TERMS 用語集
用語集
オープンアクセスに関連する用語の説明は以下をご参照ください。(五十音順)
Article Processing Chargeの略称で、論文をオープンアクセスで利用できるようにするために、著者が負担する出版費用のこと。論文処理費用、論文掲載料、論文出版加工料などとも訳される。
ジャーナルが刊行されてから、掲載論文の全文が機関リポジトリ等で利用可能になるまでの一定の公開禁止期間のこと。
研究者および貢献者の永続的かつ一意なデジタルの研究者識別子で、研究者一人一人に割り振られる。研究者の名寄せは同姓同名、改姓、表記の不統一、異動等のため困難なことがあるが、ORCID iDを氏名情報の代用として用いることが出来る。研究者は、これを用いて略歴、研究業績、助成金獲得等の実績を開示できる。書式は"https://orcid.org/" で始まり、続く16桁の数字を4桁ごとにハイフンで区切った構造である。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/pid/orcid
研究成果(論文や研究データなど)をインターネット上で公開し、誰でも無料で利用できるようにすること。OA手法として、グリーンOAやゴールドOA、ブロンズOA、ダイヤモンドOAなどがある。
大学や研究機関等の各機関において、機関内での研究・教育の成果(論文や研究データ、発表資料など)をサーバに電子的に蓄積・保存し、インターネット上で無償かつ永続的に公開することを目的としたデータベースのこと。機関リポジトリを構築・運用することによって研究・教育成果の永続的かつ効率的な保存と発信の他に、研究機関としてのブランド力の向上や、社会への貢献などが期待される。
論文(主に著者最終稿)を機関リポジトリや分野別リポジトリに登録することで、基本的に無料で一般公開するOA出版モデルのこと。なお、学術雑誌に掲載された研究成果をグリーンOAにする場合、出版社によって公開可とする原稿の版が指定されていたり、公開禁止期間(エンバーゴ)が設けらていることがある。
クリエイティブコモンズが提供する、著作権ルールを表示するための世界共通のライセンス。全部で6種類のライセンスが用意されており、著作権者が適切なライセンスを著作物に付与し公開することで、利用者に対して著作物の利用条件を明示できる。
CCライセンスの種類や利用条件は以下のサイトを参照
https://creativecommons.jp/licenses/
著者が学術雑誌出版社へAPCを支払うことによって、電子ジャーナルサイト上でオープンアクセスとするOA出版モデルのこと。出版と同時に論文への無料アクセスが可能となり、発見可能性や利用度が向上する。 掲載する全ての論文がゴールドOAである雑誌を「フルOA誌」「ゴールドOA誌」と言う。
また、掲載時にOAにするか購読者のみ論文全文を利用できるようにするかを選択できる雑誌の場合は「ハイブリッドOA誌」と呼ばれる。
国立情報学研究所が大学等の研究機関に機関リポジトリ環境の提供を行うクラウドサービスのこと。明治大学学術成果リポジトリもJAIRO Cloudにより構築されている。
引用頻度を用いて、ジャーナルの重要度や影響力を測定するための尺度の一つで、通称「インパクトファクター」と言われる。研究者や個々の論文の評価指標かのような誤解を受けやすいが、本来は掲載論文の被引用数の平均値を使って当該ジャーナルと同じ分野内での相対的な影響力をはかるものである。研究分野により引用の慣習等が異なるため、異なる分野間の比較には使えない。クラリベイト社(Clarivate)のデータベース「Journal Citation Reports」から提供されており、対象は同社の学術論文データベース「Web of Science Core Collection」収録誌。学術雑誌評価指標としてはほかにエルゼビア社(Elsevier)が2016年から提供している「CiteScore」(サイトスコア)などがある。
著者が自分の論文等を自分自身のサーバ、分野別サーバ、あるいは大学・図書館等が運営するサーバに蓄積し、無償で公開すること。
査読誌を謳いながら実際は適切な査読を行わず、著者から高額なAPCを得ることのみを目的とした悪質な学術雑誌のこと。一見して判断が難しいケースもあり、知らずに投稿してしまうと論文の質が担保されないどころか、研究者としての評価や学術的信用を失うリスクがある。
オープンアクセスにかかる費用を出版社や学会・研究助成機関が負担し、購読者や著者に経済的負担なく論文をオープンアクセスとするOA出版モデルのこと。プラチナOA とも呼ばれる。
査読が完了し、出版社から受理される直前に著者が提供した原稿のことで、出版社によるレイアウト調整や校正等の手が加えられていない原稿のこと。
Digital Object Identifierの略称で、コンテンツの電子データに付与される国際的な識別子のこと。これを使うことで、URLのリンク切れを防ぎ永続的なアクセスを保つことができる。
電子ジャーナル購読料をAPCへと段階的に振り替えていくことによって、電子ジャーナルの購読契約モデルからオープンアクセス出版モデルへの転換を目的とする契約。 大学等が支払う購読料と、従来は著者が支払ってきたAPCをセットにした「Read&Publishモデル」のほか、APCを支払うことで非OA論文へのアクセスも可能となる「Publish&Readモデル」、購読しているハイブリッド誌のOA率により購読料を削減する「オフセット契約」などがある。
掲載される個々の論文ごとに、APCを負担してオープンアクセスにするかどうかを著者が選択する方式の雑誌。APCを支払った論文のみがOAとなるため、1つの雑誌にOA論文と有料論文 (サブスクリプション論文) とが混在する。また、年間購読料金とAPCによる出版社収入のダブルディッピング発生が問題視されている。
研究成果である研究データの公開と共有のための原則で、Findable(検索可能)、Accessible(アクセス可能)、Interoperable(相互運用可能)、Reusable(再利用可能)を略した頭字語からなっている。この原則は、データに対し、検索のために一意で永続的な識別子とメタデータを付与する、アクセスのために誰でも利用できる通信プロトコルを使用する、相互運用のために広く適用可能な記述言語を採用する、再利用には明確なライセンスを附与するなどの具体的な提言からなる。
参考:NBDC-FAIR原則(「THE FAIR DATA PRINCIPLES」和訳)https://biosciencedbc.jp/about-us/report/fair-data-principle/
すべての収録論文がオープンアクセス出版される学術雑誌。通常は著者がAPCを支払うことで無料となるゴールドOA方式によるため、「ゴールドOA誌」ともいう。
査読を受ける前のまだ出版されていない論文のこと。
購読雑誌掲載論文であるが、出版社のウェブサイト上でライセンスの付与等なく無料公開されている論文。
情報やデータを検索するためにそれらに付加された、作成者や日付などのこと。「データに関するデータ」や「情報に関する情報」と呼ばれる。特にインターネット情報源に関する情報についてよく用いられる。
転換契約のうち、電子ジャーナルパッケージ購読料と、APCにあたるOA出版料を1つの契約としてまとめて一括で支払うことにより、契約機関の所属研究者が個別にAPCを支払うことなく、論文をOAで出版できるようになる契約モデル。