
ライフサイエンスデータ解析(春学期)
授業の概要・達成目標
ビッグデータ時代の到来により、データを効率的かつ効果的に解析し、得られた結果を適正に解釈する能力の需要が高まっている。この講義ではデータの特徴を理解するための様々な解析方法や結果の示し方について学ぶ。前半はデータ解析の基礎となる統計について解説し、後半は野外で得られた動物の生態データや行動データを使いながら、実際にパソコンを使った解析方法を示す。
まずはデータの扱いに慣れることを目指す。そして、データを解析する際の考え方や基礎的な解析手法を修得し、各自が研究で扱うデータに学んだ内容を応用できるようになることを目標とする。
単位数講義:2単位。
教員メッセージ

山本 誉士 研究・知財戦略機構特任准教授 計測機器の発展や情報システム基盤の普及によって、一昔前に比べて、私達の日常には「データ」が多く存在します。また、昨今のコロナ禍において、データ(エビデンス)に基づく意思決定の重要性も感じたことと思います。情報分野のみならず、農学や理学、社会学など様々な分野においても、データを効率的かつ効果的に解析し、得られた結果を適正に解釈できる素養が求められつつあります。しかし、データの解析や統計に対して、漠然とした苦手意識をもつ学生もきっと多いでしょう。理論だけでは実際の解析の仕方がわからない、一方で解析ソフトなどの使い方だけでは解析内容が理解できない。そこで、この授業では内容の解説に加え、各自が実際に手を動かして解析することで、理解が深まるようにしています。これまでデータ解析にあまり馴染みのない学生はデータの扱いに慣れること、そして現象を数値として捉える思考を養うことを目指します。一方、データ解析に比較的馴染みのある学生は、解析によって得られた結果の位置づけと意義を考える力を養うことを目指しています。文系理系問わず、ぜひ気軽に受講してください。
学生メッセージ
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理工学研究科 応用化学専攻 M1水野宏彦
私は、この講義の分野に関する知識がほとんどなく講義についていけるか不安でしたが、私のようなデータの扱いに慣れていない受講者でも説明がわかりやすいため、理解することができました。また、講義で生じた疑問も丁寧に教えていただけたので、すぐに解消することができました。この講義の良い点は様々な研究科の学生の研究を知ることができる点だと思います。この講義を通して、異分野の研究を知ることができ、大きな刺激になりました。
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農学研究科 生命科学専攻 M2生田実久
受講前は統計学や機械学習について学んだことがありませんでしたが、動物の動的モデルなどの生命科学分野をはじめ、他の分野や社会問題解決の為に役立つ学問であることを知り興味深いと感じました。プログラミングやデータの扱いの経験が少ない私でも、分かりやすい説明があるため理解を深めることができました。また研究科間共通科目であることから、普段は関わりの少ない他学科の学生からも刺激を貰える良い機会となりました。
学年は、受講当時(2020年度)のものです