川島ゼミナールによる福島県新地町での活動報告(10月20日~22日)

2014年11月04日
明治大学 震災復興支援センター

試験漁に向かう漁師さん試験漁に向かう漁師さん

網の回収を行う漁師さん網の回収を行う漁師さん

水揚げされたシラス水揚げされたシラス

 川島ゼミナールの学生から、福島県の新地町で行った活動について、寄稿がありましたので紹介します。
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 私たち川島ゼミナール3年生3人(浦壁周平・高須大介・廣口隼也)は10月20日~22日にかけて福島県新地町へ、ゼミナールの研究取材活動に訪れました。
 前回、10月4日~6日においても同町を訪れたのですが、その際予定していた試験漁業の取材が天候の悪化により中止となったために今回の訪問となりました。

 福島県漁業協同組合では現在、モニタリング調査ために定期的に漁業の試験操業を行っています。また、風評被害のために福島県産の水産品は市場では苦境に立たされています。震災以前には「常磐物」と呼ばれて珍重されていたシラスやカレイなどの魚介類は水揚げ後のサンプリング調査においてセシウムの検出はないにもかかわらず、以前のように流通されないのが現状です。今回、そんな現状を自らの目で捉えたいと思い、試験漁業への同行をいたしました。
 
 漁師さんの朝はとても早いです。早朝4時の釣師浜漁港には試験操業に向かう漁師が集まりました。気温は低く、海上の風も強いために荒れているとのことでしたが、一同10月に入ってからやっと行える試験操業に心なしか意気軒昂しているようでした。
 まだ暁の中、漁船は次々と出港します。暗闇に光るのは漁船団の灯だけ。船は波に大きく揺さぶられ立っているのがやっとな船上においても漁の準備は黙々と行われます。漁船は非常に速いスピードで海面を滑るように走り、1時間半ほど経過した頃でしょうか、空が白み始め曙の中、操業海域へと到着しました。到着するやいな、2人の漁師さんは慌しく動き始めました。魚群探知機で魚のいる深度を見つけると号令が飛びます。
 それに合わせて船尾で作業するもう1人が綱の長さを調整して棚を合わせます。すると船は全速で前進し、海面へと標識のブイを投下。用意された綱と網はきれいに海中へと吸い込まれていき、船は打ったブイに向けて円を描くように、航行します。こうすることで魚群を囲い込むことができるわけです。あとは網を引っ張るように前進するのみ。2人の漁師は船尾に移動しタイミングを見計らって網を船上へと引っ張り上げます。水を吸い重くなった網を回収するのは非常に困難な作業です。おまけに海は時化模様、激しい波飛沫が2人を襲います。ですがそんな状況でも船の進行を制御しつつ網の回収を行うとやがて引き上げられました。
 
 先端の目の細かい網からは大量のシラスが出てきました。動いています。新鮮とはまさにこのことでしょう。口にしたシラスはほんのり塩味がして、海を感じました。
 結果、上記内容の漁手順を10回ほどこなし帰港。5時間強の漁となりましたが、これでも回数は少ないほうで、震災前は20回を優に超していたそうです。水揚げされたシラスは1カゴ。素人目には大量でしたが、漁師の話によると「お話にならない」とのことで驚愕しました。と言うのも、震災前は今よりも多く海に出ていたので魚群の追尾補足が出来ていたそうですが、今は週に2回の試験漁。漁獲は上がらず、こういった面でも震災・原発事故の影響は出ているようです。

  今回、漁に同行しつつ、漁師さんからは福島県水産業の風評被害に関する問題や現状、取り組みについて話していただきました。「漁が出来るだけ前進した分まだマシ、でも風評被害は払拭されない。これからは自分たちでこの現状を変えるべく新たな取り組みが必要。風評被害に関しては本当に辛く、漁もこのような思いを抱えてしなくてはならないのは異常な事態だ」という話を聞くことが出来ました。特に福島県新地町は宮城県山元町と海域を接するほど近く、放射能被害はほぼありませんが、海となるとステレオタイプな扱いを受けてしまいます。問題は山積で困難ですが、それでも少しでも現状を変えるべく進むしかありませんし、消費者である私たちも正しい知識を備え、復興を応援すべく見守っていく必要があると思います。イメージだけで考えるのはよくありません。マスメディアなどを通じサンプリング結果を周知させればもう少し現状は回避されるのではないかと思います。

 最後に、お仕事に同行させてくださった漁師さん方のご好意には本当に感謝しています。どうもありがとうございました。
情報コミュニケ—ション学部 川島ゼミナール
 3年 浦壁 周平
 

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