると思います。
もちろん、起案だけでは、知識の量に不安が出ますから、読書も重要です。昔から定評のある基本書や最近の出版ラッシュによって出てきた本など、先輩にお勧めを聞くなどしてバランスよく読み込んでいきましょう。私は、注に出てくる参考文献や、引用論文についても、重要だと思われるものは、図書館に行き、コピーするようにしていました。勿論、そこまですべきものは少数ですが、このような勉強方法は、遠回りと思いきや、実は近道であることも多いので、是非参考にして下さい。
最後に、これらの勉強でたしかに力は付くのですが、本試験での点数には必ずしもリンクしないことがあります。そこで、少なくとも、月に一回のペースで過去問、出題趣旨及び採点実感を読み込む機会を作ることをお勧めします。趣旨及び実感については、試験の前日の寝る前に読み返すことができるように、最後の最後まで、身近な場所に置いておくとよいと思います。

4.大学院の仲間

私には、一度目の司法試験に落ちたときにも、支えてくれる、友人、先生、家族がいました。一人の力では、何もできない私でしたが、合格することができたのは、本当に応援して下さった方のおかげです。受験勉強は極めてハードです。一人で勉強して合格する方も勿論いますが、仲間と一緒に勉強した方が、精神衛生上、情報の収集力の観点からも良いと考えます。法科大学院制度のいいところは、同じ目標に向かって切磋琢磨し合える仲間と出会えることだと思います。周りを見渡せば皆が法律の勉強をしているわけですから、コアの部分で気が合わないわけがありません。是非、仲間と一緒に勉強することをいとわないで下さい。私は本当に良い仲間に恵まれました。一緒に勉強できたことは一生の宝だと思っています。
また、先輩、後輩との縦のつながりも重要です。私も、先輩から多くを教わりました。後輩にも自分のできる範囲でやれることはしました。明治大学には、法制研という機関があり、合格者ゼミなどの企画が行われているので、これを使わない手はないと思います。歴史と伝統ある明治の絆で一致団結して、これからの時代を一緒に築いていきましょう。

2012年3月修了 I.T.

1 択一対策

(1)択一対策を本格的にはじめたのは、ロースクールの3年生になってからであり、かなり遅かったのではないかと思います。3年生の5月頃に初めて新司法試験の短答式問題を全年度分解いたところ、民事系の点数が非常に悪く、全体でも200点にすら届かない年度もありました。

(2)民事系
そこで、まず、一番得点源となるにもかかわらず一番苦手な民事系の点数を上げるために、辰已法律研究所の肢別本の民法、商法、民事訴訟法を回し始めました。肢別本を選んだのは、肢ごとに○×を答える方式であるため、どこでもすきまの時間でも手軽にできること、同じような肢が少し形を変えて何度も出てくるため、自動的に繰り返し解くことができ記憶の定着につながると考えたためです。3年生の夏休み頃からは、自習室やカフェで、毎日1時間に100肢、などと時間を決めて解くことで、集中力を高め、効率的に解くことが出来ました。また、集中しているためか、かなり急いで解いているにもかかわらず、記憶の定着率も非常に上がりました。また、肢を解くたびに必ず辰已の条文・判例本で条文や知識をチェックして、知識の定着を図っていきました。
その結果、本試験では、家族法の肢はすべて正解することができ、民法全体で9割、民事訴訟法は8割、商法のうちの会社法分野は8割とることができました。

(3)公法系
憲法に関しては、過去問を何度も回しました。過去問で出た判例や百選判例を中心に、重要判例の判旨を条例本や戸松先生・初宿先生の『憲法判例』で何度も読みました。また、各判例の採っている立場や傾向を押さえることで、判旨の知らない部分が出ても、考えれば解けるように努力しました。その甲斐あって、全国模試などでは7割から8割とることができましたが、残念ながら本試験では力を発揮できませんでした。

(4)刑事系
刑法に関しては、初めて新司法試験の過去問を解いた時から8割・9割とれていたため、直前期まではほとんど何も対策しませんでした。しかし、直前期に突如スランプに陥り、模試で25点前後しか取れないことが続きました。そこで、前田雅英先生の『最新重要判例250 刑法』のうち重要な最高裁判例を読み込むとともに、執行猶予等の細かい条文知識を何度も確認しながら知識を定着させました。
また、刑事訴訟法については、重要判例は論文で勉強しているので、上訴や略式手続等の細かい条文知識をまとめた表を何度も確認しました。
その結果、本試験では刑法で8割以上、刑事訴訟法で7割とることができました。

