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  2. 商学部が「見える」インタビュー(商学部准教授 原頼利)

平成20年度 質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)地域・産学連携による自主・自立型実践教育とは?

特別テーマ実践科目について聞きました!

地域ブランド

商学部准教授 原頼利

―地域ブランドとは、どういう授業ですか?
2006年に地域団体商標制度がスタートし、地域名と商品名から成る商標登録が以前よりも容易になりました。この制度は、地域が主体となって推し進める特産物などのブランド化をバックアップし、地域経済の活性化の起爆剤として期待されています。これにより、各地域で「地域ブランド」に関するさまざまな取り組みが行われるようになりました。その中には、経営およびマーケティング上、非常に興味深いケースがあります。授業では、地域ブランド化に成功したいくつかの事例を調査します。実際に各地域へ出向き、地元の中小企業や商工会議所などを訪ねることで、地域ごとの“生きたビジネス”を学生たちには学んでもらっています。
―学生たちには、何を学んでほしいですか?
アイディアを生み出すクリエイティブ力はもちろん重要かもしれませんが、ビジネスを行ううえで本当に大切なのは、自分が持っているアイディアを他者に伝え、説得し、そして協力を得る力なんです。。人も企業も同じですが一人では何もできません。成功している地域ビジネスを見ていくとよくわかるのですが、どの地域にもプロジェクトのカギを握るキーマンがいるものです。そのような方々に共通して感じることは、地域に対する熱い思いや粘り強さはもちろんですが、論理的思考能力の高さです。論理的にモノ考え、人を説得する能力が、ビジネスにおいて如何に重要であるか、学生には理解してもらいたいと思います。
―この授業の成果は何かありましたか?
これまで下仁田ねぎで知られる下仁田や、餃子で有名な宇都宮市、また草津、山形など、さまざまな場所に出向き、各地域の取り組みを調べました。一番新しい調査対象は、山形県の「山形カロッツェリア研究会」です。これは、フェラーリのデザインなどを手掛けた山形出身の有名デザイナーを中心とし、地元の企業、県や商工会議所が一体となって、山形県の高い職人技を生かしたものづくりを行うプロジェクト。北イタリアの中小企業の元気がいいことから、そのビジネス・モデルを実践しているプロジェクトです。イタリア式のビジネス・モデルは近年注目を浴びてきました。大企業にはない強みがあります。学生にはさまざまなビジネス・モデルを知る良い機会となったと思っています。
―商学部の受験生へ向けてひと言お願いします。
明治大学の商学部は実学重視の伝統があります。しかし一方で、大学は物事の考え方を学ぶ場です。明治大学商学部は、ビジネスに関する理論と実践を同時に学ぶことができる貴重な場所だと思います。理論と実践の接合部分にこそ、本学部で学ぶおもしろさがあります。
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