「明治大学広報」
 
第565号(2005年11月15日発行)
◆平成17年度文部科学省
  「魅力ある大学院教育」イニシアティブに選定される
 「魅力ある大学院教育」イニシアティブは、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ独創的な研究者養成に関する教育取組に対し重点的な支援を行うことで、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)を推進するとともに、採択された取組を広く社会に情報発信することで、今後の大学院教育の改善に活用することを目的として、今年度から開始されたもの。「人社系」「理工農系」「医療系」の3分野に区分。「理工農系」には申請数168件のうち43件が採択され、そのうち私立大学で採択されたのは明大と早稲田大の2校のみだった。
 今回採択された「社会との関りを重視したMTS(マルチトラックシステム)数理科学教育」(取組担当者=砂田利一・理工学部教授)は、実社会との関わりを重視して、幅広い数理科学知識を獲得することを目的とし、次の3コースを柱として展開する。
【理論数理コース】
 代数学・幾何学・解析学という伝統的な「理論数学」の研究開発。
【現象数理コース】
 基礎から積み上げた数学の知識を背景に、数理科学的手法を駆使して、自然や社会現象の解明に従事する、修士や博士の学位を持った「高度専門職業人」の養成。
【数理教育コース】
 ジョブ・インターンシップや現職の教員を助言者とするセミナーを開催し、子供たちに、数学の面白さを伝えるだけではなく、社会との関わりの中で数学がいかに重要な役割を果たしているかを伝え、理解させることができる教員の養成。
         
 現代数学は、経済学・ファイナンス・情報科学・工学・政治社会学などの学問分野においても、必須の役割を果たしており、国際競争力の強化においても、豊かな数理科学リテラシーを持つ人材の養成が急務とされている。このプログラムは、このような社会のニーズを理解し、さまざまな自然・社会現象に数理的記述を与えて、数学との間に架橋する力を養成するものとなっている。
 MTSの各コースは、分離独立したものではなく有機的に組み合わされた履修形態をとることが特徴。明大の大学院グローバル・ビジネス研究科、政治経済学研究科、経営学研究科や企業・高等学校など学内外から招聘した講師による講義・セミナーを通し、広く数理科学に興味を持つ感受性を育む。また、ジョブ・インターンシップを実施し、キャリアパスを開いていく。
 明大では、大学院をめぐる社会状況が急激に変化しつつあることをうけ、大学院制度検討委員会を設置し、明大大学院の将来あるべき姿を目指し、改革に取り組んでいる。また、各種GPに柔軟に対応できるよう、「明治大学教育改革支援本部」を立ち上げるなど、全学的な支援体制をとっている。
 明大の今年度のGP採択は、現代GP『広域連携支援プログラム―千代田区=首都圏ECM』(本紙第561号既報)、国際GP『大学教育における障害者学習支援』(同第564号既報)、専門職大学院GP『会計大学院教育課程の国際水準への向上』(共同申請、同第562号既報)に続いて4件目の採択となる。
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