アーカイブ マンガの画材〈アイシースクリーン〉展 -マンガ表現の相棒としての50年-




ごあいさつ


 マンガを支える画材はペンやインク、原稿用紙など様々です。中でもスクリーントーン* は、多彩なドットや線、模様などを印刷した半透明のシール状のシートで、手描きでは難しい表現を可能にしてきました。

 〈アイシースクリーン〉は、この画材を代表する存在です。その歴史は1971年からはじまり、現在50周年をむかえています。

 この間、マンガの制作過程はアナログからデジタルに大きく移行しましたが、アイシースクリーンは常に新しいデザインを開発・販売しマンガの現場を支えてきています。

 本展示を通して、マンガ家たちがアイシースクリーンを使って表現した洋服の模様や影、背景描写や画面全体のムードに注目してみてください。この画材が、いかに大切な「マンガ表現の相棒」であり続けてきたかがわかるでしょう。

*「スクリーントーン」は元々イギリスのレトラセット社の画材の商標ではありますが、日本ではそれがアイシースクリーンをはじめとするシール状のシート画材全体を指す言葉として長年使われています。トーンと略す場合もあります。

明治大学 米沢嘉博記念図書館
株式会社G-Too



アイシーブランドとアイシースクリーン


 アイシーとは、株式会社G-Tooが製造・販売している、マンガやイラスト用画材を中心としたブランドのひとつです。本展示ではアイシーブランド全体の歴史を紹介しつつ、中でもアイシースクリーンに注目しています。アイシースクリーンは、独自のデザイン性の高さや、スクリーンフィルムの品質のよさ、また雑誌や単行本での再現性に定評があります。フィルムの裏面には、ワックスタイプの接着剤を引いており、シートをこすって圧力をかけることで粒子がつぶれてしっかりと原稿用紙に接着されるようになっています。



謝辞


本展示開催にあたり次の方々より多大なご協力を賜りました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。

浅田弘幸、あだちとか、五十嵐藍、板垣巴留、いわみせいじ、北川玲子、
久我山リカコ、倉田よしみ、酒井美羽、里中満智子、慎本真、鈴木ジュリエッタ、
鈴木央、せい☆けいすけ、中村明日美子、ひのもとめぐる、松田奈緒子、松元美智子、
三浦みつる、望月淳、森川ジョージ、山田うさこ、山田ゴロ、山田デイジー
(敬称略・五十音順)




◆壁面展示



【アイシ―50thヒストリー】 期間:2022年6月17日(金)- 10月3日(月)

No.01
1971年10月 ジャパンドラフティング株式会社設立
 マンガ画材・事務用品・教則本の企画、製造、販売を行うメーカーとして設立されました。当初のメイン商品は「アイシーレタリング」と「アイシースクリーン」です。
 アイシーレタリングとは、透明なフィルムに文字や記号が印刷された転写シートです。デザイン制作が手作業だった時代に、正確な文字や図形を使用することができたため、デザイン・製図・建築模型など様々な用途で使用されました。

【展示品】
アイシーレタリング
(上段左)1408L
(上段右)2624L
(下段左)4372L
(下段右)4324N




No.02
1976年8月 アイシー株式会社に社名を変更
 1950年代から、トーンがマンガの背景などに使用されるようになっていきました。その需要に伴い、もとは設計・建築デザイン用製品だったアイシースクリーンの種類は増えていき、1980年にはその数は141種類にも及びました。
 展示品は、アイシースクリーンの中でも初期からある定番のものです。

【展示品】
アイシースクリーン
(前)S-02
(中)S-686
(後)S-50




No.03
1983年 アイシー漫画原稿用紙の発売を開始
 アイシーから初めてマンガ用として発売された商品*。

*展示品は、93年にリニューアルされ現在も販売中のもの(ケースNo.04解説参照)。


1985年 アイシーオーバーレイを発売
 別名カラートーン。パソコンでの着彩ができなかった当時、デザインのラフやカンプ*作成用として使われ、イラスト制作にも広く使用されました。

*制作物の仕上がりを提示するための完成見本のこと。


1990年 アイシーコミックステーションが渋谷・神宮前にオープン
 同人誌印刷の受付や原稿制作、アイシー製品を試せる場所としてオープン。同人誌イベントの開催なども行っていました。1992年にクローズ。

1991年 福岡、札幌、東京でアイシー主催の同人誌イベントを開催
 「コミックステーション in ○○」(○○は地名)というイベント名で、1000~2000サークルをオールジャンルで募集し、開催していました。
 東京では晴海で開催していました。

【展示品】
(前)アイシー漫画原稿用紙A4(個人・B5原寸本用) /110kg
(後)アイシー漫画原稿用紙B4(プロ漫画家・投稿用) /135kg




No.04
1993年
アイシースクリーンユース100種発売

 アイシースクリーンより安価なシリーズ。同人誌制作向け。豊富なデザインで、投稿用や少女マンガにも愛用されています。

アイシー漫画原稿用紙がリニューアル
 よりマンガ制作向きの紙質を求め、原材料から厳選しリニューアルしたマンガ原稿用紙を発売。インクの滲みやペンの引っかかり、消しゴムのケバ立ちを抑え、今日まで多くの人に愛用されるロングセラー商品となっています。

