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明治大学体育会スキー部(スポーツ編)

過去の部旗

2020.10.

栄光のシュプール——明治大学体育会スキー部の軌跡
 
 大久保賢司
 
 1925(大正14)年の春。山岳部の中でスキーの技を磨いていた5人(馬場忠三郎、石川忠義、遠藤久三郎、千葉毅、明珍勝男)らは、小樽出身の新入生2人(長野七亮、宮川恒夫)を迎え胸を弾ませた。「これで北大、早大と戦えるぞ!」。
 5人は大きな悩みを抱えていた。出場を目指す全日本スキー大会(1923年開始)の競技がノルディック種目の純ジャンプとクロスカントリーに限られていたからだ。ノルディックは当時、北海道や樺太を中心に急速に広がっていたが、信越地方ではレルヒ中佐以来のオーストリー流が浸透していた。道産子の千葉以外ノルディックスキーに縁のなかった明大のスキーヤーは、早くからこの種目に取り組んでいた北大と早大の圧倒的な強さに歯ぎしりせざるを得なかったのである。(アルペン種目は1936年の第15回大会から採用)。ノルディックスキーが最も盛んな小樽から二人が入学したのはそんな時だった。「これからが本当の勝負だ!」明治大学で17番目の競技部「スキー部」は、闘魂の中から誕生したのである。
 大正天皇崩御による1年間の喪(競技会自粛)が明けた1928(昭和3)年明大は大鰐で開かれた第1回全日本学生スキー選手権で北大、早大、法大に次いで総合4位だった。だが信越地方にもノルディックが普及、人材の強化が進んだ8年後の第9回米沢大会では念願の総合初優勝を遂げた。現在(第93回=2020年)までに総合優勝17回(2度の4連覇を含む)種目優勝130回。さらに第1回大会からの全大会を1部校として戦い続けてきた唯一の大学として存在感を示している。
 オリンピックへは第3回レークプラシッド大会(1932年)に4年生の栗谷川平五郎を送り出して以後、23回平昌大会(2018年)に複合チームとして参加した渡部剛弘まで、現役OB合わせて23人の代表者を送り出した。第11回札幌オリンピック(1972年)の70メートル級ジャンプで金銀銅を独占した快挙は、明大OBの力が最も発揮された瞬間でもあった。冬季五輪史上日本人初の金メダルを獲得した笠谷幸生(1967年卒)銅メダル青地清二(1965年卒)。そして綿密な計画で選手を鍛え日本チームを世界最強に仕上げたのは、笠谷昌生(1957年卒)コーチだったのである。この後、第16回アルベール大会(1992年)複合の団体戦で三ケ田礼一(1989年卒)が金。第17回リレハンメル大会(1994年)ラージヒル団体で西方仁也(1991年卒)が銀。明大OBは金2銀1銅1の戦果をあげている。
 中野区の閑静な住宅街の一角に建つ明治大学体育会スキー部合宿所。2013(平成25)年旧合宿所の跡地に新築された鉄筋3階建ての1階トレーニングルームには、ここで鍛える選手たちを励ますべく、古い旗が飾られている。パネルで固定され、かろうじて原型を留める紫紺の布地の真ん中にMの文字。スキー部設立の礎となった長野七郎OBが、長年大切に保存してきたのを没後に遺族から贈られたものである。90年以上も昔の雪原にたなびいていた初代の部旗であり、この旗を掲げた競技者の精神は途絶えることなく、明治大学体育会スキー部に受け継がれて来たのである。

