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石黒ゼミナール  古典ラテン語を読む

研究内容

 古典ラテン語を学習します。
ラテン語は前1世紀にキケロやカエサルの散文,ウェルギリウスの韻文を頂点とした,古代ローマ人の文語。キリスト教の拡大とともに中世の西欧で共通語lingua francaの地位を確立し,その後も20世紀前半まで,あらゆる学問の基礎となった古典語です。日本における漢文,漢語と,きわめてよく似た役割を果たしてきました。
「人を知り,人を理解する」人文学humanitasという学問は,ラテン語とギリシア語の研究を基本とします。中世から近代の大学ではラテン語で学問をしました。初等,中等教育でもラテン語の学習を通して論理的な思考を養い,文学や歴史を学び,科学的な議論を行いました。何世紀にもわたり積み重ねてきた,この西欧の学問の伝統をすこしだけ,味わってみましょう。
ラテン語は古典語であっても「死語」lingua mortuaではありません。今もフランス語やスペイン語,イタリア語として生き続けています。英語の語彙の大半はラテン語に由来します。世界で日々つくり出されている新しい商品名なども,その多くがラテン語を源とすることばです。ラテン語の素養があれば,ロマンス系の言語がずいぶんと親しみやすくなるでしょう。英語の難解な語彙も自然と身につき,英語の力がつくでしょう。西欧では今でも,ラテン語の素養は「教養人」literatiの必須条件sine qua nonです。

ゼミの進め方

≪2年次≫

 古典ラテン語の発音をきちんと把握した上で,ラテン語の基本文法をこつこつと学んでゆきます。合宿は実施しません。小さな演習室から出ることなく,遠い土地の,遠い過去の時代に思いを馳せます。

≪3年次≫

 3年生になっても,さらにこつこつと基本文法を学んでゆきます。順調に進めば秋学期中には基本文法をひと通り終えることになるので,つぎは短い文章を読みます。
文法の学習でも文章の読解でも,扱うのは2000年ほど前の古代ローマ人が書いた原文そのまま,もしくは,ほぼそのままのことばです。知的な時間・空間旅行です。だから合宿は必要ないのです。

≪4年次≫

 さらにさらに,文法のおさらいをしながら,古典ラテン語の文章を読みます。リバティタワーlibertatis turrisの教室にいながら,自由に(libere)古代世界を行き来します。そういう教養ある人liberalisに,もはや合宿は必要ありません。