まんが甲子園ブックバージョンをスタート
 高知県のイベント「まんが甲子園」の姉妹コンテスト。アイシーが主催。ストーリーマンガを全国の高校生から募集し、著名なマンガ家たちが審査員を務めました。

【展示品】
アイシースクリーンユース
(前)Y-1512
(後)Y-1552




No.05
1996年 アイシーエクセルオーバーレイを発売
 需要の増加を受け、マンガ・イラスト用に特化したオーバーレイを発売しました。実際にマンガに使用しているユーザーからの意見を参考に、使いやすい淡い色を中心にラインナップしています。

1997年 『ALLES(アレス)』創刊
 マンガの描き方や道具の紹介など、マンガに関する様々な情報を発信する情報誌『ALLES』を創刊しました。

【展示品】
『ALLES』夏コミ号(創刊号) 1997年8月15日 発行




No.06
1998年 スクリーン テクニカルギャラリー発売
 人気マンガ家たちの描き下ろしイラストを掲載した、アイシー初のスクリーン技法書が発売されました。

2001年 アイシースクリーン・ユースが全600種類に増加

2006年 アイシースクリーン・ユースが全700種類に増加

2013年 アイシープレミアムブラックを発売
 なめらかな描き心地で伸びがよく、つけペンでのペン入れに適したオリジナルインク。乾きが早く、消しゴムにも強いのが特徴です。

【展示品】
(前)アイシ—スクリーンテクニカルギャラリー 1998年12月10日 初版発行
(後)アイシ—スクリーンテクニカルギャラリー2 1999年11月20日 初版発行




No.07
2014年 アイシー株式会社から株式会社G-Tooに社名変更
 アイシー株式会社を含むグループ会社が統合され、社名を株式会社G-Tooに変更。画材屋「いづみや」(IZUMIYA)からスタートしたアナログ画材事業が統合されました。
 「アイシー」の名称は、G-Too内のマンガ画材ブランド名となりました。

2016年 業界初の2色刷りトーン、スクリーンプレミアム全10種を発売
 白インクと黒インクの2色刷りで作られた特別なスクリーン。スクリーンのデザインで白インク効果を表現しています。

2019年 アイシープレミアムホワイトを発売
 アイシープレミアムブラックに続き、薄めずそのまま使えるプレミアムホワイトを発売。

【展示品】
アイシースクリーンプレミアム PS-007
アイシープレミアム ホワイト




No.08
2019年 Jトーンの復刻版となる、アイシースクリーン Jトーン(全35種)を発売
 Jトーンを製造・販売していた有限会社ジェイが2019年に業務終了したことを受け、Jトーンの柄を買取り、アイシースクリーンから復刻発売。発売する種類はこれまでJトーンを愛用してきたユーザーへのアンケート(総選挙)で決定するといった経緯も話題となりました。

2021年 ブランド50周年

【展示品】
アイシースクリーンJトーン
(左)J-295
(右)J-523






【50thお祝いイラストギャラリー①】 期間:2022年6月17日(金)- 8月15日(月)

No.09
いわみせいじ
 和歌山県出身。八潮路つとむのアシスタントを経て、1981年に芳文社『まんがタイム』で入選しデビュー。その後は4コママンガを中心に活躍。2006年からは大阪芸術大学、大阪府高齢者大学(NPO法人)、大阪美術専門学校などでマンガを教え、2010年には平成22年度文化庁文化交流使として、シンガポール、マレーシア、韓国、イギリスに派遣。大阪芸術大学キャラクター造形学科客員教授。2019年度大桑文化奨励賞選出。日本漫画家協会会員、マンガジャパン会員。




No.10
北川玲子
 ぶんか社でデビューし、女性向けの雑誌を中心に作品を発表。代表作は「春画屋惣介」「戦火の中の子どもたち」「残酷な世界に生きるこどもたち」など。現在「春画屋惣介」全6 巻を電子書籍で配信中。本人ブログ「明るいワラビネーゼの生活」*にて、4コマギャグエッセイマンガ「大人バレエあるある」など配信中。マンガジャパン会員。

*北川玲子ブログ 「明るいワラビネーゼの生活」 https://ameblo.jp/warabinx/


コメント
 ICトーンの発売はとても画期的でした。それまで販売されていたトーンは値段があがる一方だったのでした。現在は安いトーンを売る会社がいくつもありますが、トーンの低価格化の道を開いてくれたのはまさにアイシーさんだと思います。さらに効果線や服柄、便利な背景のトーン等を次々と作ってくれたおかげで、作画時間の短縮と省力化をかなえさせてくださってほんとうに感謝です。これからもマンガ家やマンガ家志望の人、趣味でマンガを描く人たちの力になってください。
 お気に入りのアイシートーンは今回のイラストで利用させていただいたyouthのY-1638と同じくyouthのY-1594です。またY-1597の花柄は特に気にいっていて、コピートーン*を使って拡大縮小したり反転させたものをいくつも作ってキャラクターの気分を表すのに使っていました。