2 論文対策

(1)民事系
民法はとにかく苦手で、知識も不十分だったので、「百選ノート」というものを作りました。「百選ノート」には、各百選判例につき、基本書の体系上の位置づけと、条文、要件についての判例なのか効果についての判例なのか、事案、判旨、百選の解説や基本書の該当分野で述べられている重要な知識をまとめました。そして、そのノートをもとに、友人と「記憶ゼミ」という名のゼミを組んで、互いに問題を出し合い、事案から基本書の知識に至るまで、すらすら答えられるように訓練しました。
この方法は、知識の定着を図るうえで非常に役に立ち、その後民事訴訟法や会社法判例にも応用しました。
また、アウトプットの面では、民法は『事例演習教材 民法』を解くゼミを組み、3回まわして答案の書き方や要件事実的思考を訓練しました。会社法は、松山先生の総合指導と3年生の春休みに先生にお願いした自主ゼミで『事例演習教材 会社法』を徹底的に勉強して細かい知識を押さえた後、『事例で考える会社法』という演習本を2回まわしました。民事訴訟法は、藤田広美先生の『解析 民事訴訟法』をベースに旧試の問題を解きました。

(2)公法系
憲法は、とにかく過去問が最良の資料だと考え、過去問を解いては、上位答案を確認し、自分の答案と何が違うのか、マネできる書き方はないかなどを検討した上で、自分の書き方を修正し、また書く、といったことを繰り返しました。最終的には、権利の性質や憲法上の諸制度ごとに、「答案マニュアル」というものを作って、答案の枠を確立することができました。また、出題趣旨等を分析して、憲法は事案に沿った権利認定や審査基準の定立が極めて重要であると感じました。そこで、徹底的に事案に沿った権利認定や基準定立を心掛けて何度も訓練し、権利ごとにその権利の重要性や基準を導く論述の書き方を確立したノートを作りました。
行政法は、桜井先生・橋本先生の『行政法』をもとに基礎知識をつけながら、『事例研究 行政法』や過去問を3回ほどまわしてアウトプットの練習を行っていました。答案では、特に総論の知識をうまく取り入れることが重要だと考え、上位答案の書き方を分析して自分の答案に取り入れていました。行政法についても、最終的には「答案マニュアル」ノートを作り、また、総論知識のみをまとめたノートも作りました。

(3)刑事系
刑法については、『事例演習教材 刑法』を解くゼミを組み、2回まわしました。刑法では、法律論は当然ですが、特に事実認定が重要であり、いかに事実を評価して要件の認定につなげるかで評価が大きく分かれると考え、友人と『事例演習教材 刑法』を題材に、事実認定のみを訓練するゼミを組みました。そのゼミでは、事例中の一つの論点につき、事実認定のみ行う時間を10分間などと決め、できるだけ多くの事実を拾いつつ、各事実に自分なりの評価を加え、さらにそれを結論に結びつけやすい順に並べて、要件の認定につなげるという訓練を行いました。この訓練を行う上で、新庄健二先生の『事実認定ハンドブック』で認定の手順や判例の言い回しなどを学び、自分の答案に取り入れるようにしました。
刑事訴訟法は、2年生の時に辻脇教授の刑事訴訟法講義で配布されたレジュメと古江先生の『演習刑事訴訟法』をもとに論証集を作りました。3年生でも辻脇教授の総合指導を前後期とり、授業の予習をする際に、課題事例の検討と答案の作成、疑問点の抽出を充分に行い、さらに授業後必ず質問して、疑問点を解消し、論証集を修正するという作業を繰り返していました。そして、最終的に、自分なりの論証集を完成させました。

(4)全体
また、直前期には、全科目につき、「合格ノート」というものを作りました。「合格ノート」には、科目ごとに、今までの勉強の中で蓄積した答案上の注意点や自分の弱点、先生・先輩方から頂いたお言葉などを、全てひとつにまとめました。これを本試験の各科目の開始直前に繰り返し読むことで、不安を払しょくして試験に臨むことができました。

3 最後に

私が実際に本試験を経験して、合格を勝ち取るために何より重要だと感じたのは、何が何でも合格してやる!という強い気持ちで試験に臨むことです。5日間という過酷な試験は、精神的な強さが要求されます。このような気持ちで臨めば、最後まであきらめずに食らいつくことができ、合格につながるのではないかと思うのです。
私自身も、本番で、なにがなんでも絶対合格する!という気持ちで臨むことができたので、民法や商法で大失敗してしまいましたが、その後もあきらめずに刑事系、そして択一の最後のひと肢まで頑張ることができました。
とにかく、最後まであきらめずに絶対受かる!!という気持ちで頑張っていただきたいと思います。 

2012年3月修了 T.F.

