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国際日本学部

【学部長メッセージ】国際日本学部在校生・新入生のみなさんへ

2011年04月05日
明治大学

わずか120秒の大地の震動が過酷な運命の始まりとなりました。
2011年3月11日午後2時46分。マグニチュード9の大地震が東日本を襲い、その直後に押し寄せた大津波が多くの町を、仕事を、そして命を奪ったのです。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表すとともに、被災地の一日も早い復興のために私も微力ながらお手伝いを続けていきたいと思っています。


ただ、いかなる逆境、悲運にあっても希望だけは失ってはいけません。こんな時にこそ必要なのは、皆さんのような若者の勇気と決断力、情熱と行動力です。自分にいったい何が出来るのか。震災対応のどこが不十分だったのか。この大災害を乗り越えた後どんな社会を造っていけばいいのか。様々なことを考え、話し合い、行動する絶好の機会でもあります。「間違いと失敗は我々が前進するための訓練である」と米神学者ウィリアム・チャニングは言っています。私もその通りだと思います。人生には何よりも「なにくそ」という精神が大切なのです。新入生のみなさんも不安に負けず、自信を持って新学期を迎えてください。


私はジャーナリストとしてこれまで数々の災害現場や戦場を取材してきました。その苛酷さは簡単に言葉で語り尽くせるものではありませんでした。しかしそんな絶望の淵にあっても、人々が決して失わなかった信念、不屈の精神、慈しみ、優しさ、そして明日への希望には強く心を揺さぶられました。


瓦礫の下からやがて新芽が伸び出す日を信じて、国際日本学部の学生として勉学に課外活動に悔いのない充実した日々を過ごしてください。桜の花が満開です。上を向いて新たな一歩を踏み出しましょう。みなさんの未来は今から始まるのですから。



                                        2011年4月5日
                                国際日本学部長 蟹瀬 誠一