*コピートーン
何も印刷されていないシートのみのトーン。オリジナルトーンの作成、元のトーンのサイズを変えて使用したい際に倍率を変えコピーするなどして使用する。いくつかのメーカーより販売されており、アイシーのものは「アイシーフィルム」という名称。





No.11
久我山リカコ
 代表作は『週刊プレイボーイ』(集英社)連載の「おめざめプリーズ」、集英社学習まんが「ゴミ処理のしくみ」など。アニメーターとして「コブラ」「ゴルゴ13」「日本昔ばなし」等を手掛けながら、同人誌活動をし、商業誌に作品を発表している。マンガジャパン会員。

コメント
 50周年おめでとうございます!!
 私が初めてトーンなるものを入手したのは49年前…取り扱いも大変でひと苦労していた矢先にICスクリーン様降臨!! おお、何て使い易く、お手頃価格なんでしょう…ありがたや(♥)それ以来ずっとずっとお世話になりっぱなしです。大感謝しております!!




No.12
倉田よしみ
 秋田県出身。ちばてつやのアシスタントを経て、1978年『週刊少年サンデー』(小学館)に掲載の「萌え出ずる…」でデビュー。1986年『ビッグコミックオリジナル増刊号』(小学館)で代表作となる「味いちもんめ」を連載開始(のちに『ビッグコミックスペリオール』に移籍)。1999年、同作で第44回小学館漫画賞青年一般向け部門受賞。現在は創作活動以外に、国際文化交流活動にも積極的に参加している。マンガジャパン会員。




No.13
里中満智子
 高校2年生の時「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞。少女マンガ家として「アリエスの乙女たち」「海のオーロラ」「あすなろ坂」等多数のヒット作を生む。1974年「あした輝く」「姫がいく!」の両作品で講談社出版文化賞を、82年「狩人の星座」で講談社漫画賞を受賞。2006年全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞受賞。2010年文化庁長官表彰受賞。大阪芸術大学キャラクター造形学科教授。公益社団法人日本漫画家協会理事長。マンガジャパン代表理事。




No.14
せい☆けいすけ
 1958年(昭和40年)生まれ。1989年より福岡のデザイン事務所でイラストレーター、その後、広告代理店でデザイナーとして勤務したのち、1996年に第38回小学館新人コミック大賞児童漫画部門藤子不二雄賞受賞。日本デザイナー学院九州校マンガ科、北海道芸術高等学校・福岡キャンパスにてマンガ・イラストコース(マンガテクニック)、北九州市漫画ミュージアム漫画スクールにて講師を務める。マンガジャパン会員。




No.15
三浦みつる
 神奈川県出身。代表作は「The・かぼちゃワイン」。1971年、磯子工業高校在学中に「世にも不幸な男の話」で『週刊少年ジャンプ』(集英社)のヤングジャンプ賞を受賞。高校卒業後にサラリーマンを経て手塚プロダクションのアシスタントを経験。1983年「The・かぼちゃワイン」で第7回(昭和58年度)講談社漫画賞少年部門受賞。現在は絵本作家を目指して勉強中。マンガジャパン会員。




No.16
山田うさこ
 東京都出身。マンガ家・イラストレーター・児童小説家・ときに似顔絵描き。成城大学国文科卒。1982年講談社『別冊少女フレンド』で小林ぽんずのPNで少女マンガ家としてデビュー。後にジャンル変更に伴いPNを山田うさこに改名。
 少女マンガテイストの可愛いらしい絵柄をモットーに、短い時間でできる限りリクエストに応えている。現在、大洋図書より電子書籍「にゃんとも大変!?」(クイーンズセレクション)配信中。マンガジャパン会員。

Twitter(現X): @usacomi / Instagram: @usacomi
グッズSHOP「きゃらきら!」 https://suzuri.jp/usacomi/


コメント
 原稿用紙など常にICの画材は私の側にありました。大好きなトーンは、丸点描です!現在デジタルに移行、今回久しぶりのアナログ原稿で、当時の思い出が蘇りました。50周年おめでとうございます!
 今後もともにあらんことを。ますますのご発展を!






【50thお祝いイラストギャラリー②】 期間:2022年8月19日(金)- 10月3日(月)

No.09
五十嵐藍
 マンガ家、イラストレーター。代表作に「山田とせんせい」(KADOKAWA)、「鬼灯さん家のアネキ(+妹)」(KADOKAWA)など。フルカラー作品集「Blue Drawing」(ワニマガジン社)が現在発売中。

コメント
 アイシー50周年おめでとうございます!