体育会スキー部出身のオリンピック・世界選手権 日本代表選手
オリンピック

氏 名

入学年

種   目

成績

〇 第3回(1932年)レークプラシッド:アメリカ

栗谷川平五郎

1928(昭和 3

クロスカントリー 18キロ

12

栗谷川平五郎

1928(昭和 3

ノルディックコンバインド

20

〇 第6回(1952年)オスロ:ノルウェー

 山本謙一

1941(昭和16

クロスカントリー 15キロ

22

 藤沢良一

1947(昭和22

クロスカントリー 15キロ

61

 藤沢良一

1947(昭和22

ノルディックコンバインド

14

 藤沢良一

1947(昭和22

ジャンプラージヒル

34

 川島弘三

1946(昭和21

ジャンプラージヒル

42

〇 第7回(1956年)コルティナ・ダンベッツォ:イタリア

 佐藤耕一

1951(昭和26

ジャンプラージヒル

39

 佐藤耕一

1951(昭和26

ノルディックコンバインド

33

〇 第8回(1960年)スコーバレー:アメリカ

 落合力松

1926(大正15

コーチ

 

 栗田栄治

1957(昭和32

クロスカントリー 15キロ

45

 栗田栄治

1957(昭和32

クロスカントリー 30キロ

39

 栗田栄治

1957(昭和32

クロスカントリー 50キロ

27

 栗田栄治

1957(昭和32

クロスカントリー リレー

10

 吉田力雄

1959(昭和34

ノルディックコンバインド

(17位前半)

 江遠要甫

1957(昭和32

ノルディックコンバインド

15

 菊地定夫

1952(昭和27

ジャンプラージヒル

15

 佐藤耕一

1951(昭和26

ジャンプラージヒル

22

 江遠要甫

1957(昭和32

ジャンプラージヒル

25

武田 孝

1958(昭和33

アルペンスラローム

33

 武田 孝

1958(昭和33

アルペンジャイアントスラローム

44

〇 第9回(1964年)インスブルック:オーストリア

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプノーマルヒル

23

 菊地定夫

1952(昭和27

ジャンプノーマルヒル

26

 江遠要甫

1957(昭和32

ジャンプノーマルヒル

27

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプラージヒル

11

 江遠要甫

1957(昭和32

ジャンプラージヒル

44

 菊地定夫

1952(昭和27

ジャンプラージヒル

47

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンダウンヒル

45

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンスラローム

23

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンジャイアントスラローム

25

〇 第10回(1968年)グルノーブル:フランス

 山本謙一

1941(昭和16

コーチ

 

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプノーマルヒル

23

 浅利正勝

1964(昭和39

ジャンプノーマルヒル

47

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプラージヒル

20

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプラージヒル

26

 板垣宏志

1964(昭和39

ノルディックコンバインド

10

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンダウンヒル

54

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンスラローム

 

 福原吉春

1960(昭和35

アルペンジャイアントスラローム

50

〇 第11回(1972年)札幌:日本

 笠谷昌生

1953(昭和28

コーチ

 

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプノーマルヒル

1

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプノーマルヒル

3

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプラージヒル

7

 板垣宏志

1964(昭和39

ジャンプラージヒル

19

 澤田久喜

1966(昭和41

ジャンプ

 

〇 第12回(1976年)インスブルック:オーストリア

 海野 明

1959(昭和34

派遣役員

 

 菊地定夫

1952(昭和27

コーチ

 

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプノーマルヒル

16

 板垣宏志

1964(昭和39

ジャンプノーマルヒル

20

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプラージヒル

17

 板垣宏志

1964(昭和39

ジャンプラージヒル

33

  13回(1980年)レークプラシッド:アメリカ

 渡部絹夫

1968(昭和43

本部要員

 

 八木 博

1950(昭和25

コーチ

 

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプノーマルヒル

4

 川端隆普実

1973(昭和48

ジャンプノーマルヒル

29

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプラージヒル

10

 川端隆普実

1973(昭和48

ジャンプラージヒル

32

  14回(1984年)サラエボ:ボスニアヘルツェゴビナ

 落合力松

1926(大正15

監督

 

 笠谷幸生

1963(昭和38

コーチ

 

 田中隆博

1980(昭和55

ノルディックコンバインド

20

  15回(1988年)カルガリー:カナダ

 海野 明

1959(昭和34

コーチ

 

 笠谷幸生

1963(昭和38

コーチ

 

 古田修一

1968(昭和43

コーチ

 

