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加藤ゼミナール  情報開示制度と監査

研究内容

 企業における金と物の流れを唯一客観的に示すことができるのが会計であるとされる。しかし実は会計上の数字は非常に人間臭く,それを作る経営者の主観に強く作用される。さらに経営者は,会計を基礎として,自分が経営する企業の成績表を自ら作り,資金を提供する投資家にその内容を報告する。もし学校であなたが,試験の自己採点をして自ら作った成績表を両親にそのまま見せたとしたら,その内容は本当に信用されるであろうか。企業が作成する財務諸表という成績表は,これとまったく同様の問題を抱えている。公認会計士が行う会計監査は,このままでは信頼性が薄い企業の成績表を,学校の先生と同様に,第三者の目でチェックして信用をつけるためにある。  本演習室では,会計そのものが持つ人間臭い側面と,経営者が自らの成績表を正直に作成できるようにするには何が必要かという問題について,科学的に深く考察していく。

ゼミの進め方

≪2年次≫

 春学期は下記の教材に基づき,秋学期は指定された会計学の教科書を基に,学生による報告と討論を中心にして授業を進める。演習に参加する学生のすべてに対して,積極的な発言を求める。春学期に使用する教材はアメリカの有名な行動経済学者によるものであり,経営者が正直な会計報告ができるかについて,非常に興味深い考察を行っている。経営者や公認会計士から倫理的な行動が期待できるかについて科学的に考えるには格好の一冊である。なお講義の内容については,ゼミのシラバスに詳細に示されている。
秋学期末に理解度を確認するため,企業の実際の財務諸表を用いて,簡単な経営の分析を課す。2年次では,各自がそれぞれ異なる企業の財務諸表をもち,自分が担当した企業の2つの経営指標(ROEと自己資本比率)を計算し,その企業の経営状況を推測する。合宿は予定していない。

≪3年次≫

 2年次に指定した会計学の教科書を継続して使用し,その教材に基づいて,学生による報告と討論を中心にして授業を進める。演習に参加する学生のすべてに対して,積極的な発言を求める。春学期末と秋学期末に理解度を確認するため,企業の実際の財務諸表を用いて,経営分析をすることを課す。
春学期は各自異なるキャッシュ・フロー計算書を2社分用意し,それを基に両者の経営内容を比較対照し,経営コンサルタントになったつもりで各自のコメントを求める。秋学期では,各自がそれぞれ異なる複数の企業の財務諸表を6年分準備し,自分が担当した企業について、最低7つの経営指標(当期純利益・自己資本比率・ROE・ROA・フリーキャッシュフロー・キャッシュ化速度・EBITDAなど)を計算しグラフ化する。その後その企業の経営状況について報告し皆で議論する。分析対象の企業は,自分の就職希望企業など,学生の希望に応じて決める。合宿は予定していない。

≪4年次≫

4年次では2年次と3年次で学習した内容をより深めるために,各自でテーマを選択し卒業論文を仕上げる。
合宿は予定していない。