【情報】
https://www.youtube.com/watch?v=soBMzXLg4uo
こちらで五十嵐藍先生による、アイシー50周年お祝いイラストのライブドローイング動画をご覧いただけます(於:2021年冬のコミックマーケット「G-Too コピック」ブース)。





No.10
(右)慎本真
 マンガ家でありつつもYouTuberとしても活躍中(チャンネル名「SS manga diary-慎本 真- 」)。真面目なお絵かき講座から様々な企画まで幅広くチャレンジ!
 現在は「好きです、となりのお兄ちゃん。」「推しが我が家にやってきた!」を連載中。

(左)鈴木央
 マンガ家。1994年にデビュー。2011年に講談社『週刊少年マガジン』にて読切作品「七つの大罪」を発表し、翌2012年より同誌にて同タイトルの作品を連載開始。現在は「七つの大罪」の続編にあたる「黙示録の四騎士」を連載中。

コメント
 パソコンを使わない(使えない)自分としては、本当にアイシースクリーンはなくてはならないもの‼本当に60番台や10番台にはお世話になっております。アイシースクリーンに幸あれ‼




No.11
鈴木ジュリエッタ
 少女マンガ家。2004年「星になる日」が花とゆめプラスに掲載されデビュー。代表作は「カラクリオデット」(白泉社 全6巻)、「悪魔とドルチェ」(白泉社既刊2巻)、「神様はじめました」(白泉社 全25巻)、「星になる日」など。2020年より「名探偵耕子は憂鬱」を連載中。

コメント
 アイシー様にはいつもお世話になっております!
 ここぞというシーンは、ICスクリーンをなくしては生まれず原稿用紙もデビュー以降ずっとICを使わせて頂いてます。なので寄稿の機会を頂き大変光栄です。お気に入りはS-986やS-784、他にも唯一無二なICスクリーンがたくさんです。本当にありがとうございました!末永く宜しくお願いします!




No.12
ひのもとめぐる
 福岡県出身。うお座A型。2003年「ないしょのフォトグラフ」でマンガ家デビュー。「まんが甲子園」OG審査員、九州コミティア主催。現在、集英社マンガMeeで「モトカレカクテル」連載中。代表作「高梨くんの半分はサドでできています」「溺愛デイズ」(2020年アニメ化)。マンガジャパン会員。

コメント
 「アイシースクリーン」はちょっぴり高くて、少女まんが家志望の頃から、憧れの画材でした。トーンと原稿を見合わせて何を貼ろうか悩むのがとても楽しく、少しずつ大切に使っています。
 今回、アイシースクリーンライブドローイングを、「九州コミティア5」内で行われた、北九州市「クリエーターズミーティングJAPAN(CMJ)2021」というオンライン番組で配信しました。少女まんが家として培った「削り」の技術などご覧いただければと思います。

【情報】
https://www.youtube.com/watch?v=M33ATh3boHw&t=468s
ひのもと先生による、アイシースクリーン50周年お祝いイラストのライブドローイング動画は「7:48〜27:22」あたりです。





No.13
松元美智子
 マンガ家。イラストレーター。1996年「メリーサンタクロース」で『ちゃお』本誌デビュー。「ミイラでラブリ~!!」「ファーストガール」「神かくし」などの作品を発表。著書に、少女マンガ入門書『プロが教える少女マンガの作り方』がある。マンガジャパン会員。




No.14
森川ジョージ
 マンガ家。1982年、16歳の時に「シルエット・ナイト」が講談社新人漫画賞に入選、同作品にて『週刊少年マガジン』誌上でデビュー。本格的な活動は高校卒業後で「一矢NOW」「シグナル・ブルー」等を『週刊少年マガジン』に連載する。1989年、プロボクサーを目指して成長していく少年の姿を描いた「はじめの一歩」を連載開始、現在も連載中。JB SPORTS ボクシングジムのオーナーも務める。

コメント
50周年おめでとうございます。
アナログ画材の選択肢が減る中とても助かっています。
今後もよろしくお願いします。




No.15
望月淳
 2004年、読み切り作品「パンドラハーツ」でデビュー。2006年、同誌で連載「Pandora Hearts」を開始、テレビアニメとして展開する人気作品となった。2015年から『月刊ガンガンJOKER』にて「ヴァニタスの手記」を連載中。




No.16
山田ゴロ
 高校卒業後上京、マンガ家を志し石森プロに入社。1975年独立し、学習雑誌などを中心に活躍。現在、江戸川大学マスコミュニケーション学科(クリエーター論・文化論・実技)とヒューマンアカデミー(クリエーター論・実技)にて、非常勤講師を務める。Japan Macintosh Artist club(J-Mac)代表。デジタルマンガ協会事務局長。日本マンガ学会、日本漫画家協会、マンガジャパン会員。






【アイシースクリーンができるまで】 期間:2022年6月17日(金)- 10月3日(月)

