ABOUT オープンアクセスとは
オープンアクセスとは
オープンアクセス(OA)とは、論文や研究データなどの研究成果をインターネット上で公開することで、誰もが自由に利用できるようにすることを言います。
オープンアクセス推進の背景
論文などの学術研究成果は、本来、人類にとって共通の知的資産であり、その内容を必要とする全ての人がアクセスできるようにすることが求められます。そうした観点から、オンラインにより無料で制約なく誰もが論文等にアクセスできる「オープンアクセス」という手法が注目されるようになりました。
また、公的資金によって生み出された論文や研究データ等の研究成果であれば、殊更国民に広く還元されるべきものであると言えますが、一方でその流通は世界的な学術出版社等(学術プラットフォーマー)の市場支配の下にあり、購読料や学術論文のオープンアクセス掲載公開料(APC)の高騰が進んでいます。
この高騰は学術雑誌の購読や学術論文の出版という学術研究の根幹に係る大学、研究者等の費用負担を増大させ、研究競争力の低下など研究そのものへの悪影響をもたらす可能性があるとして懸念されています。
オープンアクセスを含むオープンサイエンス*の推進については、米国や欧州を中心にオープンデータの積極的な活用に向けた取組が進められ、G7 やUNESCO、OECD でも活発に議論されています。
* 「オープンサイエンス」
ICTの活用により、オープン・アンド・クローズ戦略の下で研究成果の共有・公開を進め、研究の加速化や新たな知識の創造などを促す取組のこと。論文や根拠データのオープンアクセスに加え、研究の過程で生み出されたすべてのデータ(研究データ)についてもオープン化することを目指している。
オープンアクセスの意義
社会的なメリット
- 購読料の支払いを必要としないため、経済的な格差なく誰もが自由に学術情報へアクセスできる社会を実現します。(情報格差の解消)
- 学術交流が活発化しイノベーションが促進され、経済発展と社会的課題の解決に繋がることが期待されます。
- 公的資金による研究活動の社会的透明性の確保に繋がります。
研究者へのメリット
- 情報発信力が高まり世界中の人々に論文を読んでもらう機会を創出できます。
- 論文へのアクセス機会の増加に伴い、被引用数増加の可能性が高まります。
- 学術交流が活発化し、新たな研究交流の機会創出に期待できます。
主要なオープンアクセスモデル(グリーンOAとゴールドOA)
論文をオープンアクセスにする方法としては、主に「グリーンOA」と「ゴールドOA」の2つがあります。
グリーンOAについて
論文の著者本人が、機関リポジトリや分野別リポジトリ、自身のWebサイト等を通して論文をインターネット上に公開することで、オープンアクセス化する方法です。グリーンOAは原則APCの支払いは発生せず、無料で行うことができます。
なお、学術雑誌に掲載された論文をグリーンOAにする場合、出版社によって公開可能な原稿の版の指定や、公開禁止期間(エンバーゴ)の設定など登録条件が指定されている場合があります。あらかじめ出版社のルールを確認するようにしてください。
明治大学では、明治大学学術成果リポジトリ「Meiji Repository」への登録を推奨しています。登録手順はこちら
ゴールドOAについて
著者が学術雑誌出版社へAPC(Article Processing Charge:オープンアクセス掲載公開料)を支払い、論文をオープンアクセスにする方法です。掲載する全ての論文がゴールドOAである「フルOA誌」と、基本は購読者のみ利用できるが著者がAPCを支払った論文のみ無料で公開される「ハイブリッドOA誌」に大別されます。
ハゲタカジャーナルに注意!
ハゲタカジャーナルとは、査読誌を謳いながら実際は適切な査読を行わず、著者から高額なAPCを得ることを目的とした低品質ジャーナルのことです。もしハゲタカジャーナルに投稿してしまうと、研究者としての評価が下がり学術的信用を失うなど様々な不利益が生じるリスクがあります。
ハゲタカジャーナルに該当するかの判断は難しいケースが多いですが、雑誌の信頼性を確かめるためのサイト「Think. Check. Submit.」なども公開されていますので、こうした情報を参考に、ハゲタカジャーナルに投稿しないよう、十分ご注意ください。
オープンアクセスに関する本学の取組
明治大学オープンアクセス方針
研究成果のオープンアクセス化を推進するため、2019年12月4日に「明治大学オープンアクセス方針」を制定しました。研究成果のより一層のオープンアクセス化を進め、学術研究のさらなる発展に寄与し、社会の持続的発展に貢献していきます。
明治大学研究データ管理ポリシー
研究データの適切な管理・保存・利活用を推進するため、2025年3月5日に「明治大学研究データ管理ポリシー」を制定しました。