大学院では、自分が何の研究をしたいか、を明確にすると同時に、指導を希望する先生がどういう研究をしているのか正しく理解することがミスマッチを防ぐために重要です。大学院の受験を希望する皆さんから進学相談会で、「先生は何の研究をしていますか」と質問されることが多いので、ここでは私の研究について簡単に紹介したいと思います。
私の専門は、現代アメリカ政治です。そう聞いても明治大学情報コミュニケーション学部出身者で私の授業を1科目でも履修したことのある皆さんは驚かないと思います。しかし、留学生の場合は、驚く人が多いようです。大学院での研究というのは、研究の土台、柱になるものが何であるのか、ということがとても重要です。私の研究の土台には、現代アメリカ政治研究があり、その上で通信・放送に関する政策研究に目を向けています。博士論文ではアメリカのユニバーサル・サービス基金の改革に注目して、テレコミュニケーション政策過程の変容に関する研究を行いました。博士号取得後の2009年からは新しい研究テーマとして、ブロードバンドやソーシャルメディアが普及することで、アメリカの選挙がどのように変わっていくのか、という問題関心を持つようになり、国内外の研究者とともにインターネット選挙運動の国際比較研究を長年推進してきました。また、インターネット選挙運動の国際共同研究から発展して、フェイクニュース現象についても研究を行いました。2014年秋から2年間はワシントンD.C.にあるジョージタウン大学で在外研究の機会に恵まれたのですが、その時に培った人的ネットワークは、コロナ禍でアメリカへの渡航が難しい時期にも海外の研究者との研究交流活動の継続に大いに役立ちました。
明治大学大学院情報コミュニケーション研究科内では、鈴木健先生と現代アメリカ研究プロジェクトを立ち上げ、2020年、2021年、2022年、と研究科フォーラムを開催しました。
研究科フォーラムの開催報告を私の研究分野の参考資料として下記の関連リンクからご覧ください。
教育面では、私は講義科目である専門研究(現代政治学)と演習科目を担当するほかに、2023年度からは他研究科の先生方の協力も得て、「学際的なアメリカ研究」(研究科間共通科目の学際系総合研究A)というオムニバス授業のコーディネーターを務めています。本研究科で私の研究指導を希望する方は、研究科の進学相談会を活用してください。個別相談の機会があります。また、博士後期課程への進学を目指す方は、進学相談会以外にも、事前に大学院事務室を通して個別相談を受けることを推奨します。