No.17
アイシースクリーンができるまで
 まずG-Tooのアイシースクリーン担当者がアイディアを練り、トーン原画製作者と相談・打合せしたうえで、たくさんのサンプルを作ります。そしてモニターとして依頼したマンガ家やアシスタントのみなさんの評価や意見を反映させてデザインや大きさ・濃度などを微調整し、トーン原画が完成します。
 次にトーン原画のポジフィルムを作り、実際のトーンフィルムに印刷。濃度のクオリティを保つため20~30枚ごとに機械をとめながら慎重に刷り進めます。刷り上がったものも一枚一枚チェックし、裏面に社員でも配合を知らないワックスタイプの接着剤を引いて完成です。この間、数限りないチェック作業が行われます。最盛期は毎年夏冬のコミックマーケットあわせで30~50種類の新種を発表していました。
 ケースNo.18から24ではアイシースクリーンができる工程に必要な、アイシースクリーンの原画、ポジフィルム、完成品の例をみることができます。

《配布》
2ページマンガ「アイシースクリーンができるまで」
(『ALESS』2021年8月vol.36掲載)

※本展示用に、2ページマンガ「アイシースクリーンができるまで」配布用リーフレットを用意。配布は無くなり次第終了。




No.18
アイシースクリーン 原画について
 アイシースクリーンのデザインを作るための元の絵は、手描きかCG、いずれかの方法で作られています。その時代の流行やマンガ家からの要望をもとに新しいデザイン案を企画し、マンガ家、マンガのプロアシスタントなど作画技術の高い方に原画制作を依頼しています。

《展示品》
アイシースクリーンS-945 原画




No.19
ポジフィルムとは
 ポジフィルムとは、スクリーンの原画・データをスクリーンフィルムに印刷した透明のフィルムです。原画のクオリティを維持するために、ポジフィルムを使って印刷機用の「刷版」を作り、アセテートフィルムという0.038mmの厚さのシートに印刷することでアイシースクリーンが出来上がります。

《展示品》
アイシースクリーンS-945 ポジフィルム




No.20
S-945について
 ふんわりとした背景効果を表現できる柄づくりを目指して制作。黒と白のエアブラシを使用し、円の形にマスキングした上に黒のエアブラシを吹き付けたあと、さらに白のエアブラシを使用してぼかしの雰囲気を出しました。データ化する工程で、よりふんわりとした仕上がりになるように調整を行いました。

《展示品》
アイシースクリーンS-945 実物




No.21

《展示品》
アイシースクリーンS-998 原画




No.22

《展示品》
アイシースクリーンS-998 ポジフィルム




No.23
S-998について
 砂目、アミ点のアイシースクリーンを使って花(デイジー)を制作した柄。アイシースクリーンの貼られた原稿をさらに印刷することは難しいため、グレーの階調が綺麗に出るように何度も印刷の調整を重ねました。

《展示品》
アイシースクリーンS-998 実物




No.24
アイシースクリーンS-945とS-998を使ったイラスト例






【50th特別企画コーナー】 期間:2022年6月17日(金)- 10月3日(月)

No.25
アイシー50周年特別企画コーナー
 アイシーブランドの50周年を記念し、いくつもの企画を行っています。特設サイト*の設立、記念グッズの作成および配布・販売、様々な会場での原画を中心とした展示など。本展示もそうした展示のひとつです。ここでは展示以外のアイシーの特別企画を簡単に紹介します。

*アイシー50周年特設サイト https://www.icscr.jp/ic50th/


記念グッズ ノベルティ アイシーハンカチ S-765&S-3045  2種
 アイシースクリーンファンになじみ深いS-765ハニワ柄、そして清潔感あふれるキラキラS-3045の2種類のハンカチです。




No.26
記念グッズ アイシー漫画原稿用紙メモ帳2種
 コミックマーケットC94(2018夏)にイベント限定で発売した、アイシー漫画原稿用紙メモ帳が復活。




No.27
記念グッズ ノベルティ アイシー折り畳み傘
 アイシースクリーンS-698(ベタフラッシュ柄)の折り畳み傘です。 別名「雷フラッシュ」の効果線を背中にしょって、雨の日がドラマティックになります。

カウンター横・ケース展示の上部に、開いた状態で宙づりに展示





No.28
記念グッズ 50th クリアファイル
 アイシー製品をちりばめ印刷した記念のクリアファイルです。『ALLES』 vol.36表紙の中村明日美子「同級生」描き下ろしデザインバージョンは文房堂で開催された「アイシー50周年 記念原画展」(2022年6月1日~7日)で限定配布されました。




No.29
記念グッズ アイシースクリーンマスキングテープ 6種
 アイシースクリーンの柄の豊富さを活かして、アイシースクリーン柄のマスキングテープを作りました。アイシースクリーン柄のほか、マンガ画材イラストのデザインや、オノマトペデザインもあります。




