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  2. 商学部が「見える」インタビュー(商学部准教授 富野貴弘)

平成20年度 質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)地域・産学連携による自主・自立型実践教育とは?

特別テーマ実践科目について聞きました!

金銭教育

商学部准教授 富野貴弘

―金銭教育とは、どういう授業ですか?
簡単に言うと、学生たちが小学校へ出向いて、世の中のお金の流れについての授業を行うというものです。授業の前半は教室で原価や利益、価格といった基本的な話をし、後半は学んだことをより深く理解してもらうため、イベントを行います。過去2年は浦安市の市民祭やスポーツフェスティバルで模擬店を出店し、小学生たちに実際に働いてもらいました。今年は子供向けのテーマパーク「キッザニア」のような空間を体育館に作り、模擬紙幣を使って楽しく学んでもらいました。
―学生たちには、何を学んでほしいですか?
人にものを教える難しさや楽しさを知ってほしいですね。実は物事を知るうえで一番の近道は、ほかの誰かに教えることなんです。そこで自分がよく理解していないことが分かってくる。そういうことも学生には分かってほしいと思っています。
 さらに、チームで授業構想を組み立てていくうえで、物事を組織で進める大変さやおもしろさ、組織としての問題解決のプロセスを学んでほしいと願っています。だから私は何もしません(笑)。私の仕事は何かあったときに謝るだけ。私が何かをすれば、このプロジェクトの意味がなくなってしまいますから。大切なのは学生たちが自分たちで考えて行動し、課題をクリアしていくことなのです。
―この授業の成果は何かありましたか?
最初、学生たちは戸惑っていました。何をどうすればいいのか分からず、意識の違いが出てきて組織的に混乱していきます。ところが授業方針などが決まってくると、何をやればいいのかハッキリしていき、誰が先生役をやるなど役割分担ができる。そして、今まで消極的だった学生が積極的になったり、助け合いの精神が生まれたりして、みるみるうちにまとまっていく。しかし、実際に小学校へ打ち合わせに行くと、プロの先生に厳しいことを言われて挫折する。そこで新たな課題が生まれていき、ますますこのプロジェクトにのめりこんでいく。そのプロセスを見ていると、学生たちが成長しているなということを感じます。
―商学部の受験生へ向けてひと言お願いします。
このプロジェクトは産学連携という形で、何かしら大学の外の世界と関わっています。それはすごく貴重な経験であり、このような授業を通して社会人としての基礎体力をつけ、社会に出られるということは意味の深いことだと思います。
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