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合格者体験談(2014年度)

2014年3月修了 S.I

 1 はじめに
私は平成24年3月に明治大学法学部を卒業し、同年4月に慶応義塾大学法科大学院既修コースに入学しました。その後、在学中(既修3年次)に平成25年度予備試験に最終合格し、平成26年度司法試験にも無事合格することができました。
以上の経験を踏まえて、私の体験の中から①法科大学院対策、②予備試験対策、③司法試験対策の3点をお話させていただきたいと思います。拙い話で恐縮ですが、ぜひ来年度以降司法試験を受験される方の参考にしていただければと思います。

2 ①法科大学院対策について
⑴ 抽象的になってしまいますが、法科大学院対策において重要だと思う2点について述べさせていただきたいと思います。
⑵ まず、1点目は予備校を利用することです。
法律は範囲が非常に広いだけでなく大変奥も深いため、最終目標である司法試験の合格に向けて正しい方向に適切なスピードで進むことが肝要となります。いくら勉強量と時間をかけても誤った方向に進んでいれば、司法試験合格という観点からは全く無意味なものになってしまいます。司法試験にはこのような怖さがあります。しかし、初学者は何を、どの程度、どのように勉強していいのかという一番大事な部分が分かりません。そのため、初学者は誤った方向への勉強に陥りがちです。
そこで、私は大学2年の春から予備校を利用して法律の勉強を始めました。予備校については賛否両論ですが、初学者の段階に関しては、私は積極的に利用すべきだと思います。司法試験に合格した今から振り返ってみても、初学者の段階で予備校を利用したことはプラスに働いていると思います。
⑶ そして、2点目は早いうちから優秀な方の答案を見て、自分の答案も先輩等に添削してもらうことです。
司法試験の内容が短答と論文である以上、どんなに頭の中に法律の知識があり、どんなにスラスラと話すことができたとしても、それを書面の上に表現することができなければ、司法試験の合格という観点からは全く意味がありません。答案に表現するという手段が決まっている以上、最初からその手段で練習するに越したことはありません。もっとも、答案にも一定の作法があったり、文章の巧拙の問題もあります。そこで、優秀な方の答案を見て正しい答案像のイメージを掴み、先輩等に添削してもらうことで早めに答案術を磨くことが大事だと思います。

3 ②予備試験対策
⑴ 私は法科大学院在学中に予備試験に合格したので、法科大学院との関係で1点述べさせていただきたいと思います。
⑵ 法科大学院では刑事実務基礎科目、民事実務基礎科目等が設置されていると思います。これらの授業が論文式試験の法律実務基礎科目(民事・刑事)に非常に役立ちます。この授業を真面目に履修していれば、法律実務基礎科目(民事・刑事)に関しては特別な対策は必要ないと思います。そして、法律実務基礎科目(民事・刑事)に力を注ぐことは、論文式試験の中でも配点が高いことからいい成績をとると非常に楽になるだけでなく、続く口述試験対策にもなります。

4 ③司法試験対策
⑴ 司法試験対策についても、法科大学院との関係で2点述べさせていただきたいと思います。
⑵ まずやはり授業を真摯に取り組むことです。授業を履修しなければならない以上、その授業から吸収することが時間との関係上最も効率的です。授業を受けつつ、全く別に独学で学ぶという選択肢は、2年ないし3年という短い時間との関係上おすすめできません。
⑶ そして、2点目はゼミを組むことです。すぐ身近に目的を共通にし、利害関係が一致する存在がたくさんいる以上、友達と勉強しない手はありません。選択法だけのゼミや、予復習のゼミなど、小さなものでいいのでとりあえず気の合う仲間たちと励まし合えるホームのような空間を作れれば十分だと思います。ゼミのメンバーが長くて辛い司法試験までの支えになります。

5 最後に
10人合格者がいれば10通りの合格方法があるので、私の体験談が必ずしも正しいわけではありません。しかし、少しでも参考にしていただければ幸いです。