「名取・旅おこし講」の創立5周年記念の総会に参加して

2017年08月17日
明治大学 震災復興支援センター

 本学の学生が参加した、宮城県名取市での活動について、寄稿がありましたのでご紹介いたします。
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 今回の活動は、2012年度に設立された「名取・旅おこし講」の創立5周年記念の総会において行われた今後の活動方針に関する話し合いが中心でした。新たに参加するメンバーもいるため、午前中には被災地・閖上や復興商店街「さいかい市場」の視察にも参加しました。
 被災地・閖上の視察では語り部の方による案内がありました。語り部をお引き受けいただいたのは「閖上震災を伝える会」代表の格井直光さんです。私は昨年からこの講義を履修し、閖上を何回か視察していますが、今回のように語り部の方のお話を聞きながらの視察は初めてでした。いつもとは違い、震災が残した地形の変化やこれから震災遺構などの扱いに対しての格井さんの思いを聞かせていただきました。説明していただかなければ見落としていたような事物を知り、瓦礫がなくなっても震災の被害は地形に残り続けることを知り、東日本大震災を忘れてはいけないと思う気持ちが強くなりました。また東日本大震災で大きな被害を受けなかった人にも、被災地の状況や「明日はわが身になりうる」ということをひしと感じました。

 午後は、名取市内のイオンモール名取内にあるイオンホールで「名取・旅おこし講 創立5周年記念総会」が開催されました。総会では被災された方お二人の記念講話をお聞きすることができました。おひとりは、閖上で和菓子屋を営んでおられた高野俊伸さんです。もうおひとりは、閖上保育園の所長をなさっていた佐竹悦子さんです。
 高野さんのお話で印象に残っているのは、防災無線が機能していなかった、口伝された津波への慢心や知識の不足が多くの被害を出したという原因分析でした。震災時において知識、情報はとても大事なものであり、知っていて備えていても損はないと感じました。また近年地震が多く、その中でも震度3、4程であるため私自身、震災に対して危機感が薄れていました。高野さんのお話の最後で覚えるべきことの中に、普段から避難する意識を持つという項目があり、はっとしました。震度3程度の地震はよく起こり、地震に対して慢心している私のような学生は多いのではないかと思います。
 佐竹さんのお話では「第一に自助、次に共助、第三に公助」という言葉が記憶に深く残っています。私は現在一人暮らしをしています。そしてありがたいことに、住んでいるマンションのお隣さんと交流があります。共助ができるように、まずは自助をしっかり行いたいと思いました。佐竹さんのお話の最後に、支援は自己満足のものを押し付けない、被災地・被災者の気持ちを考えて行うことが大事なことの1つだ、ということもこれからボランティアを行いたいと考えている人たちに、知ってもらえるような活動をしたいと考えます。
 その後は、「名取・旅おこし講」の共同代表であり、地元の尚絅学院大学の教員でもいらっしゃる内田先生から、地域文化というものが地域活力の復元力を発揮しうるという、防災社会学の考え方をお聞きすることができました。このお話から、今後、閖上の魅力を取材・編集する「新・閖上風土記」や文化を追体験するツアー「なとりっぷ」の意義を強く認識することができました。
 
 総会の後半は、私たちの今回の活動目的である今後の活動方針に関するグループワークでした。講演いただいた高野さん、佐竹さん、ほか地元の方々数人もグループワークに参加していただき、閖上の魅力を取材・編集する「新・閖上風土記」や、文化を追体験するツアー「なとりっぷ」をどのように進めていくか話し合いました。
 私は尚絅学院大学の生徒の方が多いテーブルでグループワークを行ったのですが、現地の大学といっても閖上の近くに住んでいた方や、大学に入ってから閖上のことを知った方、大学のサークルでも文字書きをしている方など様々で、やりたいことがたくさん出て、活発としたグループワークになり楽しかったです。まとめることは大変な作業でしたが、グループの結論としては、閖上風土記の充実を復興の経過をまとめたものを入れたり、文化として普及しているものをさらに深堀し、現地の方にも体験してもらったり驚くべき内容を入れられるよう活動をしていきたい、というものになりました。
 今回は被災地・閖上を語り部の格井さんに案内してもらい、昔と今の閖上の違いや行政がこれから閖上にしていこうとしているのか、それに対する現地の方の思いを聞き、よそ者の視点はある程度大事だけれど軽々しく発言することは、被災地のことを考えるとできないと感じました。復興は目に見えて進むようになってきました。昔から変わっていくことに寂しさも覚えますが、復興が進むことを考えると、部外者が変化に対して少しマイナスな感想を持つなんておかしいことかもしれない、と考えることできました。現地を知っていないとこのような考えはできなかったと思います。
 
 名取・旅おこし総会では、高野さん・佐竹さんのお話を聞き、自分の地震に対しての身構え方がてんで足りないものだったことが分かりました。災害についてどのくらいの人が深く考え準備をしているのだろうかと思いました。マス調査なんて、たかが学生には難しいかもしれませんが、まずは周りの友人や知り合いから、どんなことをしているか聞き、今回学んだことを話せる機会を作りたいなと考えています。
商学部4年 等々力 蒼依
 

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