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国際日本学部

佐藤ゼミの学生が熊本県で観光を学ぶフィールドワークを実施しました

2018年12月25日
明治大学

佐藤ゼミの学生17名が、2018年12月7日〜10日の3泊4日で、熊本県八代市・水俣市・天草市を訪問しました。

1日目はまず、八代班・水俣班に分かれて視察を行いました。
八代市は国際クルーズの拠点港として、インバウンド誘致のためのインフラや地域の受入態勢の整備が進められています。八代班は、妙見宮、八代宮、商店街、日奈久温泉などを視察しながら、地域の現状とインバウンドの課題について理解を深めました。水俣班は、熊本県南地方の広域観光をテーマに、肥薩おれんじ鉄道での地域鉄道事業に関するヒアリングを実施。その後実際に人気の観光列車「おれんじ食堂」を見学しました。水俣市では、観光振興課の方の案内で、市内及び湯の児温泉、湯の鶴温泉を訪れ、地域の課題について理解を深めました。

夕方からは、八代班・水俣班が合流し、八代市、やつしろDMO、商工会議所、観光関連企業の方々、地元の八代高校の高校生などが参加し、地域の課題と未来についてゼミ形式で意見交換を行いました。その後に行われた、八代の明治大学OB会との懇親会では、OBと現役学生の世代を超えた交流が行われ、最後は全員で肩を組んで校歌を歌うなど、大いに盛り上がりました。

2日目は、JR九州の観光列車「特急A列車で行こう!」とクルーズ船を乗り継いで天草へ向かい、今年6月に世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録された崎津集落や、教会などを見学しました。夕方からは天草の観光の現状と課題についてヒアリングを実施し、世界遺産に登録されてからの地域の変化や、地元の中学生によるボランティアガイドの活動などについてお話を伺いました。


佐藤ゼミでは、2017年に実施されたリバティーアカデミー公開講座「熊本の世界遺産とその魅力〜震災から1年、熊本の観光状況を考える」をきっかけに、熊本県内での地域交流フィールドワークを、サブゼミ「熊本プロジェクト」として実施しています。熊本県を訪問するのは今回が初めての学生も多く、出発前には九州の観光地理、訪問地域の歴史などについて、事前勉強会を実施。昨年「熊本プロジェクト」に参加した4年生2名が、地域とゼミの交流をつなぐファシリテーターとして事前学習会から現地訪問まで同行し、3年生の活動をサポートしました。これらのフィールドワークを通じて、学生たちが感じた地域の魅力や課題、観光振興のアイディアは、今後視察の成果としてまとめ、発表する予定です。

八代出身の明大OBでつくる明竜会、八代市、水俣市、天草市、やつしろDMO、肥薩おれんじ鉄道、商工会議所、地元企業、地域のみなさまの多大なるご協力により、非常に内容の濃い充実した研修となりました。改めて御礼申し上げます。佐藤ゼミでは引き続き、次の世代へサブゼミの活動を繋ぎ、持続的に地域での交流が続いていく仕組みを構築していきたいと思います。

<参加学生のコメント>

今回、熊本の八代市と天草の視察に行かせていただいて大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。普段ゼミの授業でインバウンドについて学んでいますが、実際に現地を訪れて問題点や課題を探し解決案を生み出すということがこんなに大変なことなんだと改めて実感しました。また、インバウンドがもたらす恩恵と弊害その両者のバランスを考えながら地域全体をも巻き込んでうまく課題を解決していくことは自分が想像していたよりもはるかに難しいものでした。しかし、同時にとてもやりがいのある魅力的な事業であると感じましたし、少しでも地域の力になれたら嬉しく思います。私は今回学んだことや感じたことを後輩たちにも伝え、来年も実際に現地に行ってもらって色々なことに気づき自分の糧としてほしいと思っています。これからもこの繋がりを絶やさないようにしていきたいです。
(文:八代班 佐藤ゼミ3年 上原瑶平) 

私は熊本研修を通じて、地方の観光の難しさを学びました。特に印象に残ったのは、八代市の視察です。明大OBの方々に色々な場所に連れていっていただき、八代市の観光の課題を肌で感じました。八代市には、九州を代表する祭りである妙見祭や、日奈久温泉、夏には全国花火競技大会があり、観光地としての魅力があると思いました。しかし観光資源を持ちながらも、都会から遠いことや現地でのアクセスの不便さ、地名度の低さから思うように観光客を獲得できない現状に歯がゆさを感じました。このことは八代市に限ったことではなく、地方が観光に対して抱える課題の現実なのだと思います。この課題を解決するために、この先も私たちゼミ生は大学生の視点から提案を行なっていきたいと考えていますが、視察全体を通して都会にはない地方の良さを沢山感じたので、観光を通して地方がもっと元気になってほしいと思いました。
(文:八代班 佐藤ゼミ3年 峰村星花)

私達の班は2日目に水俣市へ視察に向かいました。水俣というと「水俣病」という言葉を連想するかもしれません。私達もそうでしたが、視察を経て水俣に対する印象は大きく変わりました。観光という視点のもと実際に水俣を見て学んだことで、地域の課題や魅力を発見することができたのです。その日の夕方に行われた地元の高校生との合同ゼミでは、水俣市出身の高校生と水俣の観光について意見を交わしました。地元出身の高校生と県外から来た私達だからこそ、お互いの意見は新鮮で、有意義な話し合いができたと感じています。今回の熊本視察旅行全体を通して、私は実際にその地に足を運んで体験することの大切さを感じさせられました。熊本の人々と実際に会い、会話をする中で感じるものはきっと教室での学びだけでは得られなかったはずです。このような貴重な体験に協力してくださった熊本の方々に感謝し、この経験を次の学びにつなげてきたいと思います。
(文:水俣班 佐藤ゼミ3年 伏見宏司)