明治大学は６月２６日、アイビールックの仕掛け人で服飾ブランド「ＶＡＮ」の創業者として知られる服飾デザイナーの故石津謙介氏（２００５年５月２４日逝去、１９３２年商専卒）に特別功労賞を贈呈した。当日は贈呈式のほか、石津氏を偲ぶシンポジウム『石津謙介の時代・僕たちの時代』が行われ、およそ４００名が故人に想いを馳せた。
贈呈式では、森宮康教務担当常勤理事の趣旨説明の後、特別功労賞の賞状と記念のメダルが、石津氏長男・石津祥介氏（石津事務所代表）に贈られた。挨拶に立った納谷<INLINE NAME="画像枠" COPY=OFF>美学長は、“人間・石津謙介”を語り、「石津氏の仕掛けたアイビールックは、６０年代の若者のファッションにとどまらず、ライフスタイルや思想にまで大きな影響を与えた。その石津氏へ特別功労賞の贈呈は、大学の喜びであり誇りである」と述べた。続いて石津祥介氏は、「私と弟は父親に憧れて明治に入学しただけに、この受賞を大変うれしく思う」と話し、「親父の遺影にこのメダルを掛けて、もう一度写真を撮り直したい」と喜びを語った。
続いて行われたシンポジウムでは、土屋恵一郎法学部長、福宮賢一商学部長の司会のもと、石津氏ゆかりのミッキー・カーチス氏（俳優・歌手）、油井昌由樹氏（俳優・スポーツトレイン代表）、斉藤勝治氏（日本学生アメリカンフットボール協会理事長）、石津祥介氏の４氏が、それぞれの言葉で謙介氏と「ＶＡＮ」との出会いや思い出を語った。石津氏の生き様が語られることで、自身の青春時代をオーバーラップさせている聴衆が多く見られた。
明大の特別功労賞は、明大の学生、教職員、校友、その他明大が特に認めた者で、学術、文化、スポーツその他の分野において顕著な功績を挙げ、明大の教育・研究の振興・発展に貢献したと認められる個人または団体に贈呈している。石津氏は昨年の北野武氏（タレント、映画監督）に続き２３人目。
また当日は、アメリカ・ハーバード大の男声コーラスグループ「クロコディロス」と明大グリークラブとの合同演奏会が行われた。往年の名曲をしっとりと聴かせるグリークラブと、１９５０年代のアメリカンポップスをユーモアたっぷりに歌い上げるクロコディロスの歌声に、多くの聴衆が酔いしれ、大きな拍手で幕を閉じた。
なお、駿河台校舎中央図書館１階ギャラリーでは６月２４日から２９日、「石津謙介の世界・ＶＡＮコレクション展」が開催され、石津氏の写真やＶＡＮグッズが展示紹介された。 |
