バイオエコノミー(秋学期)

授業の概要・達成目標

生物資源の利活用の実態や求められる持続可能な開発目標,ゲノム情報をはじめとした大規模解析の産業への利活用の実態,機械学習などによる大規模データからの知識抽出とその産業利用,育種や品種改良における研究開発の現場など、実践的な講義内容を通して学ぶとともに、ゲノム編集作物など技術進歩に対する社会意識なども学習し、社会に求められるバイオ産業・技術に対する戦略的思考を学ぶ。またバイオビジネスの根底にある経済原理の基礎や、経営に必要な資金調達、株式上場などの技術論を学ぶとともに、バイオビジネスの成功事例や失敗事例、バーチャルカンパニーの経営シミュレーションなどを通じて社会におけるバイオビジネスの成立要件を学習する。これらを通し、将来のキャリアパスを見据えた産業化または社会実装に対する戦術眼を養う。
単位数 講義:2単位。

教員メッセージ

山本 英司さん

山本 英司 農学研究科特任講師 国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に代表されるように、"研究"はその学問分野だけでなく人類社会の持続性や発展に貢献することが求められています。「バイオエコノミー」では研究開発と社会との関わりの実態を知ってもらうため、民間企業や公的機関の研究開発部門で活躍中の先生方を講師にお迎えし、研究の内容だけでなく、その成果をどのように企業利益や社会発展に繋げているのかについてセミナーを行って頂きます。タイトルが「"バイオ"エコノミー」とあるように、医療や農業などの"生命科学"が話題の中心となりますが、その内容は計算機科学や企業運営、さらには科学教育・普及活動まで幅広くカバーしています。将来の目標や方向性を見つけるために参加しても構いませんし、自分の専門分野以外に対する見聞を広めるために参加しても構いません。是非、様々な研究科の学生の積極的な参加をお待ちしております。

学生メッセージ

  • 加藤史泰さん

    農学研究科 生命科学専攻 M1加藤史泰

    就活の参考になるかも、と思い履修しました。ビジネスの場の最前線で活躍されている講師の先生方のお話を受け、研究を学術的側面からだけでなく「社会にどのように貢献できるのか?」や、「ビジネスでの立ち位置は?」といった社会的側面からも考える良い機会になったと思います。また、自身の研究と社会との関わりについて発表する機会もあり、数理系研究科の学生向けの講義ということで、ある程度バックグラウンドを共有した上で普段とは少し違った視点の意見がもらえるのも魅力の一つだと感じました。

  • 持田菜々美さん

    農学研究科 生命科学専攻 M1持田菜々美

    大学院生として科学と関わっていくにあたり、広い視野を持てるようになりたいと思い、本講義を受講しました。自身の専門領域とはかけ離れている故に、理解が難しい内容もありましたが、長年「研究」というものに携わってきた先生方が、どのような考え方を持って研究を展開してきたか、といったお話を聞けて、非常に勉強になりました。研究結果について聞けることはあっても、研究過程についてお話を聞ける機会は少ないと思います。この機会を活用して新しい考え方を吸収してみてはいかがでしょうか。

学年は、受講当時(2020年度)のものです