第594号(2008年4月1日発行)
調布移転、男女共学化に寄せて
明治高等学校同窓会 総明会会長 佐久間 洋一
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私にとって神田駿河台は青春そのもののである。というのは、大学を含めると12歳から22歳の10年間、駿河台に通っていたからである。しかも、学業を終えた後もここ数年間は平均月1回以上駿河台の明治高校に足を運んでいるのだから、私の人生は駿河台の地を抜きには語れない。
駿河台といえば、御茶ノ水駅から駿河台下の坂道、明中高校舎に隣接する男坂、男坂でのうさぎ跳び、皇居一周のランニング、次々に思い浮かぶ。また、高校時代の学園紛争。車を横転させての道路封鎖、機動隊との衝突、隊員の防具の「カサカサ」という音。当時の逡巡も今となっては思い出になった。
駿河台から調布へ移転することには、複雑な感慨があった。駿河台の地と分かち難く結び付いた思い出への感傷だけではない。男子校として慣れ親しんできた私は、男女共学化決定の報を聞き、落胆と驚嘆が相半ばした。
しかし、人にとって転機があるように、学校にも転機がある。ましてや男女共学化は時代の流れ、避けられないことは客観的な評価だ。現に受験者数は増加している。
母校はもうすぐ創立100年。新たな地でさらに良き校風を作り上げ発展していくことを思うと非常に楽しみである。移転にあたって援助・協力をされた諸兄に改めて感謝の意を表したい。
(1968年卒、72年明大法卒)
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