「明治大学広報」
 
第553号(2005年4月1日発行)
  各々が培ったものを大切に
連合父母会長 石橋良一
 木々が芽吹き、春のきざしが感じられるこの3月に、新しい社会への旅立ちを祝う卒業の式典が行われました。卒業生のみなさんは、明治大学で学んださまざまなことを胸に秘め、今、次なる世界へ向けて一歩、足を踏み出したことでしょう。学生たちをここまで育ててくれた明治大学の教職員の皆様に、すべての父母を代表して連合父母会より厚くお礼申し上げます。また、父母の皆様にはご子女の在学中、連合父母会に対してご理解・ご支援を常に賜り、本当に感謝しております。校友会の皆様にとっては、卒業は新しい校友の誕生です。大学のそして人生の先輩として、新校友に対してこれからよき導き、よき鞭撻をお願いいたします。
 今、世の中には勝ち組、負け組なる言葉が流行しています。嫌な言葉だと思います。もとより人生に勝ちも負けもあるべくもありません。あるのはただ自己の本分をいかに尽くしきるかということです。卒業する学生のみなさんは、人生で一番多感な、また文字どおり成人となる日をはさんで、明治大学で学び、さまざまなことを培ってきたことと思います。その無形の財産がこれからの新しい世界で自己の本分を尽くすための根本土台となることでしょう。そして学生のみなさんが学び培ってきたと同様に、実は私たち連合父母会も大学および学生への支援事業を通して多くのことを学び、そして培ってきました。明治大学自身もまた、教育研究を通して学び、さまざまなことを培ってきています。各々が培ってきたものを生かし、新しい時代、新しい世界に対処していくことが、すなわち自己の本分を尽くしきることになると思います。それがひいては調和のとれた、そしてお互いが尊敬しあえる社会を作っていく原動力になるのです。
 卒業というよき日を迎えて、明治大学に関係するすべての皆様のご発展、ご健勝を祈念しましてご挨拶とさせていただきます。
 
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