文学研究科

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研究科長あいさつ

文学研究科へようこそ

文学研究科長   野田 学



 「文学研究科」というと、なんだかお気楽に聞こえるかもしれません。「文学は実学ではない」「大学院まで行って虚学をやるなんて」という人もいるでしょう。
 しかし、それでは「実学」とはなんでしょうか? たとえば世の中でもっとも「実」だと思われているものはなにか? それは「お金」でしょう。しかしお金は食べられますか?
 そう。お金は世の中で流通している記号や象徴——つまり実物ではないもの——の最たるものです。そして文学(文学研究科のカバーする領域からいうと人文社会科学というのがむしろ正しいのでしょうが)は、「(広い意味での)象徴を用いる生きもの」としての人間のあり方を研究します。その意味で、「文学研究科」における研究は、他のほとんどの学問領域を横断できるくらい、広いのです。
 私は主に英文学を専門としています。学部では人文系とは違う分野を学んでいましたので、大学院で「文学」の研究をはじめたときには、字句の徹底的な調べ方から、抽象的な理論の展開にいたるまで、色々なことが新しかったのを覚えています。ただ、それでも学部時代に学んだこと(私の場合は法学)は、いまだに自分の思考のそこここに、かすかにではありますが息づいているようです。「結局は《言葉を用いる人間》を扱う学問であることに変わりはないんだ」という思いは変わっていません。
 「文学」研究科は、人文社会科学の幅広い分野を対象とする9つの専攻から構成されています。日本文学、英文学、独文学、仏文学、演劇学、文芸メディア、史学(日本史学・アジア史・西洋史学・考古学の4専修)、地理学、臨床人間学(臨床心理学・臨床社会学の2専修)の各専攻があります。
 大学院レベルになると、専門性を獲得するために、基礎トレーニングを一からやり直すことから始めます。しかし大学院はつまるところ、「教わるところ」ではありません。むしろ大学院からは、自分が獲得した専門分野における知識や発展が、自分の身の回り——はては世界——にいかに適合可能であるかを、自分の頭と手足で探す場所です。汎用性とまではいかないまでも、応用可能性がない専門は意味がない——このことを、教員や院生とともに、しかしあくまで主体的に探っていくのが、大学院でやることなのです。
 そのために、わが文学研究科ではさまざまなユニークな取りくみを行っています。専攻・専修を異にする複数の教員と博士課程大学院生が共同で運営する「文化継承学」。古代学関係の専攻・専修では、博士前期課程大学院生による分野横断的授業もあります。それは隣接分野への関心を高め、広い視野をもつ人材の育成を行うためです。昨年度、当文学研究科からは、新井崇之さんが、中国史、美術史、そして考古学を横断する論文で日本学術振興会の育志賞を受賞しています。
 進路を見てみると、大学院を出れば、学部卒と比べてより高い専門性が求められる部門に進む比率が高まります。大学院博士前期課程修了者の場合、その約半数が大学職員、中高教員、都道府県教育委員会、国および地方自治体に職を得ています。さらに博士後期課程で学位を取得する方が近年は毎年ほぼ2ケタに達し、データによれば近年その半数が大学専任教員などの研究職に就いています。これは非常に高い率です。
 東京の中心という地の利を活かして、近くの書店街のみならず、周辺にあるいくつもの博物館・美術館・文書館・文学館・劇場をすぐにでも活用できるのはわれらが文学研究科の大きな強みです。われらが文学研究科は、人文社会科学という知的空間の真っただ中にあると言ってもよいくらいです。
 大学の真の理想とは、人間の知の地平を一歩でも先にすすめることです。その意味で、大学院とは、真の「大学人」としてのスタートを切る場所でもあります。私たちは、今このページを読んでいるあなたを全力で支援します。来たれ、われらが「人間知」の世界へ。

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