ユビキタス教育

アルゼンチン・ブラジルの大学・日系企業を視察しました

2014年04月28日
明治大学 ユビキタス教育推進事務室

ラプラタ国立大学の皆さんとラプラタ国立大学の皆さんと

ラプラタ国立大学のキャンパスラプラタ国立大学のキャンパス

ラプラタ国立大学 ビデオカンファレンス用教室ラプラタ国立大学 ビデオカンファレンス用教室

サンパウロ大学 キャンパス内サンパウロ大学 キャンパス内

リオブランコ大学 スタジオリオブランコ大学 スタジオ

FAAP大学 キャンパス内FAAP大学 キャンパス内

FAAP大学 プレゼンする中林教授FAAP大学 プレゼンする中林教授

サンパウロ技術大学 キャンパス内サンパウロ技術大学 キャンパス内

サンパウロ技術大学の皆さん・リオブランコ大学上原先生とサンパウロ技術大学の皆さん・リオブランコ大学上原先生と

ユビキタス教育推進事務室では、高等教育機関における新たな情報通信技術(以下、ICT)や情報通信サービスの利用を推進するため、国内外の教育機関や関連企業、展示会等を視察・調査を実施している。
今回、テレビ会議システムを利用したビデオカンファレンスで以前から交流のあるアルゼンチン・ブラジルの大学を訪問するとともに、両国の教育に関する諸環境の調査を実施するため、現地日系企業にも訪問した。
今回の訪問は、3/17~24の日程で商学部・中林真理子教授のアルゼンチン・ブラジル訪問に同行し、ビデオカンファレンス関係のミーティングを含め、国際交流・学生交流などについても知見を深める視察となった。

アルゼンチン視察(ラプラタ国立大学)

ラプラタ国立大学(以下、UNLP)は、1897年に設立された17学部を擁する国立の総合大学である。定期的に本学とビデオカンファレンスを使った交流もあり、教員・学生間の交流も盛んである。
今回の訪問では、遠隔教育を担当する部署でミーティングを実施した。UNLPでは、「WebUNLP」という名称でMoodleベースのeラーニング環境を整備しており数万人規模の学生が利用している。教材の制作やシステムの運用には訪問した遠隔教育担当部署の12名のスタッフの他に各学部から3名程度の教員が参加し、全学的な体制でICTを活用した教育環境を整備している印象を受けた。興味深い取り組みとしては、eラーニングの教材を作る前に、受講生としてeラーニングを経験するための教員向けコースがあることや教員が制作したeラーニング教材を大学側で買い取る仕組みを導入することなどが挙げられる。また、UNLPでは全てをeラーニングで行うわけではなく、対面授業を併せて実施するブレンド型学習(Blended Learning)を基本としている。アルゼンチン国内においては、コルドバやパタゴニア地方では全てをeラーニングのみで実施する大学もあるとのことである。
その他、UNLPはラテンアメリカ大学協会で実施する「CAVILA(Latin American Virtual Campus)」に参加するなどラテンアメリカ(特にスペイン語圏)において、eラーニングや遠隔教育の推進に中心的な役割を担っている。

ブラジル視察1(サンパウロ大学、リオブランコ大学、FAAP大学、サンパウロ技術大学)

ブラジルの各大学の視察においては、リオブランコ大学、サンパウロ技術大学において、遠隔教育やeラーニング担当者とミーティングを実施した。また、FAAP大学においては、アルゼンチンのラプラタ国立大学と同様に本学学生と定期的にビデオカンファレンスを実施しており、その担当者とのミーティングや学生交流プログラム(定期的に実施されているFAAP学生の本学訪問プログラムなど)のFAAP学生向け紹介イベントに参加した。

リオブランコ大学は、主に昼間働いている社会人向けに朝・夕の時間帯に授業を実施している大学であり、eラーニングや遠隔教育への取り組みにも力を入れている。同大学のeラーニングシステムは、MoodleをベースにFacebookやYouTube、Blog等を活用して構築し、現在は12人の教員が20のコースを実施している。教材はほぼ全て担当教員自らが制作し、当初5年間は大学が権利を保持して運用している。eラーニング・遠隔教育の担当部署には、インストラクショナル・デザインの専門家を擁し、授業設計・教材設計をサポートしている。この点も含め、大学内に教材撮影用のスタジオが整備されていることなど、本学の取り組みと共通する部分も多くあった。また、リオブランコ大学では、通常の対面授業においてもMoodleを利用しているとのことである。
その他、欧米や日本の教育業界で大きく取り上げられている大規模公開オンライン講座(MOOC)については、ブラジル国内では、数校の大学が始めたばかりで、まだ大きな流れとなっていないとのこと。また、反転授業(Flipped Classroom)については、高等教育よりも中等教育で多く実施されているとのことである。

サンパウロ技術大学においては、eラーニングに関する利用者とコストの関係や教材制作、システム運用についてミーティングを実施した。日本の環境と違う点として、各家庭のインターネット環境が万全ではないため、学生がeラーニングを受講するためのPoloと呼ぶ施設をサンパウロ市内で19箇所整備している。学生はeラーニングを受講するためにその施設に通うこととなる。システムは、ここでもMoodleがベースとなっているが、その理由としてはオープンソースであること、カスタマイズが安価で行えることだとのこと。
また、重要な点として、eラーニングで受講する学生もその最終試験は対面で受験することがブラジルの法律で決められているため、実質的にはブラジル国内(サンパウロ近隣の地域)に居住する学生がほとんどである。

ブラジル視察2(日立ブラジル社、南米新日鉄住金、ブラジル三井物産、ブラジル日本商工会議所)

今回の視察においては、大学だけではなくブラジルに進出している日系企業を訪問し、ブラジルの教育をめぐる様々な環境や実際にブラジルでビジネスをしている立場として日本との違いなど、貴重な意見を聞くことができた。
とりわけ、ビジネスとしての大学経営について、ブラジルと日本では大きく考え方が違うということを感じた。関連して、公立大学と私立大学の社会における役割や立場の違いについて、高等教育機関の話にとどまらず、初等中等教育に関する部分まで聞くことができた。
また、企業として学生を受け入れる立場での話や研修制度の話など、多岐にわたる意見交換ができ充実した視察となった。


今回の視察に多大なるご協力を賜りましたサンパウロ大学二宮正人先生、ラプラタ国立大学Cecilia Onaha先生、リオブランコ大学Alexandre Ratsuo Uehara先生、FAAP大学Helio Micheini Pellaes Neto先生ほかご説明いただいた先生・スタッフの皆様、
また、日立ブラジル社副社長金田様、ブラジル日本商工会議所平田事務局長ほか企業の皆様、現地でのコーディネートや視察先への案内など、大変お世話になりました。
訪問させていただいた各大学・各企業の皆様の温かいおもてなしに、あらためて感謝申し上げます。

今後もユビキタス教育推進事務室では、ICTを活用したより良い教育環境を提供していくため、国内・海外問わず、多くの教育機関や企業と交流を広めていきます。

問い合わせ先

明治大学 教育支援部 ユビキタス教育推進事務室
TEL:03-3296-4459 FAX:03-3296-4525

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