 1.はじめに

私は、法学部に在籍していたものの、学部時代は真剣には勉強していなかったので、未修で入学することになりました。入学後、1年生の間は、どうしても知識がなかったので、授業の勉強を中心にインプットに努めることにしていました。2年生以降に問題演習を始めました。
1日の集中していた勉強時間は平均して、1年次は6~7時間程度、2年次は8時間、3年次は9時間程度だと思います。

2.予備校の利用

私は、ロー3年生のときに23年度新司法試験を辰已の体感模試で初めて本番どおりの時間で解き、あまりの出来なさに愕然としました。そこでは、知識不足、時間配分ミス、それまでよくパソコンを使って答案作成をしていたことによる文章の稚拙さなど、非常に多くの課題を目の当たりにしました。私は、そもそも論文を書き慣れていないことに気づき、辰已のスタンダード論文講座を受講することで強制的に論文を書く契機にしようと考えました。実際、他の受験生と同時に2時間ちょうどで問題を解き、途中答案を経験しながら、何を書くべきか、何を削るべきかなどの様々な試行錯誤をすることで、本番には途中答案を1通も出さないことができました。

3.使用した基本書や参考書

(1)公法系
芦部『憲法』、橋本・桜井『行政法』、判例百選と辰已の条文判例本。演習書は、憲法・行政法共に『事例研究』。

(2)民事系
佐久間『民法の基礎(1)(2)』、山本『民法総則』、松井『担保物権』、潮見『プラクティス民法 債権総論』、潮見『債権各論ⅠⅡ』、山本『民法‐契約‐』、『リーガルクエスト会社法』、江頭『株式会社法』、『民事訴訟法講義案』、判例百選と条文判例本(民法は、後半のみ)、趣旨規範本。問題演習は、民法は旧司、会社法は『事例で考える会社法』、民訴は『ロースクール民訴』を主に使用していました。

(3)刑事系
刑法は、伊藤塾の呉先生の出しているものを使い、辰已の『予備試験—事実認定ハンドブック』、判例百選、刑訴のみ条文判例本。刑訴は、辻脇先生のレジュメを使っていました。問題演習は、『刑法事例演習教材』、『事例研究刑事法②—刑事訴訟法—』、『捜査法演習』。

4.受験対策やノウハウ、これから受験する人へのアドバイス

最後に、合否を分ける論文において、どうしても既修に知識面で劣らざるを得ない私が意識をしていた点について述べたいと思います。

(1)条文の重要性
条文は、法律論を論じるにあたってのスタート地点であることから、条文点というものが存在します。したがって、(-条)と数センチ書くだけで、他ではともすれば何行もかかって得られるだけの点数が得られます。このことから、当該問題文において、条文を引用できる場合には必ず書くようにしました。

(2)事実を面倒くさがらずに抜く。評価は必ず入れる。
事実を法的観点から評価することが法律論であり、その前提として、問題文のどの事情を評価しているかを明確に示す必要があります。したがって、採点官に対し、解答者がどの事実を評価しようとしているのかを明確に示すために、問題文中で特に問題となる事実を省略して書かずにそのまま抜き出すようにしていました。
また、事実の評価については、自分ではしているつもりでも案外されていないものです。このことから、事実を引用した際には、「(事実)は、(評価)だから、(条文の文言等)である。」という形になっているかを常に意識して書くようにしていました。

(3)論証は判例ベースでコンパクトに。
論証については、司法試験は実務家登用試験なので、実務すなわち判例を知っていること、判例の規範を基に事実を評価すればどのようになるかを分かっているか(結論の見通しが立つか)どうかが求められています。したがって、学説の対立等を延々と論じることについてはあまり意味のあることではないと考えていました(判例と異なる見解を採るのであれば、判例の紹介をして、判例の見解だと不都合である理由付けを示すために学説を理由付けと共に紹介することは意味があるが、時間の限られている試験では得策でないと聞きました)。
採点官は、1人でおそらく200通以上の答案を採点するので、判例が存在するもの等や、確定的通説となっているものを論じている部分は見飽きています。したがって、論証は、最低限の理由付けと結論のみを書くようにして、解答者の個性が出る事実の評価にすぐに移ることを心がけていました。

