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理工学研究科

中川大輝さん(応用化学専攻博士前期課程1年:指導教員 相澤 守 教授)が第27回無機リン化学討論会で若手優秀研究発表賞を受賞しました

2018年09月06日
明治大学 理工学部事務室

受賞名:若手優秀研究発表賞
学会名:第27回無機リン化学討論会
開催地:愛知県春日井市(中部大学)
開催日:2018年8月30-31日(発表日:8月30日)
発表者:○中川大輝, 木造理萌子、加々見早苗、永井重徳、相澤 守
演題:反応焼結法によるホウ素含有アパタイトセラミックスの作製とその免疫細胞応答性

<内容>
理工学研究科応用化学専攻生体関連材料研究室(相澤守教授)では、新しいがん治療として注目されている「養子免疫療法(細胞免疫療法)」に有用な「免疫系に積極的に働きかけるバイオセラミックス」の研究に取り組んでいます。
「養子免疫療法」は、患者自身の免疫細胞を体外で培養・活性化し、再び患者の体内に戻すことによりがんを治療する方法であり、副作用が少ないなどの利点から近年注目されています。これまでに材料自身が免疫系に働きかけるセラミックスとして、ホウ素含有アパタイト(BAp)の創製に成功していますが、セラミックス作製時に一部分解するという課題が残されていました。本発表では、そのBApセラミックスの原料粉体の合成方法を見直し、化学量論組成のBApセラミックスを得ることに成功しました。それらのBApセラミックスに対する免疫細胞の応答性を調査したところ、がん治療に有効なキラーT細胞およびヘルパーT細胞の細胞比率を従来のものよりも約2-3倍も増大させる効果があることが分かりました。
上記の研究成果が認められ、今回の若手優秀研究発表賞の受賞につながりました。なお、日本無機リン化学会はリンを含有する無機物質およびそれに関係する物質に特化した学会であり、無機リン化学討論会は今回で27回目を数えます。なお、この研究は、東京医科歯科大学との共同研究であり、科研費(H27-H29;基盤研究B)、重点研究B(H30-)および明治大学「生命機能マテリアル研究クラスター」研究の一環として実施されました。

関連ホームページ:
日本無機リン化学会  http://www.jaipc.jp/
応用化学科 相澤研究室 http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/
明治大学生命機能マテリアル研究クラスター http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/cluster/ 

明治大学大学院