No.30
記念グッズ つけペンセット
 マンガのつけペン用インク「アイシー プレミアムブラック」と、4種類のつけペン先、オリジナルつけペン軸がセットになったつけペンセットを数量限定で作りました。マンガやイラストを描きたい方だけでなく、つけペンを試してみたい方向けに、アイシーのプレミアムインクやつけペンを気軽に楽しめる、かわいいセットです。




No.31
コラボグッズ UNNON SCREEN トートバッグ 2種
 アパレルブランドUNNONとアイシーがコラボした、スクリーン柄を全面にプリントしたトートバッグ。よく使われるパターン4柄を制作しました。展示品はその内2柄。アイシースクリーンユースY-1601をプリントしたナイトビュースクリーンバッグと、同じくユースY-1716のパッションスクリーンバッグです。




No.32
#アイシーの車見たよ キャンペーン
 アイシースクリーンのラッピングカー企画。街中を走行中のアイシー車の写真を撮ってTwitterに投稿すると、抽選でプレゼントを贈呈。2022年12月31日まで。







◆壁面展示


【原画&使用アイシ―スクリーン 一緒に展示コーナー】
 ここでは、現在活躍中のマンガ家の原画と、使用アイシースクリーンの現物とを一緒に見くらべることができます。線画にアイシースクリーンが使用される過程の映像と完成原画を比較鑑賞できることも貴重です。
 素材を活かしたシンプルな使い方、どんな工程で仕上げられたのかわからないほど複雑な使い方、どれも巧みで味わいがあります。

※壁面展示のうち、画像右端・W-1の展示のみ4期に分けて展示替えを行った。

W-1 期間:2022年6月17日(金)- 7月18日(月)
板垣巴留(いたがきぱる)
 2016 年デビュー。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で読み切り連作「BEAST COMPLEX」を掲載後、同誌にて「BEASTARS」連載スタート。同作で、『このマンガがすごい!2018』( 宝島社) オトコ編第2 位、第22 回手塚治虫文化賞新生賞、第42 回講談社漫画賞少年部門、第21 回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、第11回マンガ大賞大賞を受賞。

コメント
 50周年おめでとうございます! アイシーさんはこの時代にアナログ作画を貫く元気なマンガ家さんたちの大きな味方です。特に御社の一面グラデの美しさには惚れ惚れします。これからも応援しています。

《展示品》
板垣巴留
「BEASTARS」イラスト
『ALLES』vol.35 2020 年8 月






W-1 期間:2022年7月29日(金)- 8月15日(月)
あだちとか
 『月刊少年マガジン』掲載の「アライブ - 最終進化的少年 - 」(原作:河島正)でデビュー。現在同誌にて「ノラガミ」を連載中。

コメント
 50 周年おめでとうございます。アイシースクリーンのS-931とS-3024が大好きで重宝しており、繊細な表現や雰囲気作りに欠かせません。手作業の楽しみを多くの方と共有できると嬉しいです!

《展示品》
あだちとか
「ノラガミ」イラスト
『ALLES』vol.33 2018年8月






W-1 期間:2022年8月19日(金)- 9月12日(月)
山田デイジー
 少女マンガ家。2004年に第407回「なかよし まんがスクール」にて「すきだからおもうこと」でゴールド賞受賞。代表作は「王子とヒーロー」全4巻、「恋するふたごとメガネのブルー」全5巻、「初恋はじめました。」全5巻、最新作「ブラット・ハントちゅっ」全3巻( すべて『なかよし』連載。講談社より刊行) など。

コメント
 アイシー様50周年おめでとうございます!! IC スクリーンは品質も良く、柄や効果トーンも使いやすく、大変お世話になっています。プレミアムホワイトも愛用中です。これからも素晴らしい商品を宜しくお願い致します!

《展示品》
山田デイジー
オリジナルイラスト
『ALLES』vol.34 2019 年8 月






W-1 期間:2022年9月16日(金)- 10月3日(月)
水瀬藍(みなせあい)
 広島県出身。2006年、『少女コミック増刊』10月15日号にて「Mistake!」でデビュー。代表作は「なみだうさぎ~制服の片想い~」「ハチミツにはつこい」など。現在『Sho-Comi』で「青春ヘビーローテーション」を大人気連載中!

コメント
 アイシー50周年 おめでとうございます!初めて手にとったコミック画材はアイシーさんの原稿用紙でした。ず~っとお世話になっています!! お気に入りトーンは沢山あるけど、S-986、S-961、S-1638などなど。
 これからもよろしくお願い致します♡♡♡

《展示品》
水瀬藍
「恋降るカラフル~ぜんぶキミとはじめて~」本編原画 5巻 小学館 2016 年10 月






W-2 期間:2022年6月17日(金)- 10月3日(月)
中村明日美子(なかむらあすみこ)
 神奈川県出身。2000年に『マンガエフ』(太田出版)にて「コーヒー砂糖いり恋する窓辺」でデビュー。  代表作に「Jの総て」「同級生」シリーズ、「ウツボラ」「先生のおとりよせ」など。現在『ウルトラジャンプ』(集英社)で「王国物語」、『楽園』(白泉社)で「メジロバナの咲く」、『OPERA』(茜新社)で「同級生」シリーズの最新作「ふたりぐらし」を連載中。