 小野幸男

1969(昭和44

エキストラオフィシャル

 

 田口民夫

1964(昭和39

エキストラオフィシャル

 

 工藤哲史

1976(昭和51

公開競技(スキー・フリースタイル)

 

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド

36

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド団体

9

  16回(1992年)アルベールヴィル:フランス

 海野 明

1959(昭和34

アルペン監督

 

 渡部絹夫

1968(昭和43

ジャンプコーチ

 

 小野幸男

1969(昭和44

エキストラオフィシャル

 

 秋元一広

1973(昭和48

エキストラオフィシャル

 

 三ケ田礼一

1985(昭和60

ノルディックコンバインド

34

 三ケ田礼一

1985(昭和60

ノルディックコンバインド団体

1

  17回(1994年)リレハンメル:ノルウィー

 笠谷幸生

1963(昭和38

副団長

 

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプノーマヒル

8

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプラージヒル

8

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプラージヒル団体

2

 三ケ田礼一

1985(昭和60

ノルディックコンバインド

 

  18回(1998年)長野:日本

 成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインドコーチ

 

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインドコーチ

 

  19回(2002年)ソルトレークシティ:アメリカ

 成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインドコーチ

 

  20回(2006年)トリノ:イタリア

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ監督

 

 横川朝治

1985(昭和60

ジャンプコーチ

 

 成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインドコーチ

 

  21回(2010年)バンクーバー:カナダ

 成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインド監督

 

  22回(2014年)ソチ:ロシア

 横川朝治

1985(昭和60

ジャンプコーチ

 

 成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインド監督

 

  23回(2018年)平昌:韓国

 横川朝治

1985(昭和60

ジャンプコーチ

 

 岡崎 靖

1987(昭和62

スノーボード監督

 

 渡部剛弘

2012(平成24

ノルディックコンバインド

 


世界選手権

氏 名

入学年

種   目

成績

● 1954年 ファールン:(SWE:スウェーデン)

 藤沢良一

1947(昭和22

クロスカントリー15キロ

96

 藤沢良一

1947(昭和22

ノルディックコンバインド

24

 藤沢良一

1947(昭和22

純飛躍

65

● 1958年 ラハティ:(FIN:フィンランド)

 江遠要甫

1957(昭和32

ノルディックコンバインド

27

 菊地定夫

1952(昭和27

純飛躍

30

● 1962年 ザコパネ:(POL:ポーランド)

 江遠要甫

1957(昭和32

ノルディックコンバインド

10

 吉田力雄

1959(昭和34

ジャンプ70mノーマルヒル

22

 江遠要甫

1957(昭和32

ジャンプ90mラージヒル

30

  1962年 シャモニ:(FRA:フランス)

福原吉春 

1960(昭和35

アルペンダウンヒル

39

福原吉春

1960(昭和35

アルペンジャイアントスラローム

21

福原吉春

1960(昭和35

アルペンスラローム

17

● 1966年 オスロ:(NOR:ノルウェー)

 上村浩平

1965(昭和40

クロスカントリー30キロ

40

 今井 進

1962(昭和37

クロスカントリー50キロ

 

 江遠要甫

1957(昭和32

ノルディックコンバインド

10

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ70mノーマルヒル

17

 田口民夫

1964(昭和39

ジャンプ70mノーマルヒル

43

 沢田久喜

1966(昭和41

ジャンプ70mノーマルヒル

51

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ90mラージヒル

28

 田口民夫

1964(昭和39

ジャンプ90mラージヒル

35

 沢田久喜

1966(昭和41

ジャンプ90mラージヒル

36

  1966年 ポルティーヨ:(CHI:チリ)

福原吉春

1960(昭和35

アルペンダウンヒル

47

福原吉春

1960(昭和35

アルペンコンバインド

16

福原吉春

1960(昭和35

アルペンジャイアントスラローム

36

福原吉春

1960(昭和35

アルペンスラローム

 

● 1970年 ビソケ タトリ:(TCH:チェコスロバキア)

