
材料開発とデータサイエンス(春学期)
授業の概要・達成目標
本講義では、まず前半で社会実装されている各材料について概説する。具体的には、材料を形成する「物質」について説明し、ついで物質から創製される「材料」を素材(セラミックス・金属・ポリマー)と用途(バイオマテリアル)に区分して概説していく。後半は、物質や材料の理解を深め、さらに材料設計および物性予測に係わる手法として有用な「計算科学」について講義を展開する。計算科学の単元では、ミクロおよびマクロな視点に区分して講義を進める。PCを利用する場合もある。本講義は、応用化学を専門としない大学院生が物質や材料に係わる理解を深めるとともに、計算科学手法による分子や材料の設計に関する導入科目として位置付けている。本講義の到達目標は、「物質・材料の理解の深化」である。
単位数講義:2単位。
教員メッセージ

萩原健太 理工学研究科 特任講師 「材料開発とデータサイエンス」は「物質・材料の理解の深化」を到達目標とした大学院研究科間共通科目です。4名の教員が講義を担当し、材料の性質や用途から材料設計、物性予測に使われる計算科学まで、幅広く物質・材料について学ぶことができる、化学とデータが融合した講義内容になっています。前半は社会実装されているセラミックスや金属、ポリマーなどの材料について素材と用途に区分して講義し、後半は物質をミクロ~マクロな視点から捉える分子シミュレーションやデータサイエンスに基づく材料設計などの計算科学について講義していきます。物質や材料に関する理解を深めるとともに、計算科学手法による分子・材料の設計に関する導入科目となっていますので、これまで応用化学を専門に学んできていない大学院生にもぜひ受講してもらえればと思っています。
学生メッセージ
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理工学研究科応用化学専攻 M2中澤祐介
この授業の最大の特徴は、多角的な視点から化学の本質を知ることができる点です。研究室に配属されると、化学分野の各専門的な知識は深まりますが、一方で全体が見えにくくなります。その時にこの授業を通じて物質から材料の流れを知り私自身、研究のモチベーション向上にも繋がりました。またこの授業は、4名の先生が講義をしてくださるため、いろいろな視点から化学を知ることができます。化学って何だろう? 化学の役割は? という疑問を持つ人におすすめです。
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理工学研究科応用化学専攻 M2影山柊斗
この講義では素材を材料として使うのに重要な物性や特性を学べるだけでなく、近年注目されているシミュレーションやデータサイエンスの基礎知識や考え方についても学べます。自身の研究室以外の研究に触れることができ、自身の研究の活かし方を考える良い機会になりました。また、理系であれば深い化学の知識がなくても理解できる内容だと思います。分子レベルのよりミクロな視点で物質について考えたい方や材料を扱うような企業に就職を考えている方は専攻を気にせず受講してもらいたいです。
学年は、受講当時(2020年度)のものです