コメント
 以前使っていた原稿用紙がなくなり…どうしようかと困っていた時に使い始めたのがアイシーの原稿用紙でした。いくつかのメーカーを試した結果、一番滲まず滑らかで使いやすかったからです。
 この紙が無かったら私のマンガ家人生は大げさでなくどうなっていたかわかりません。
 Jトーンが無くなった際もいくつかを復活してくださって*、リーディングカンパニーとしての矜持を感じました。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

「ALLES Vol.36 表紙作家 中村明日美子先生Special インタビュー」『ALLES』vol.36 より


*マンガ画材販売会社の老舗ジェイ社の2019年3月の倒産にともない、販売終了となったJトーンの一部をアイシ―Jトーンとして復刻発売したことを指す。復刻の柄を決める際、2019年8月Jトーン復刻総選挙を開催。同年冬開催のコミックマーケット97での35種の販売を皮切りに、全国の取り扱い店舗にて販売している。


《展示品》
中村明日美子
「同級生」イラスト
『ALLES』vol.36 2021年8月






W-3 期間:2022年6月17日(金)- 10月3日(月)
浅田弘幸(あさだひろゆき)
 1986年「幽界へ…」(集英社『月刊少年ジャンプオリジナル』掲載)にてデビュー。代表作に「BADだねヨシオくん!」「眠兎」「蓮華」「I'll - アイル - 」「PEZ」「テガミバチ」など。手塚治虫原作 TV アニメ「どろろ」キャラクター原案を行うなど幅広く活動中。

《展示品》
あだちとか
「ノラガミ」イラスト
『ALLES』vol.33 2018年8月







◆映像展示


映像:約13分
浅田弘幸氏による、アイシー50周年お祝いイラストのメイキング映像より、アイシースクリーン貼りから完成まで(25:03ー38:22)を抜粋

space caimanにて2021年12月18日開催の会員限定スペシャルイベントにて収録
映像全編はこちら↓



◆カウンター横・ケース展示

松田奈緒子
 1996年「ファンタスティックデイズ」でデビュー。代表作は「レタスバーガープリーズ、OK,OK!」「少女漫画」「重版出来!」など。ドラマ化もされ話題になった「重版出来!」は現在も『月刊!スピリッツ』で連載中。

【解説】
 マンガ制作の裏舞台に光を当てる「重版出来!」の第九十九刷(第99回)「クロニクル!」は、マンガの画材に注目した回。『月刊!スピリッツ』2021年7月号に掲載されたこの回には、トーンにまつわる印象的な逸話が取り上げられています。展示のページはその一部です。

【原画以外の展示品】
「クロニクル!」 『重版出来!』17巻
松田奈緒子 小学館 2021年9月15日

アイシースクリーン S-61

※マンガのページを撮影する際は、解説とともにお撮りください。

※チラシでの告知時より会期を延長しました。






記念グッズ ノベルティ アイシー折り畳み傘
 壁面・ケース展示No.27に展示している折り畳み傘を、ケース上部の天井から開いた状態で宙づりに展示




◆中央・覗き込みケース展示

T-1
トーン略史

 多彩なドット(アミ点)や線、模様などを印刷した、半透明のシール状のシート画材全体をここでは「トーン」とします。
 トーンは、もともと製図や新聞のイラストなどに使われており、日本製が最初に登場したのは1952年であるとされています。グラフィックデザイナーの関三郎が、アメリカのジバトーンを元に1952 年に開発し、同年10月「日本トーン」という会社を設立して販売しはじめました。
 以前からドットや地紋と呼ばれる一定パターンの模様を印刷物に入れて同様の効果を出す手法はありましたが、それらは印刷所に指定して入れるものであり、作者が自分の手元で貼って画面を加工することは出来ませんでした。
 トーンがマンガに使われるようになったのは1950年代半ば。永田竹丸が使用し、なかまに伝えたのがきっかけであるようです。永田は1954年ごろ、神田神保町の文房堂でトーンに目をとめ、2、3種購入してマンガに使ってみました。するとマンガなかまの内で評判となり、2~3か月もすると児童雑誌のマンガに急激に使われるようになったとの証言があります。ただしこれは国内のことで、アメリカでは当時すでにトーンがマンガに使用されていた例があるとのことです。
 接着面(裏面)にドットや模様が印刷されていたトーンが、現在のような表面印刷に変わったのは1970年前後のこと。レトラセット社で製造されていた今のトーンによく似た「レトラトーン」を、日本トーンの関がさらに設立したレトラセットジャパンが輸入開始しました。これにより、トーンを使用するマンガ家やイラストレーターたちは、トーンの表面にカッターで削りを入れるなど、各々の表現を模索、展開しはじめました。
 1970年代のトーンは高価で、糊が強すぎるなど開発の余地を多く残していました。しかし、この頃より90年代までには、スクリーントーン、マクソン、アイシースクリーン、デリータースクリーン、デザイントーン、Jトーンなど様々なブランドのトーンが登場し、各社の創意工夫により品質が向上していきました。パターンが大幅に増え、安価に入手できるようにもなりました。
 マンガの隆盛とトーンの発展は切っても切り離せないでしょう。また、トーンが手ごろな価格になったことには、若年層であるマンガ家の卵や趣味でマンガを描くアマチュアが多く集まる同人誌即売会、とりわけコミックマーケットの存在が大きいでしょう。トーン製造会社の2000~2010年代のパンフレットやチラシをみると、その多くがコミックマーケットの開催時期にあわせて新柄を開発・販売し、広報活動を熱心に展開しているのがわかります。
 2010年代後半には、マンガ制作の主流はデジタルに移行し、トーン貼りもマンガ制作ソフトによって行われることが多くなりました。デジタル用トーンの画像データ素材集なども発売されています。ですが、アナログでのトーン作業を手放せない創作者が一定数存在し、その腕を振るっています。