 板垣宏志

1964(昭和39

ノルディックコンバインド

20

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ70mノーマルヒル

2

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプ70mノーマルヒル

7

 沢田久喜

1966(昭和41

ジャンプ70mノーマルヒル

40

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ90mラージヒル

32

 沢田久喜

1966(昭和41

ジャンプ90mラージヒル

42

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプ90mラージヒル

44

● 1974年 ファールン:(SWE:スウェーデン)

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ70mノーマルヒル

9

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプ70mノーマルヒル

30

 笠谷幸生

1963(昭和38

ジャンプ90mラージヒル

8

 青地清二

1961(昭和36

ジャンプ90mラージヒル

11

 板垣宏志

1964(昭和39

ジャンプ90mラージヒル

32

● 1974年 サンモリッツ:(CHE:スイス)

山本郁夫

1973(昭和48

アルペンジャイアントスラローム

36

● 1978年 ラハティ:(FIN:フィンランド)

古川牧雄

1977(昭和52

ノルディックコンバインド

31

 川端隆普実

1973(昭和48

ジャンプ70mノーマルヒル

 40 

川端隆普実

1973(昭和48

ジャンプ90mラージヒル

 41 

● 1982年 オスロ:(NOR:ノルウェー)

高畠啓博 

1975(昭和50

ノルディックコンバインド

26

高畠啓博

1975(昭和50

ノルディックコンバインド団体

8

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプ70mノーマルヒル

41

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプ90mラージヒル

53

秋元正博

1975(昭和50

ジャンプ団体

8

● 1985年 ゼーフェルド:(AUT:オーストリア)

成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインド

31

内田博喜

1982(昭和57

ノルディックコンバインド

38

成田収平

1983(昭和58

ノルディックコンバインド団体

10

内田博喜

1982(昭和57

ノルディックコンバインド団体

10

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプ70mノーマルヒル

21

 秋元正博

1975(昭和50

ジャンプ90mラージヒル

32

● 1987年 オーベルストドルフ:(GER:ドイツ)

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド

29

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド団体

7

佐々木孝元

1986(昭和61

ジャンプ70mノーマルヒル

64

 佐々木孝元

1986(昭和61

ジャンプ90mラージヒル

43

 佐々木孝元

1986(昭和61

ジャンプ団体

16

1986年 ティーニュ:(FRA:フランス)

工藤哲史

1976(昭和51

フリースタイルエアリアル

36

● 1989年 ラハティ:(FIN:フィンランド)

児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド

38

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド団体

10

● 1991年 バルディフィエメ:(ITA:イタリア)

 三ケ田礼一

1985(昭和60

ノルディックコンバインド

16

 児玉和興

1984(昭和59

ノルディックコンバインド

24

 三ケ田・児玉

 

ノルディックコンバインド団体

3

● 1993年 ファールン:(SWE:スウェーデン)

 三ケ田礼一

1985(昭和60

ノルディックコンバインド

40

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプ70mノーマルヒル

7

西方仁也

1987(昭和62

ジャンプ90mラージヒル

56

 佐々木孝元

1986(昭和61

ジャンプ団体

16

● 1995年 サンダーベイ:(CAN:カナダ)

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプノーマルヒル純飛躍団体

7

西方仁也

1987(昭和62

ジャンプラージヒル

24

 西方仁也

1987(昭和62

ジャンプ団体

3

● 2015年 ファールン:(SWE:スウェーデン)

 渡部剛弘

2012(平成24

ノルディックコンバインドラージヒル

28

● 2017年 ラハティ(FIN:フィンランド)

 渡部剛弘

2012(平成24

ノルディックコンバインドノーマルヒル

34

 渡部剛弘

2012(平成24

ノルディックコンバインドノーマルヒル団体

4

渡部剛弘

2012(平成24

ノルディックコンバインドラージヒル

19

2019年 ゼーフェルド:(AUT:オーストリア)

丸山 希

2017(平成29

女子ジャンプノーマヒル

17

丸山 希

2017(平成29

女子団体ジャンプノーマヒル

6