◆草稿など約5万6千点
三木元首相の資料が明大に寄贈される
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このたび三木睦子家より本大学に三木武夫関係資料が寄贈された。三木武夫は戦前・戦後の政治家としてあまりにも著名である。
同氏は1907(明治40)年3月17日、徳島県坂野郡御所村(現在の土成町)に生まれ、1926(大正15)年4月に明治大学に入学した。そして1936(昭和11)年本大学を卒業するとともに衆議院議員選挙に立候補、全国最年少で当選を果した。以来、政治の道を歩み、1974(昭和49)年12月9日には第66代内閣総理大臣に就任。1988(昭和63)年11月14日、81歳で没するまで数多くの業績を残し、人々は「クリーン宰相」「議会の子」「信念の人」「政策通」などとたたえた。
明治大学では専門部商科以外、法学部にも学んだ。その間、大学の命により学校制度調査のためにアメリカに赴くこともあった。また雄弁部員として各地を遊説するなど活躍をした。卒業後も、「その自由な雰囲気は、独立の精神、自由の精神をつちかう」として母校明治大学を心の底から愛した。明治大学は同氏の本大学に対する多大の功労に、名誉博士号を贈り、また顧問として遇した。
今回、三木家より受贈した資料は約5万6千点である。その内訳は草稿・政策関係・手帳など文書類約4万5千点、読書メモなどを含む書籍類約1万点、掛輻・絵画など50点、ビデオ・カセットのテープ類約300点、スクラップブック・アルバム550点、その他100点である。
受け入れをした明治大学史資料センターでは10カ年計画で資料の整理保存・活用に当たる。そのため早速、資料目録の作成に取りかかっているが、やがて、集中的に研究に取り組み、研究書としてまとめる予定である。またその傍らシンポジウム、展覧会等も行うことになる。また、体制が整いしだい資料を公開するつもりである。
現在、大学本部のある駿河台校舎大学会館1階には、同氏による「権利自由」「独立自治」の揮毫が刻まれている。校友の活動を重要課題のひとつとしている大学史資料センターにおいても同氏を、本大学の建学の精神を体現したであろう人物として位置付けていく。そうしたことにより過去の同人の事績を追懐するだけではなく、明治大学の21世紀を展望する糧としたい。 |
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