(4)あきらめない。
これには、2つの意味があります。
ひとつは、どんなに難しいと思う問題(例えば、参考判例があるのか全く分からないような問題)が出ても、投げ出さず、何とか何かしらを書くことです。司法試験を受けるレベルにある者が難しいと考える以上、超上位者を除いて周りも難しいと感じています。何も書けないと思ったら、まずは法律の基礎の基礎である条文に立ち返ることにしていました。問題となりそうな条文を書き、その条文の趣旨を理由付けにして、自分の思う結論を書くというようにしていました。そして、法律解釈が終われば、事実をできるだけ多く抜き、評価することが大事です。このようにすれば、間違えてはいても何とか法律論文の体裁は整えることができるので、条文点や、事実点などの一定の点数は入るものと思われます。
もうひとつは、答案を時間内になんとか書き終わる(「以上」まで書く)ことです。実務家は毎日期限に追われており、その中でも何とか仕事を終わらせることが求められています。それゆえに、実務家採点官がいわゆる途中答案を見れば、印象が格段に悪いという話を聞いていました。また、最後まで薄い内容でも書くということは、最低限の点数をまんべんなく拾え、安定した点数が入るという利点があります。

(5)以上のようなことを意識して徹底すれば、知識面で劣ることはあっても落ちない答案は書けるはずです。是非とも頑張ってください。

2012年3月修了 Y.H.

1.はじめに

司法試験を目指して勉強を始めてからちょうど4年、私は今年、幸いにも司法試験に合格することができました。学部は早稲田大学法学部で、明治大学法科大学院での成績は中の上程度です。以下に、私の経験を踏まえて勉強方法等を紹介したいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

2.勉強方法について

勉強方法の第一に、論文に受かるとは、本試験で高評価を受ける「合格答案」を書くことです。そこで、本試験について知ることが大事です。過去問は勿論、出題趣旨と採点実感を読むことで、どのような答案が求められているかがわかります。これらは何度も読み込むことが重要です。また、過去問を研究することで、どのようなテーマについて試験委員が聞きたがっているかもわかります。それだけではなく、合格答案についての具体的なイメージをつかむことが大事です。受験予備校については評価がわかれますが、再現答案集は是非利用すべきです。上位合格者の表現は僕たちがもっとも身近なお手本として見習うべき点が多いからです。
第二に、そうした合格答案を書くための、必要最小限な知識を「選別」することです。司法試験は要求水準が高いので、あまり手を広げすぎると迷路にはまる危険があります。そこで、頻出の重要基本事項に絞って、その部分を中心に、繰り返し勉強することです。本試験の問題は①誰でも知っている基本と②誰も知らない応用の巧妙なブレンドになっていることが多く、応用のほうは現場ではったりをかまして逃げるしか手がありません。そこで、結局は基本をきちんと押さえて、ふだんから基本を大切にした勉強をしているかで勝負がつくと考えます。
第三に、合格答案の要件と必要な知識を覚えたら、それを実践できるか、答練で繰り返し試すことです。例えば私の場合、各種演習書の問題を解き、週4通程度は実際に答案を書き、論文直前の6ヶ月間で答案を100通書きました。これは、合格者の平均くらいでしょうか。特に多い数字ではありません。予備校を利用するのも良いですが、自主ゼミを組んでやっても構いません。自分にあったスタイルで実践して下さい。

3.明治大学法科大学院について

本校には、優秀な教員が多く揃っています。私は民法の工藤先生の演習を受講しました。先生は本試験の採点もされており、全てのお言葉が役に立ちました。私は民法が好きなのですが、先生の授業のおかげです。
このような素晴らしい先生に出会えたことが合格をぐっと引き寄せてくれました。周りの同期の仲間達も
やる気十分で、お互いに刺激し合える良い関係が築けました。また、自習室は先輩も後輩も共有であるため、縦の人間関係も構築でき、情報収集もしやすかったです。受験をひとりで乗り切るのは大変ですから、是非とも周りの仲間と一致団結して合格を掴み取って下さい。

4.おわりに

司法試験の勉強は大変です。しかし、皆さんがそう感じられている通り、法律の勉強はとても面白いです。
こんなに面白いことをしていて司法試験に合格できるのですから、受験生は幸せなのではないでしょうか。
勿論、受験は勝負ですが、どこか心の中に余裕を持って挑まれて欲しいところです。毎日一日中勉強することは不可能であるばかりか、効率も良くありません。
適宜息抜きすることはかえって効率的です。私はオンとオフの切り替えを大切にしていました。受験勉強に煮詰まらないように、何か息抜きできるものは見つけておいて下さい。皆さんの健闘を祈っております。 

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