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数理のチカラ − 砂田 利一

4000年間誰も解けなかった謎に挑む

明治大学 総合数理学部 現象数理学科 砂田 利一



2300年もの間、数学者を魅了し続ける素数。数学者たちはどこかミステリアスなこのテーマに数学のロマンを感じ、研究してきました。成果を求めるという考えはなかったでしょう。素数が「公開鍵暗号」という暗号方式に生かされたのは20世紀末。世の役に立つまで実に2000年以上もの時を要しました。

物理の分野で発見された準結晶という物質は、結晶のようでありながら結晶が持つ分子の周期性を持たず、しかし何かしらの秩序があるという謎の多い物質です。この準結晶の構造を調べるには数論や積分論、幾何学的アイデアなどさまざまな数学が必要であり、いわば分野の交差点で研究できるところにおもしろみがあります。

この「交差点における研究」は、数学を使って社会や物理現象を解き明かす現象数理学科の特色でもあります。そのため、授業でも物理学の一般相対論などに代表される、時空の歪みを研究するために必要となる幾何学なども学びます。

数学は文系理系を問わず応用が利く特殊な学問であり、数学で培った論理力はさまざまな問題への対処に役立つでしょう。しかし数学本来の魅力は、古代バビロニア以来4000年もの間、誰も解けなかった問題を探求するところにあります。数学を学ぶうえで大切なのは短時の成果ではなく、「なぜ?」に始まる探究心なのです。

砂田 利一 / ネットワークの数理
さまざまな離散モデルを大域解析学のアイデアを用いて研究しています。主な研究対象は、結晶中の原子と結合が形作るネットワークや、量子ウォーク、コミュニケーション・ネットワークなどです。

数理のチカラ : 現象数理学科

他にもこんなテーマを紹介しています。

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