研究・知財戦略機構 学内フォーマット集
新木造建築システム総合研究所
研究所名 | 新木造建築システム総合研究所 | ||
研究課題名 | 環境高度対応型木造建築システムの開発 | ||
研究所概要 | (特定課題研究所設置の目的) 京都議定書でも明らかなように地球温暖化・排出ガス問題等における日本の立場は極めて厳しい状況にあり,各産業分野で早急な対応が求められている。建築分野でも様々な対策が進みつつあるが,我が国では年間50万戸を超える木造建築が建設され,その大半が25年前後で取り壊される現状があり,建築廃材の問題も含めて大きな問題となっている。木造住宅は他の構造と比べて床面積当りの炭酸ガス排出量(建設時)が約50%と環境負荷の少ない構造であるが,建替え年数を現在の3~4倍程度に延長することで,廃棄による環境負荷を劇的に減少し得るものと考える。建物寿命を延長するためには,その間に遭遇するであろう地震・台風等の自然災害に対して,損傷しないまたは極めて軽微な補修により継続使用が可能であることが重要である。平成7年1月の阪神淡路大震災では約18万戸の木造住宅の全半壊が報告され,取り壊された木造住宅は25万戸にもおよぶことが報告されている。倒壊を免れた建物も補修費用が一定水準を超えれば取り壊されることが明らかになった。本研究所における研究開発では,耐震ではなく,損傷を生じさせない損傷制御型の木造建築に多機能ダンパー等を用いる,また木造と他構造を混成させた木質ハイブリッド構造(ダンパー付加による変形制御)を提案し,その研究開発を基に実際の建築物としてのディテール・構造架構についての試行研究・試作建物の設計法を提案する。また,構造部材の再使用(リユース)を可能とするシステムの開発をすすめ,長寿命化の後に当該木造建物の建替えが容易に行える技術を研究開発する。加えて再使用が不可能な小部材,またはボード類については,リサイクルにより再度,ボードに再生させる技術について,用いられる接着剤等が自然素材のものとし,何回かの再生のうち,バイオマス燃料として利用可能な(北欧などで実績あり)木質材料の研究開発を行う。さらに,解体の方法により環境負荷に多大な影響を及ぼすことから部材の再使用化,リサイクル技術等による環境負荷評価について,新木造建築システムの評価を行う。上記の研究開発を組織的・具体的に実施するため,新木造建築システム総合研究所を設置する。 |
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研究者 | 所属 | 職 | 氏名 |
理工学部 | 教授 | 野口弘行 | |
理工学部 | 教授 | 洪忠憙 | |
理工学部 | 教授 | 平石久廣 | |
理工学部 | 教授 | 大亦絢一郎 | |
理工学部 | 教授 | 下坂陽男 | |
理工学部 | 教授 | 澤田誠二 | |
理工学部 | 教授 | 宮腰哲雄 | |
理工学部 | 助教授 | 高木仁之 | |
理工学部 | 助手 | 松岡太一 | |
理工学部 | 講師 | 小林正人 | |
研究期間 | 2004.4~2009.3 | ||
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