商学部 教育改革Project 105の内容

画像:商学部独自の協定校
ブレーメン経済工科大学(ドイツ)

 明治大学は、外国語教育の質や環境、留学生の受け入れ体制や国際連携、海外拠点の設置などの取り組みが評価され、2009年度からスタートする文部科学省の国際化拠点整備事業(「グローバル30」)の拠点大学の一つとして採択されました。明治大学には既に100を超える海外協定大学があり、なかでも商学部は4年で100人を超える留学生を受け入れるなど留学に関しては主導的な役割を果たしてきました。今後とも商学部は独自の海外協定校を開拓するとともに、留学の仕組みや教育内容、そして教員の学術交流の充実につとめていきます。

 こうした教育の国際化の流れに対応するためには、充実した語学教育が不可欠です。商学部では従来2年間で終わっていた語学教育を既に4年間一貫で展開していますが、今後は専門科目も英語で授業を行うことを視野に入れて、その教育内容についても国境の枠を超えて広く世界に発信できるシステムの構築をめざします。

 また、商学部には2年次から教養ゼミ(総合学際演習)と専門ゼミ(商学専門演習)の2つを同時に選択できるダブル・コアというシステムがあり、すでに学内外から高い評価を得ていますが、今後は英語で行う演習科目も設置していくほか、「特別テーマ実践科目」や「特別テーマ研究科目」との連携を密にしていくことで、さらに高い教育成果をめざしていきます。

学士力の基礎を強化する多面的導入プログラムの実施(初年次導入教育)

画像:商学部の主要な科目の内容をわかりやすく紹介

 2009年度から新しく、企業のトップ、新聞社の主幹、スポーツ選手、国際機関で働くOB、優れた懸賞論文で受賞した4年生など、学内外の様々な分野で活躍する人から直接講義を受ける「商学部アワー」を開催しました。参加した学生からは「商学という学問への興味を喚起され、明大商学部で勉強することの意味を見つけるきっかけになった」と好評を博しています。

 初年次導入教育科目としては、商学部では10年以上前から「基礎演習」「文章表現」といった少人数クラスの必修科目で、文章やレポートの書き方、プレゼンテーションの仕方、図書館の活用法などの指導を行ってきました。2009年度からはこれに加えて、新たに「商学入門」という科目を設置し、1年生に向けて「商学部ではどういうことを学ぶのか」といった内容の授業をオムニバス形式で展開して、初年次導入教育をさらに充実したものにしています。

 2003年には商学部の主要な科目の内容をわかりやすく紹介した『これが商学部!』という本を出版しましたが、その後の教育改革の成果を反映した改定版を2009年度中に出版する予定です。また、商学部では在学中にいろいろな分野の本に親しみ、様々な世界と出合い、新しい自分を見つけてもらいたいという思いから、全教員による推薦図書リスト「知の森へ」を1年生向けのものと2〜4年生向けのものに分けて作成しています。1年生全員に『これが商学部!』と「知の森へ」を配布し、商学部で学ぶ指針として活用してもらっています。

商学部長 横井勝彦教授インタビュー

専門教育、教養教育、語学教育をトータルに培い国際社会で活躍できる人材を送り出していきたい

 明治大学商学部は1904年に日本の私立大学としては初めての商科として誕生し、以来100年以上の伝統を誇っています。この間、カリキュラムの改革や2学科制を改めて商学科に1本化し7コース制を採用するなど、様々な改革を通じて教育内容の充実を図り、国際化や情報化などの時代のニーズに応えてきました。そして2004年の商学部創設100周年を機に、これまでの改革をさらに発展させる形で体系化しようということになったのです。

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