商学部の現場

CASE12

問題意識をもち
とことん理屈っぽく

賞状を手にした学生たち。達成感に満ちた表情から、
これまでの大変な努力が感じ取れる

ISFJ(日本政策学生会議)2013で千田ゼミナールの学生が見事に最優秀論文賞を受賞した。そう聞いたときは真面目なゼミが頑張っているな、と聞き流してしまったのだが、エピソードを聞いて驚いた。
一見、オーソドックスにみえる論文執筆の中にも、社会に提言していこうと考える学生たちの熱い現場があった。

分析と議論の積み重ね

政策提案における一番の関門は「テーマを決めること」。テーマが曖昧になってしまうと、政策についてOBや大学院生と議論する際に「何がしたいのかわからない」と言われ、そもそも議論にならない。今回優勝した土橋さんのチームは、班員がそれぞれアイデアを出し、多数決でテーマを決めようとした。
「サービス付き高齢者向け住宅」「年金格差」など、自分の意見が採用されるようにそれぞれ情報を集めて提案していったが、「それをチームで論文にする意味があるのか」と疑問に思う。

大舞台で緊張のプレゼンテーション

ふと、5人の意見の根本をみてみると「高齢化、高齢者の自立」という共通点があることに気づく。その共通点からもう一度議論をし、「高齢化時代におけるリバースモーゲージの普及にむけて」をテーマにすることにした。いちばん情報を集めた特定の個人の意見を採用するよりも、みんなの意見を合わせた方がより深い問題を抽出できるということに気づいた瞬間だった。

細部まで、最後まで

テーマを決めるにあたっての問題を乗り越え、論文を形にしていくプロセスでも苦労は続く。「このままだとISFJで上に行くには足りない、もう一つ何かが欲しい」。この千田先生の言葉を受けて、より一層論理的に、かつ自然で意味のある分析を加えるために、先行研究の調査をもう一度行うことに。なんと、頼りになるだろうと思って新たに集めた論文は、明治大学商学部の先生のものだった!その先生に直接話をして使えそうな論文のコピーをさらに何点か入手し、そこからもう一度分析を始めた。最終提出は提出締め切りの5分前。「提出できた時にはほっとしました」当時を思い起こした土橋さんの表情は明るかった。

経験を糧に将来へ

「ここまでやりきったと思える体験が出来たこと、また、自分の考えを社会に発信して、それが"認められた"と実感できることは、ほかには代えられない経験であり、今後の自信につながると感じました」。
一度培われた論理的な考え方や議論を重んじる意識は、どんな場所でも応用できるに違いない。

Editor

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