【参考資料】
「スクリーントーン誕生秘話」『 マンガテクニック講座 スクリーントーン百科』福留朋之編 美術出版社 1997年 12月20日
「スクリーントーンと漫画」永田竹丸 同上
「トキワ荘外記」永田竹丸 『トキワ荘青春物語』1989年5月1日 蝸牛社




T-2
様々なメーカーのトーン 

【展示品】
●トーン
スクリーントーン(SCREEN-TONE) NO.722 レトラセット
マクソンコミックパターン(MAXON COMIC PATTERN) CB524 ホルベイン画材株式会社
アイシースクリーン(I・C SCREEN) S-605 アイシー株式会社(株式会社G-Too)
アイシースクリーンユース(I・C SCREEN youth) Y-1637 アイシー株式会社(株式会社G-Too)
デリータースクリーン(DELETER SCREEN) SE-520 デリーター株式会社
デリータージュニアスクリーン(DELETER Jr. SCREEN) JR-186 デリーター株式会社
デリーターコピートーン(DELETER COPY TONE) エスイー株式会社(デリーター株式会社)
ジェイトーン(J-TONE) J-216 有限会社ジェイ
ジェイトーン(J-TONE) J-371 有限会社ジェイ
デザイントーン(DESIGN TONE) TH-663 サム・トレーディング株式会社
オリジナルトーン(ORIGINAL TONE) AB-555 赤ブーブー通信社
ブライトシールスクリーン(Bright Seal screen) BS-556  Royal Printing
 ※韓国のトーン。日本の代理店は日本漫画学院が行っていた。
ラジカルスクリーン(Radical Screen) ラジカルアート

●カタログ・リーフレット
『レトラセット・スクリーンカタログ』  株式会社エイム 発行時期不明
『マクソンコミックパターンBIGカタログ』  ホルベイン画材株式会社 2002年12月
『アイシー総合カタログ Vol.22』  アイシー株式会社 2010年
『J-TONE Comic Tone Catalog 全200種』 有限会社ジェイ 2001年頃
『デリーター商品カタログ Vol.46』  デリーター株式会社 発行時期不明
『COMIC&VISUAL CATALOG Vol.3』  サム・トレーディング株式会社 発行時期不明
『KOREA Bright Seal Vol.1』 Royal Printing 2000年4月

●トーンファイル
酒井美羽(私物) 2021年11月寄贈
各社のトーンを整理し仕事の際使用していた手製のファイル


以上、すべてマンガ家酒井美羽氏より寄贈




T-3
酒井美羽(さかいみわ)
 1956年生まれ。熊本県出身。1977年「ロリオン」が第2回白泉社アテナ大賞2席に入選。1978年「2年の春」(『花とゆめ』9号掲載)でデビュー。代表作に年の差婚を描いた「ミミと州青のラブコメディ」シリーズ、「抱いて抱いて抱いて♥ダーリン」をはじめ、「その男ワガママにつき」「¥十億少女」「マンガ日本の古典 春色梅児誉美」(原作:為永春水)など。『ミステリーボニータ』(秋田書店)2020年12月号より「酒井美羽の少女まんが戦記」を連載中。

コメント
 アイシースクリーンは、マンガが描ける人がちゃんと入って開発されているのだと思います。端まできっちり模様が入っていなくてヌケがあるから削りを少なくできるし、貼りやすく使いやすい。最新のものがいつも一番使いやすくて企業努力がすばらしいなと常々思ってきました。最近デジタル化にあたってトーンを友だちに譲ることにしたのですが、みんな「アイシーの新しいのをちょうだい」と言うんですよね。

(左)『ミルクタイムにささやいて』1 巻
    1982年10月15日 白泉社

(右)『春色梅児誉美』
    原作: 為永春水
    1996年6月15日 中央公論社