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理工学部

伊東莉菜さん (理工学研究科応用化学専攻博士前期課程2年・相澤守研究室) が国際学会で受賞しました

2018年11月06日
明治大学 理工学部事務室

ポスター賞の賞状ポスター賞の賞状

受賞名:Student Award of Outstanding Poster Presentation

学会名:30th Symposium and Annual Meeting of International Society for Ceramics in Medicine (BIOCERAMICS 30)

開催地:名古屋大学・豊田講堂

開催日:20181026-29

発表者:R. Ito, T. Yokota and M. Aizawa(伊東莉菜、横田倫啓、相澤 守)

演題:In vitro evaluations of cation-substituted hydroxyapatite ceramics fabricated by ultrasonic spray-pyrolysis process using osteoblasts(超音波噴霧熱分解法により作製した陽イオン置換型水酸アパタイトセラミックスの骨芽細胞を用いたin vitro評価)

内容:

現在、整形外科分野では「自家骨移植」がゴールデンスタンダードとなっています。理工学研究科応用化学専攻生体関連材料研究室 (相澤守教授) では、その自家骨に匹敵する骨形成能を持った「次世代型人工骨」の創製に取り組んでいます。

ヒトの硬組織を構成している主な無機成分は水酸アパタイトであり、それには多くの微量元素が含まれています。我々はこれまでに生体骨に多く含まれる 6 種類のイオンを水酸アパタイト(HAp)に置換させた「骨ミネラル含有アパタイト (Bone HAp) 」を作製し、そのセラミックスをウサギ脛骨に埋入したところ、純粋なアパタイトと比較して約1.5倍もの骨形成率を示すことを明らかにしています。

本研究では、Bone HApセラミックスのもつ高い骨形成能の成因を探るため、3種類の陽イオン (Na+, K+, Mg2+イオン) を一種類ずつ置換した陽イオン置換アパタイトセラミックスを作製し、骨芽細胞を用いて細胞培養試験を行ないました。より具体的には、セラミックス上に骨芽細胞を播種し、その細胞が産生するアルカリフォスファターゼ活性(骨芽細胞の分化を調べるためのタンパク質)を測定しました。その結果、Mg2+イオンを置換したHApが骨芽細胞の分化を促進することを明らかにしました。

この研究成果が認められ、BIOCERAMICS 30 において、Student Award of Outstanding Poster Presentationの受賞につながりました(学生による発表77件中10件が受賞)。BIOCERAMICS 30は、バイオセラミックスに特化した世界唯一の国際会議であり、本年で30回目を迎えます。その参加者は世界各国の材料や分子生物学など専門とする基礎的な研究者から臨床研究を行う医者まで非常に多岐に渡ります。なお、この研究は明治大学「生命機能マテリアル研究クラスター」の一環として実施されました。

 

関連ホームページ:

BIOCERAMICS 30  http://www.bioceramics30.org/

応用化学科 生体関連材料研究室(相澤研究室) http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/

明治大学生命機能マテリアル研究クラスター http://www.isc.meiji.ac.jp/~a_lab/cluster/

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