1.
最初にカバーと単行本の附属品(オビやチラシなど)を外す。マンガよりひと回り大きいサイズのビニールを用意し、マンガのカバーに合わせて上下に切り込みを入れて、内側に折り込む。
2.
マンガ本体にカバーをかぶせ、ビニール四隅の不要な部分を切り取る。
3.
よけておいた附属品を、カバー折返しと本体の間に挟む。最後に、マンガ本体につかないようビニールの四隅に小さく糊づけをする。






内記式カバーのかけ方

現代マンガ図書館の透明カバーのかけ方は、一冊ずつ丁寧にくるみ、簡単には外せないが必要に応じて外すことができるやり方である。本は、内容だけが大事なのではなく、表紙カバーや帯も含めて作品の一部であるとして、それらを捨てることはもちろん、表紙カバーをカバーとして扱うことができなくなるような保存の仕方は、作品を損なうことだと内記は考え、ことあるごとに述べていた。館内でもいろいろな変遷をたどり、現在はパネルで示した方法に落ち着いている。







内記式「貸本マンガの発行年度確定の方法」

内記式「貸本マンガの発行年度確定の方法」
貸本マンガの発行年度の推定法はいくつかある。まず、A5判並製本(ソフトカバー)の単行本や短編誌であれば、基本的には1960年以降の刊行ということになる。以下は、A5並製本の発行年度の確定方法ということになる。

  • 1、作者のサインや校了の日付による発行年の推定日付の入ったサインをよく入れる作家を知り、その日から推測。【例1】
  • 2、投稿作品や似顔絵投稿作品による発行年の推定
  • 3、見返しや裏表紙などの絵柄による発行年の推定【例2】
  • 4、広告欄や発行予告による発行年月の推定大手貸本マンガ出版社の、単行本や短編誌の広告欄・発行予告で発行月がわかる場合がある。定期刊行されていた貸本業界紙『全国貸本新聞』掲載の広告や、5の方法と併用すると年の推定もできる。
  • 5、定価の変遷による発行年の推定短編誌のなかから、長期にわたって比較的正確に月刊で発行され、年月が特定しやすい「『泉』(若木書房)と、『刑事』(トップ社)の比較データ」【表1】を作成。両社ほぼ同時期に、値段を上げていることを確認。また他の各社もほぼ一斉に上げることを『全国貸本新聞』の記事・広告などにて確認。1960年から 1965年のあいだは、この表から導き出して作成した「A5判並製本貸本マンガ発行年早見表」【表2】にて、半年以内の精度で発行年を推定できる。これに1-4の方法をあわせると発行月も推定可能になる。
  • ※詳細は、内記稔夫「貸本マンガの発行年度確定の方法について」『マンガ研究』vol.4/2003年を参照